床下収納

よもやま話

床下収納庫はどこに設置するのがベスト?床下収納の位置を検証しました

「床下収納庫を1カ所、家のどこかに設置するのですが、どこに設置するのがいいのか迷っています。床下収納庫を設置するのにオススメの場所というのはあるのでしょうか?」

読者の方より、このような質問をいただきました。

 

床下収納庫とはその名の通り床下を収納に活用した収納のことを言います。

こんな感じですね。

床下収納庫

床の一部が開くようになっていて、その下に物が入れられるようになっているんですね。

床下収納は通常は家の1階に設けることになり、最近では床下収納庫のある家がほとんどとなっています。

ではその床下収納庫はどこに付けるのがベストなんでしょうか?

今回は床下収納庫の取り付ける場所と注意点について詳しく見ていきたいと思います。

床下収納庫は必要?

家を建てる場合、床下収納庫は少なくとも1カ所は標準装備になっていることがほとんどです。

その理由として床下収納庫は家のメンテナンスをする際に活用できるというのが大きな理由です。

実は、床下収納庫は取り外すことができ、そこから床下の点検ができるようになっているんですね。

そのため床下収納庫は、床下点検口と表記されていることもあります。

 

床下や基礎、配管のチェックをするために、最低でもどこか1カ所は床下に潜れる場所をつくる必要があるんですね。

昔は畳の下を開けて床下に潜ることが多かったですが、今では床下収納庫を取り外して点検口を兼ねるケースがほとんどで、床にただ点検口を作るのではなく床下収納にも活用するようになっています。

床下収納庫はどこに付ける?

床下収納Photo:https://www.daiken.ne.jp/products/interior.html

では、家のどこかに作ることになる床下収納こは、家のどこに設けるのがいいのでしょうか?

たとえば床下収納庫がよく設置される場所としては、キッチンや洗面脱衣室に付いているケースをよく見かけます。

キッチンであればペットボトルや食品などのストック入れとして、洗面脱衣室では洗剤などの収納として使われることが多いんですね。

 

それならいっその事、「キッチンと洗面脱衣室の両方に付けてもいいのでは」と思いますが、実はこの床下収納庫、頻使うには意外と手間と労力がかかるもの。

物を取り出すびにしゃがんで床下から物を取り出すので、結構手間になってしまうんですね。

それなら、床下収納ではなくて普通に収納できる場所をつくった方が何倍も楽に出し入れできるようになります。

床下収納庫を重宝するということは、実はそれだけ普通に収納できる場所が少ないことの裏返しとも言えるんですね。

 

また、床下収納庫の枠には金具が多く、冬場などは素足で踏むと冷たいですし、見た目もあまりいいものではありません。

床下収納は床下を収納に使えるという反面、寒さを感じたりギシギシと軋んで音がなる原因にもなってしまうんですね。

そのため、頻繁に人が通ったり行き来する場所には床下収納はあまり向いていません。

キッチンなら頻繁に床下収納の上に人がので音が鳴るようになればうるさく感じますし、洗面脱衣室は裸になる場所なので足に冷たさを感じてしまう原因にもなってしまうんですね。

 

では、どこに床下収納庫を付けるのがいいかというと、収納の中など人が通りにくくて目立たない場所が床下収納庫の設置場所としてオススメと言えます。

「収納の中に床下収納?」と思ってしまうかもしれませんが、床下収納庫はそんなに収納として便利な物ではないので、滅多に出し入れしない物を入れる方がいいですし、収納の中なら見た目や音も気になることがありません。

 

このように床下収納庫を付ける場合、収納力に期待するよりも、いかに目立たず邪魔にならない場所に付けられるかを優先するのがベストとなってくるんですね。

床下収納庫の種類

床下収納庫は大きく分けて「固定型」「スライド型」「和室用」の3つに分けることができます。

 

固定型の床下収納というのは一般的に良く見かける床下収納庫で、フタを開けると収納ボックスがあるタイプのことです。

固定型の床下収納は一番よく見かけるタイプの床下収納になります。

固定式床下収納

Photo:https://sumai.panasonic.jp/interior/miriyo/yukashita/kotei.html

 

次に、スライド型の床下収納というのは収納ボックスが複数有り、収納ボックスをスライドで動かすことができます。

大量に床下に収納したい時に合っている床下収納なんですね。

スライド式床下収納

Photo:https://sumai.panasonic.jp/interior/miriyo/yukashita/slide.html

 

最後に和室用というのは畳のサイズに合わせて収納できる床下収納庫です。

普通の床下収納庫よりも長細いので、長いものを収納する時に便利な収納になります。

和室の床下収納

 

このように床下収納はいくつかの種類がありますが、床下収納を付ける場合に気をつけたいのが、基本的には高気密・高断熱住宅用の床下収納庫を使うということ。

一般的には床下に断熱材を入れている住宅が多く、断熱性能のない床下収納庫を使ってしまうと、その部分が断熱の弱点となってしまうんですね。

そのため、基本的には高気密・高断熱住宅用の床下収納庫を使うことが重要となります。

いろんな床下収納

既製品の床下収納庫を付ける以外にも、独自に床下収納を付ける方法もあります。

小上がりになった和室で良く見かけるスライド式の収納も、一種の床下収納と言えますね。

髟キ隹キ蟾・120118-029 のコピー

小上がりの和室ってどうなの?小上がり和室のメリットとデメリット

 

また、あえて部屋に段差をつけることで、床下収納のスペースを作ることもできます。

造作床下収納

段差部分はベッド代わりにするなど、使い方はアイデア次第なんですね。

このような床下収納は床を上げた分だけ収納をつくることができるので、コンパクトな住宅の場合に特に効果を発揮します。

大きな開口の場合は油圧式の金具を使ってあげれば女性でも簡単に持ち上げるのが可能になるので、とにかく収納力を上げたい時に効果的です。

 

このように床下収納はやり方次第でいろんな収納を作ることができますが、床下収納を作る場合に気をつけたいのが、いかに家の性能を落とさずに収納をつくれるのかという点です。

先ほどの既製品の床下収納庫と同じで基礎断熱の場合は気にする必要はありませんが、床下に断熱材を入れる場合はできるだけ簡単な構造にして複雑な構造にしないのがポイントになってきます。

複雑な構造にしてしまうとそれだけ断熱材をキレイに入れるのが難しくなり、家の断熱性能が下がってしまう原因ともなってしまうので、断熱の弱点にならないような床下収納にする必要があるんですね。

床下に無理に収納をつくって家の性能が下がってしまうと、何で収納をつくったか分からなくなってしまいます。

1分で分かる!家づくりで大事な断熱と気密の話

 

また、場合によっては床下収納を作るよりも家を大きくして収納を作る方が費用も割安で使いやすい収納にできるというケースも有り得ます。

そのため、床下収納はロフトと同じようにコンパクトな家の方がより効果が高くなるんですね。

ロフトのある家って実際どうなの?100棟以上見てきた正解がコチラです。

 

このように床下収納は、つくり方次第で生活の味方にもなってくれますし、あまり意味の無い物にもなる可能性を秘めています。

床下収納をつくるなら、有効活用できる床下収納なのかどうか。

この部分を意識しながら床下収納をつくりたいですね。

まとめ

今回は床下収納について見てきました。

床下収納は、既製品の床下収納庫を付ける場合と、造作で床下収納を作るという2つのケースに分けられます。

 

既製品の床下収納庫を付ける場合は床下点検口としての役割をメインとして、できるだけ目立たない場所に。

造作で作る場合はコンパクトな家の方が効果が高く、家の性能を落とさないように注意しながら床下収納をつくるのがポイントになってきます。

 

それぞれのケースに合わせて、効果的な床下収納にしていきたいですね。

では。

 

収納についてはこちらもご覧ください。

クローゼットの収納術。家の建築士がおススメの収納方法をお教えします。

使いやすいウォークインクローゼットの収納例をご紹介します

衣装部屋を家につくると家がスッキリする理由

パントリーの間取りとおすすめの収納方法7選

建築士が実際に見てきた全国の優良工務店を掲載。

GOOD BUILDERS

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

まるで教科書!理想の家をつくる方法【絶対保存版】

土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】

家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】

注文住宅を建てる前に必ず知っておきたい!注文住宅のメリットとデメリット

建築士が教える今日の問題解決

床下収納はどこに付ければいい?

  • 既製品の床下収納は収納としては使いにくいので、床下点検口と割り切ってできるだけ目立たない場所につけるのがベスト。
  • 造作で作る場合は、複雑な構造にして断熱性が落ちないように注意しながら作るといい。
  • 床下収納をつくる場合、コンパクトな家の方が効果が高い。
  • この記事を書いた人
  • 最新記事

O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

-よもやま話
-

Copyright © BUILD WORKS , All Rights Reserved.