回り階段と直線階段

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回り階段 VS 直線階段 どっちがいい?使いやすい階段の選び方

2階建て以上の家であれば必ず設置することになる階段。

階段は毎日上り下りするものなので、使いやすくて安全面も考えられた階段を選びたいものですよね。

そんな階段で代表的なのが「回り階段」と「直線階段」。

では、「回り階段」と「直線階段」ではどちらの方が使いやすいのでしょうか?

今回は、「回り階段」と「直線階段」を比較しながら、使いやすい階段について詳しく見ていきたいと思います。

回り階段のメリット、デメリットとは

それではまず、回り階段の特徴について見ていきましょう。

回り階段とは、このようにUの字になって回る階段のことを言います。

回り階段

こんな感じの回り階段がある家はよく見かけますよね。

では、実際に回り階段にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

 

まず、回り階段のメリットとしては踊り場を作れるということが挙げられます。

回り部分に踊り場を作ることで、もし足を滑らせてしまった時にも階段の途中で止まることができ、安全性を高めることができるんですね。

そのため踊り場のある回り階段は、万が一、足を滑らせてしまった時にも安心感のある階段と言えます。

また、一般的な回り階段は四角い1坪サイズなので、間取りに組み込みやすいという特徴もあります。

家は1畳や1坪という単位でスペースが作られていることが多いため、同じように1坪サイズの回り階段というのは間取りに馴染みやすいんですね。

回り階段を使っている家をよく見かけますが、このような間取りに組み込みやすいというのも大きな理由の1つです。

 

一方、回り階段にもデメリットはあります。

たとえば、回り階段は階段の途中で回っているので家具や家電など大きな物を運び込む時は大変です。

場合によっては階段に荷物が通らないので窓やバルコニーから搬入するというケースも。

そのため2階へ物を入れる時に支障が無いかどうかは確認しておきたいポイントです。

 

また、回り階段の内側部分は狭くなるという点も注意しておきたいところ。

幅の狭い内側ではなく広い外側を回るように、手すりは外側につけておきたいですね。

(下の図は回り階段の手すりをそれぞれ外、内側に設置した時の高齢者が歩く場所を表していて、内側に手すりがあると狭い場所を上り下りすることになります)

回り階段と手すり

その他、階段を玄関やリビング近くに配置する場合はオシャレに見せたいケースもありますが、見せる階段にする場合、回り階段だと難易度が少し高くなります。

回り階段はグルっと回る分だけ複雑な構造をしているので、デザイン性の高い階段にする場合は強度とデザインを上手く両立させる必要があり、その分だけ作り方の難易度が高くなるんですね。

おしゃれな回り階段

Photo:https://www.homify.jp/ideabooks/46101/

そのため、回り階段でオシャレな階段にしたいという場合は見え方というのも必ず確認しておきたい部分と言えます。

直線階段のメリット、デメリットとは

それでは次に、直線階段についても見てみましょう。

直線階段はその名の通り直線的に段差が作られている階段になり、「直階段」と呼ばれることもあります。

直線階段

そんな直線階段のメリットとしては、省スペースで階段を作れるということ。

踊り場がないので、その分だけスペースを少なく階段を作ることができるんですね。

また、階段が真っ直ぐなので大きな物も搬入しやすいですし、ずっと同じテンポで階段を上り下りできるというのも直線階段のメリットです。

 

その他、直線階段は直線的なデザインになるので見た目も綺麗な階段が多いという特徴もあります。

そのため、階段の下をオープンにしたストリップ階段とも好相性です。

ストリップ階段ってどんな階段?ストリップ階段の種類とメリット、デメリット

 

たとえば直線階段の場合は階段を挟んで緩やかに空間を区切るという方法も。

おしゃれなリビング階段

Photo:https://www.arbrehome.com/works08.html

特に直線階段とリビング階段は好相性で、アレンジ次第で色んな見せ方ができるというのも大きな特徴です。

リビング階段は寒い?後悔しないオシャレなリビング階段を作る方法

 

ちなみに、直線階段でも途中に踊り場を設けることもできますが、その場合は階段がかなり長くなってしまうので、直線ではなく途中で左右どちらかに曲げてしまった方がベターと言えます。

 

では、反対に直線階段のデメリットも見てみましょう。

まず、直線階段は真っ直ぐなので、もし足を滑らせた時に途中で止まる場所がありません。

そのため、急勾配の直線階段は避けたいもの。

落下時の危険性が少しでも減るように、勾配はできるだけ緩やかにしておきたいですね。

また、直線階段は回り階段よりも間取りを選ぶ階段です。

たとえば、下のケースのように直線階段を採用することで他のスペースが使いにくくなる事もあるんですね。

直線階段の間取り

このように直線階段はどんな家にも合うわけではなく、回り階段よりも敷地の大きさや間取りの要望により左右されやすいという点はデメリットと言えます。

回り階段、直線階段、どっちの方がいい?

回り階段と直線階段、それぞれのメリット、デメリットについてここまで見てきました。

大きな部分で見てみると、安全面を重視であれば踊り場がある回り階段に。

省スペース性やデザイン性の面では直線階段の方が分があるという感じなんですね。

 

ただ、回り階段、直線階段というような階段の種類については、何かしらの理由がある場合は別として、そうでない場合は特に指定しない方が良いというのが建築士としてのリアルな感想です。

その理由は、階段の指定をしない方が間取りの幅は広がるから。

たとえば階段の安全性を高めるのであれば、階段の幅を広げたり段差を緩やかにするなどの方法もありますし、回り階段が合う敷地、直線階段が似合う家など、敷地環境や要望によってベストな階段は変わってくるんですね。

「回り階段」、「直線階段」というように形を指定するよりも、「階段の安全面が気になってる」とか「見た目もオシャレな階段がいい」など、目指す階段がどんな物かを伝えた上で提案してもらうのが、ベストな階段にするための一番の近道となるんですね。

まとめ

今回は回り階段と直線階段について詳しく見てきました。

同じ階段でも、回り階段と直線階段の特徴というのは結構違うんですね。

また、それぞれ合う間取り、敷地というのも違ってきます。

それぞれの特徴を活かしながら、あなたにとって最適な階段にアレンジする。

これが使いやすい階段にするためのベストな方法となるんですね。

では。

 

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地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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