1分で分かる!家づくりで大事な断熱と気密の話

SW_AmarpreetKaur

こんにちは、O型建築士です。

家づくりをする時、「家づくりは間取りなども重要だけでも、家の性能も結構重要ですよ」というお話を時々してきました。

家の性能が悪いと、夏に暑くて冬に寒い家になってしまうんですね。

 

日本の賃貸住宅はコストを掛けずに造ることが重要視されているために基本的な性能の悪い家が多いですが、せっかく新しい家を建てたのに賃貸住宅と変わらない性能だと、何のために家を建てたか分からないですね。

そこで今回は、家の性能で重要な「断熱」と「気密」についてお話したいと思います。

 

性能と言うとややこしいというイメージがありますが、「断熱」と「気密」のことを知るだけでもかなり家づくりの役に立ちますので、タイトルの通り、すごく簡単に分かりやすい記事にしました。

ですので性能などの難しいことは苦手だという方もぜひご覧ください。

それではどうぞ。

家の断熱

家の断熱

Photo:http://www.murayama-co.jp/kodate/technique/tech001/

基本的に家の外周部分は「断熱材」という物で包まれています。

具体的には外壁と屋根、床下などに断熱材が入っていて、家の中を冬の寒さや夏の暑さから守っているんですね。

 

では、この断熱材の特徴を分かりやすいように人の服装に例えてみることにします。

 

断熱材は服装でいうと上着の部分に当たります。

寒い時期は上着があるか無いかで感じる寒さが全然違いますよね。

このように断熱材は1番外側で寒さから守ってくれるんですね。

 

では、上着についてもう少し詳しく見てみましょう。

例えばダウンジャケット1つとってみても、すごくモコモコした大きいダウンジャケットもあれば、数年前からよく見るようになった物凄く薄くて暖かいダウンジャケットもあります。(ユニクロなどでも売ってますよね)

もし厚いダウンジャケットと薄いダウンジャケットが同じ暖かさであれば、薄いダウンジャケットの方が断熱性能の高い物が使われていることになります。

家の断熱材も同じで、断熱性能の高いものを使えば断熱材が薄くても性能を確保できますし、断熱性能が低い断熱材を使うなら断熱材の厚みを厚くしないと断熱性能が確保できないんですね。

 

そのため、家の案内をしてもらっている時に、

「ウチの会社は断熱材を〇〇㎜も入れているんで暖かいですよ」

という営業トークを聞くことがたまにありますが、このトークは全く意味の無いことが分かります。

使っている断熱材の性能が悪ければ断熱材を多く使わないと暖かくならないので、断熱材が厚くても何の売りにならないんですね。

 

このような意味のないトークをする営業マンには、

「その断熱材の性能を詳しく説明してください」

と言うのがベストです。

性能の良い断熱材が沢山入っていたら価値がありますし、性能が大したことがない断熱材が入っているなら厚くするのが当たり前という訳ですね。

 

また、上着にはコートもあればジャンパーやダウンジャケット等、いろんな種類があります。

断熱材も同じで、グラスウールという1番良く使われている断熱材や(グラスウールはあまりオススメしませんが)、ウレタンの断熱材、紙でつくられたセルロースファイバーといった断熱材が有名です。

コートであれば少しフォーマルな着こなしの時に着たり、ダウンジャケットであれば外で運動や作業がしやすかったりなど特性があるように、断熱材も種類によって特性が違ってきます。

どの断熱材を選ぶかは服装と同じようにあなたの好みで大丈夫ですが、できるだけ住宅会社が慣れている断熱材の方が施工的には安心感があります。

家の気密

気密

Photo:http://www.earthfriendly.co.jp/images/design/capa01.jpg

家の断熱の次は、家の気密について見ていきましょう。

気密というのは日常生活ではあまり聞き慣れない言葉ですね。

でも、家の性能のことを考えると、この気密というのはかなり重要な項目になります。

 

家の気密とは、簡単に言うと空気がどれだけ外に漏れないかといことです。

 

実は私自身、駆け出しの頃は家の気密の重要性を分かっていなく、恥ずかしい話ですが家に断熱材が入っていれば家の性能は良くなる物だと思っていました。

何となく断熱材さえあれば暖かい家ができると思っていたんですね。

ところがいざ家の設計を始めると、その考え方が全く違うことが分かりました。

どうして家には気密が重要なんでしょうか?

 

それでは、先ほどの断熱材と同じように気密を服装に例えてみることにします。

 

先ほど上着を断熱材に例えましたが、では冬の寒い時期、あなたは上着はどのようにして着ていますか?

 

ボタンがあればボタンを閉じて、ファスナーがあればファスナーを閉じて出来るだけ暖かい空気が漏れないように、また冷たい空気が入ってこないようにする方が多いのではないでしょうか。

寒いのに、上着を羽織るだけで前は開けっ放しという人はあまりいないですよね。

 

実は家の気密性についてもこれと同じことが言えます。

 

気密性が悪い住宅というのは、真冬に上着の前を開けっ放しにしているのと同じなんです。

いくら高級な上着を着ていても、前が開けっ放しだと上着の効果は少なくて寒いですね。

気密の悪い家は断熱材の性能が活かされず、外の寒い外気がどんどん家に入ってきて、反対に家の中の暖めた空気は外に出て行ってしまいます。

昔の家は気密なんて考えていなかったので、外気がどんどん入ってきて外と対して温度が変わらない家なんかもたくさんあります。

 

一方、ボタンを閉じて暖かい空気が漏れないようにしているのが、気密性の高い家です。

1度暖めた空気が外に漏れないので、断熱材の性能が上手く活きているのが分かりますね。

 

でもボタンを閉じたくらいでは真冬の寒さは防ぎきれない事があります。

もっと暖かくなるようにボタンを閉じるだけでなく、マフラーで首もとを守ったりしてより空気が漏れないように工夫しますね。

これが高気密住宅と呼ばれる家なんです。

 

ここで注意したいのが、この高気密住宅というのは簡単にはつくれないという点です。

上着のボタンを閉じるくらいは簡単ですが、そこからさらに暖かくするにはイロイロ試して工夫をする必要がありますよね。

家も同じで、工夫を重ねてしっかりチェックしないと気密性が高い住宅というのはできないんです。

それだけ経験と手間が必要になるんですね。

 

そのため、この気密性が高いかどうかで実力のある工務店かどうか、ある程度ふるいに掛けることができます。

家の気密性のことを「C値」と言い、この数値がどれくらいか確認すれば良いんですね。(C値は数字が低い方が性能が良いです)

 

ちなみに、あくまで私の考えですが、目安として関東より南の暖かい地域ではC値が1.0を切るかどうかが最低限家を依頼しても良い工務店かどうかの分かれ目だと私は考えています。(寒い地域であれば、C値1.0だと心もと無いので、もっと高い性能が求められます)

 

家は例え全てのパーツを工場で作ったとしても組み立てるのは実際の工事現場です。

パーツをつくるのは効率化できても、高い知識と技術を持った人が工事をして、経験と知識を持った人間がチェックしないと高気密な家は出来ないんですね。

それだけ手間と経験が必要なので、C値が良い工務店と話をした時は、やはり家のことを良く考えているなと思うことが多いですし、「C値?」みたいな感じの工務店と話した時は、すぐに話を終えて帰りたいと思ってしまうくらい差があります。

 

建売住宅の性能があまり良くないと言われるのは、数をこなすためには手間がかかるので気密を全く考えずに工事をしていることが多いのが大きな原因です。

 

手間はかかりますが、それだけ家の気密性というのは快適に生活するには重要なんですね。

 

最後に気密性能が落ちやすい参考例を挙げておきます。

例えば、玄関扉はドアの方が気密性が良く、引戸にすると気密性が落ちてしまいます。

外壁の外側に引戸を取り付けることになるので、どうしても隙間ができやすいんですね。

 

また、郵便ポストをドアやアプローチの側ではなく外壁に付ける場合もありますが、直接外の空気が入ってきてしまうので慎重にポストをつくる必要が出てきます。

郵便ポストを設置する時に知っておきたい3つの場所

 

その他には、窓によっても家の気密性は違ってきます。

窓であれば引違い窓やジャロジー窓があまり気密性が良くない窓の代表格と言えます。

特にジャロジー窓の気密性はかなり悪いので、ジャロジー窓は避けるようにしたいですね。

引違い窓も必要な部分だけ使うなど、バランスの取れた窓の計画がポイントになってきます。

家の光や風を左右する!家を建てるなら知っておきたい窓の話

まとめ

今回は家の断熱と気密についてお話しました。

家の断熱と気密は、家の耐震性と並んで家の性能を決める大きなポイントとなります。

専門的な知識はなくても十分ですが、少なくとも家の断熱と気密はどういう物かを頭に入れておくことが、後で寒かったなどの後悔を防ぐための1番の方法となります。

家づくりをする方は、断熱と気密というのがどんな物なのか、ぜひ頭に入れておいてくださいね。

きっとあなたの家づくりの役に立つはずです。

では。

 

家の性能についてはこちらも参考にしてください。

家をつくる!そんな時ぜひ覚えて欲しい性能の重要なお話

あなたの家は地震に強い家?家の耐震性能について知っておきたいこと

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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今日の問題解決

家の断熱と気密って何?

  • 家の断熱材は、家を外気から守るもの。
  • 家の気密性は、家の空気を外部に漏らさないためのもの。
  • 気密性が高いことで、断熱材の効果が活きてくる。