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平屋 VS 二階建て どっちが良い?あなたに合った家の選び方

「家を建てるのに、平屋と二階建てで迷っています。できれば平屋にしたいと思うのですが、二階建てという選択肢も捨て切れていません。どちらの家の方がいいでしょうか?」

このような質問を読者の方からいただきました。

今回いただいた質問のように、平屋と二階建て、どちらの家の方が好みか一度は考えた事があるという方も多いのではないでしょうか?

そして実は、平屋と二階建てでは意外と違いがあります。

今回はそんな平屋と二階建てを色んな面で比較していきたいと思います。

あなたはどちらの家の方が合っているでしょうか?

平屋 VS 二階建て①:敷地条件

それではまず、敷地条件から平屋と二階建てを比べていきたいと思います。

敷地条件で見た場合、やはり平屋の方が二階建ての家より広い敷地が必要となってきます。

たとえば、同じ100㎡の家でも平屋と二階建てを比べてみるとこんな感じに。

平屋と二階建て 面積比較

平屋の場合は100㎡の家がすっぽり入るだけの敷地が必要ですが、二階建ての場合はフロアが2つあるので小さな敷地でも家を建てることができるんですね。

 

また、平屋の場合は周りの敷地条件というのもより重要になります。

たとえば平屋で家の周りが二階建ての住宅に囲まれてしまうと、どうなるでしょうか?

光の入らない家になるばかりかお隣の家から見下ろされる形となってしまい、住み心地の悪い家になってしまいますよね。

そうならないためにも、平屋で周りに家が建っている場合はお隣の家とはある程度離しておく必要があり、その分だけ敷地にもゆとりが必要になってきます。

 

その一方、二階建ての場合は二階まで真っ暗になるというケースは周りが高い建物に囲まれていない限りかなりレアですし、一階に光が入りにくい場合は二階リビングにして明るいリビングにできるなど、敷地条件によって家の作り方は色々と変えることができます。

2階リビングのメリット、デメリットをプロの建築士がまとめました【絶対保存版】

 

平屋は建てる場所をある程度選ぶ必要があるけども、二階建てはどんな敷地にも対応しやすい。

こんな違いが有るんですね。

平屋 VS 二階建て②:家の価格

敷地条件の次は、家の価格についても見てみましょう。

価格について注目すると、同じ大きさの家を建てる場合は平屋の方が高く、二階建ての方が安く家を建てられるようになります。

平屋の方が高さも低いし何だか安く家が建てられそうに感じますが、実は反対なんですね。

 

その理由としては、平屋はワンフロアで家を建てることになるので2階建ての家よりも建物の基礎の面積が倍近くの大きさになりますし、屋根の面積も2階建ての家と比べると大きくなってきます。

実は材料費は平屋の方が高くなってくるんですね。

ザックリなイメージで言うと、二階建てと比べると平屋の方が1割ほどコストアップするという感じです。

たとえば30坪、2,000万円で二階建ての家が建てられるとしたら、平屋の場合は2,200万円くらいになるという訳ですね。

このように、家の工事価格で見ると二階建ての方がコストパフォーマンスは高いと言えます。

 

ただ、家の耐震性という観点から見ると平屋は家の高さを抑えることができる分だけ家の重心が低くなり、家の重量も軽くなるので、同じ家でも地震には強くなります。

また、家を建てる場合は家を支えるだけの地盤の強さが必要で、地盤が弱い場合は「地盤改良」という工事を行う必要がありますが、平屋は軽いので地盤改良が必要となるケースが少ないため、家以外のプラスアルファという面も踏まえると価格差はもう少し縮まってきます。(地盤改良を行うと100万円前後の費用が掛かります)

地盤改良の費用がいらない?地盤の良い土地の見分け方

平屋 VS 二階建て③:生活のしやすさ

それでは次に、生活のしやすさについて比べてみましょう。

やはり生活面で見てみると、平屋の方が生活しやすいと言えます。

 

平屋の魅力。

それは全てが同じフロアにあるので階段が必要なく、移動が楽なワンフロアで生活が完結するというのは大きな魅力です。

平屋の家は生活の動線を短くすることができ、その分だけ暮らしやすい家にできるんですね。

その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について

 

その他にも平屋はワンフロアという構造上、視線の抜け感や奥行き感を出しやすいという特徴もあります。

横に広がりがりがあることで、家の中が広く見えるようになるんですね。

さらには平屋の家は階段が無くバリアフリーの間取りにすることが簡単なので、歳を取ってからも住みやすいというのも平屋の魅力の1つです。

広く見える部屋と狭く見える部屋って何が違うの?部屋を広く見せるための3つの方法

 

もちろん、2階建ての家でも1階にLDK+寝室として使える部屋を用意しておくことで歳を取っても1階で生活を完結することが可能ですし、将来ホームエレベーターなどを設置できるようにしておくなど対策を取っておくこともできます。

また、歳を取った時に生活しやすい都市部のマンションに引っ越すなどの方法もあり、将来的な部分はその人の考え方次第で価値が変わってくる部分でもあります。

 

ただ、トータル面で見ると、平屋の方がどんな状況にも対応しやすく、また日々の生活も楽な家にしやすいと言えます。

平屋 VS 二階建て④:間取りの難易度

間取り

では次に、平屋と二階建て、どちらの方が間取りを作る難易度が高いか見てみましょう。

注文住宅の建築士である私の感覚で言うと、平屋と二階建て、間取りの難易度はどちらもそう変わらないというのが正直な感想です。

ただ、部屋数が多くなればなるほど、平屋の方が間取りを作る難易度は高くなってきます。

その理由としては、平屋はワンフロアにLDKや水回り、寝室、玄関といった家の全ての要素を入れるため、部屋数が多いとその分だけ廊下が長くなるケースが増えてきます。

でも、移動が楽な点が平屋の魅力の1つなのに、長い廊下や迷路のような廊下を移動するのは嫌ですよね。

そうならないよう上手く家全体をまとめる必要があるため、部屋数が増えるほど間取りは難しくなってくるという感じです。

(敷地が広ければ何とでもなりますが、限られた敷地だとより難易度が上がるようになります)

平屋の間取りを見る時に必ず知っておきたい7つのチェックポイント

 

また、平屋と二階建て、どちらの家を選ぶにしろ、担当する建築士はそれぞれの経験が豊富な建築士に依頼するというのは鉄則になります。

その理由は、慣れていないとヘンテコな間取りになる確率が上がるから。

たとえば、都市部を中心に家の設計をしている建築士の場合、2階建てや3階建てが中心で平屋はほとんど設計したことが無いという建築士も普通に沢山います。

そうなると、いざ平屋の間取りを作ったとしても、いきなりベストな間取りを作れる可能性はかなり低くなります。

もちろん、家の考え方は平屋と二階建てで大きく変わる訳ではありませんが、経験が少ないので引き出しが少なく、ベストな間取りにたどり着くまでにかなり時間が掛かってしまうんですね。

反対に、郊外でほとんど平屋を中心に設計している建築士に2階建てを依頼した場合、微妙な位置に階段が配置されているケースもたまに目にします。

日頃はワンフロアで設計しているので、階段を使うことに慣れていないからなんですね。

 

このように、一般の方にとっては同じような家に見えても、設計する立場から見ると平屋と二階建ては意外と違いがあります。

そのため、設計者がこれまでどんな実績があるかを確認するというのは重要なポイントなんですね。

平屋 VS 二階建て⑤:家のメンテナンス

2階建て

家のメンテナンスで見てみると、平屋の方がメンテナンスは楽で費用も抑えることができます。

その大きな理由は、平屋は高さが低いので屋根や外壁などを点検するのも簡単ですし、いざメンテナンスが必要となった場合も大きな足場を組む必要がありません。

平屋の方が家全体を見やすく、またメンテナンスしやすいんですね。

費用の面で見てみると足場以外に大きな差はないのでそれ程メンテナンス費用が変わるわけではありませんが、やはり簡単に点検できるというのはやはり便利なものです。

また、外壁の汚れも取りやすいですし、雨樋に溜まった落ち葉の掃除なんかもしやすいのも良いですね。

そのため家のメンテナンス性で見てみると、平屋の方に軍配が上がります。

家のメンテナンス費用はどれくらい必要で、修繕するタイミングはいつ?

平屋と二階建て、良いとこ取りの家

ここまで平屋と二階建てについて比較してきましたが、平屋と二階建て、それぞれの特徴を持つハイブリッドな家というのもここ最近人気があります。

それはどんな家かと言うと、平屋をベースにして軒裏などのスペースを活用した家です。

こんな感じですね。

平屋、二階建て、良い所取りの家

LDKに繋がった軒裏の部屋は趣味部屋や書斎などに使うのも良いですし、臨時の客間など多目的に使うことができます。

ちょっとしたスペースでOKであればロフトに、しっかり部屋としても使える方が良いという場合は天井高をしっかり取って部屋にするなど、用途に合わせて調整できるのも魅力の1つなんですね。

(ロフトは天井高を1.4m以内に収める必要がありますが、家の階数には含まれません。天井高を1.4m以上にして高さをしっかり取れば平屋ではなく二階建てとなりますが、二階建てに変わってもほとんどデメリットは発生しません)

ロフトのある家って実際どうなの?100棟以上見てきた正解がコチラです。

 

また、小屋裏をLDKと繋がるように作れば家の中がより広く見えるようになりますし、風の通りも良くなるという効果も期待できます。

平屋がベースだけども、高さを活かしてプラスアルファがある家。

こういった平屋、二階建て、どっちの良いところも採用した家にするというのも楽しいですよ。

まとめ

今回は平屋と二階建てについて比較しながら詳しく見てきました。

内容を簡単にまとめるとこんな感じですね。

平屋二階建て
敷地条件

ある程度広さが必要

ほとんどの敷地に対応できる

家の価格

基礎や屋根などのコストが掛かる

効率的に家を建てられる

生活のしやすさ

ワンフロアで生活しやすい

将来、階段がネックになる場合も

間取りの難易度

間取りの難易度について大きな差は無い

平屋なら平屋、二階建てなら二階建てに慣れている建築士に設計してもらうのがベスト

メンテナンス性

メンテナンスしやすい

高い場所のメンテナンスが少し手間

敷地条件やコスト面では平屋の方が条件が厳しくなりますが、日常生活も踏まえると可能であれば平屋に。

こんな印象を持った方も多いのではないでしょうか。

 

また、平屋、二階建てという形にこだわらず、お互いの良い部分を持ったハイブリッドな家にするのも良いですね。

家は建てるのが目的ではなくて、住んでからが本当のスタートです。

日々暮らしやすく、また楽しく感じる家はどんな家か。

この部分を考えてみることで、あなたに最適な家にすることができるんですね。

では。

 

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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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