「らせん階段を検討しています。ストリップ階段の記事を拝見させていただいたのですが、らせん階段についても記事にしてもらえないでしょうか?」
読者の方からこのようなリクエストをもらいました。
らせん階段は見た目もオシャレでデザイン性も高いため、家のデザインが気になるという方は「らせん階段」もちょっと気になるという方も多いと思います。
では、そんな「らせん階段」は実際に使いやすいのでしょうか?そしてどんなメリットがあるのでしょうか?
今回は「らせん階段」のメリット、デメリットを見ながら「らせん階段」が似合う場所、「らせん階段」を作るときのポイントについて見ていきたいと思います。
階段やインテリアが気になる方はぜひご覧ください。
らせん階段のメリット
それではまず、らせん階段のメリットについて見ていきましょう。
らせん階段の一番のメリットとしては、曲線が描くシルエットの美しさが挙げられます。
階段というと普通は直線的な物がほとんどですが、曲線を使った「らせん階段」のシルエットは他の階段では表現できないもので、存在感が有りつつ軽さも合わせ持っているというのが「らせん階段」の最大の魅力なんですね。
また、家全体を見てみても曲線というのは少なく、「らせん階段」があるだけで家のアクセントにすることができます。
曲線を使う事で家の雰囲気を柔らかくする事ができますが、「らせん階段」を使うことで同じ効果が期待できるんですね。
また、らせん階段はストリップ階段の一種となるので階段を配置しても光を遮らないという特徴があります。
そのため家の南側など光を入れたい場所にも使う事ができるなど、使う場所をあまり選ばないのも魅力の1つです。
その他、らせん階段は踊り場がないためあまりスペースを必要とせず、家の大きさが限られている時にも効果を発揮してくれます。
らせん階段はコンパクトなスペースにも設置しやすいんですね。
コンパクトな住宅の場合は家の中の壁をいかに重たく見せないかが重要になってきますが、らせん階段は重たさを感じさせないため、コンパクトな住宅と「らせん階段」はかなり好相性と言えます。
(デザインが素敵な狭小住宅を見てみると、らせん階段が効果的に使われていることが多いです)
また、らせん階段はいろんなインテリアの住宅に合わせることが可能です。
たとえばスッキリ見せたい場合は白を基調にすれば程よく存在感が有りつつ綺麗な見た目の階段にすることができますし、シックな印象にしたい時は黒やグレーなど落ち着いた色の「らせん階段」にすると部屋にキレイに馴染みます。
また、和モダンの住宅にする場合は黒を使った「らせん階段」にすると家に馴染みつつモダンな印象を出せるのでオススメですよ。
その他、らせん階段というと日常生活であまり使う事がないので使い勝手が心配という声を耳にすることもあります。
らせん階段は階段の中心にいくほど踏むスペースが狭くなるので「使いにくいのでは」と思ってしまうんですね。
でも実際に使ってみると使いづらいということはなく、一定の同じリズムで階段を上り下りできるので下を見なくても上り下りでき、物を持って足元が見辛い場合でも使いやすい階段と言えます。
らせん階段のデメリット
それでは次に、らせん階段のデメリットについて見てみましょう。
らせん階段のデメリットを挙げるとすると、一般の階段に比べて価格が高くなるということが挙げられます。
らせん階段にする場合、造作で作るか既製品を入れることになりますが、どちらを入れても一般的な階段と比べると100万円ほどコストアップするケースが多いです。(デザイン次第でコストはかなり変わります)
家の高さに合わせてオーダーメードで作ることになるのでコストが上がってくるんですね。
また、オープンな作りなので小さなお子さんがいる場合は落下防止に気をつける必要も出てきます。
らせん階段で落下しやすい場所として注意しておきたいのが手すり部分。
手すりを細かく作れば手すりの隙間から落ちることは無くなりますが、らせん階段の場合は手すりの本数を増やすほどうるさく見えてしまいまうという悩ましい特徴があります。
手すりの曲線も「らせん階段」のデザインや見た目の軽さに大きく影響する部分なんですね。
(ちなみにストリップ階段の場合は手すりを増やしてもキレイさは変わりません)
そのため、お子さんが小さい間だけ落下防止ネットを張って対策を取るというケースが多いです。
その他、らせん階段の場合は大きな物、例えば大型の家具や家電というのは搬入するのが難しくなります。
らせん階段は円形になっているので、四角い家具や家電はすぐに手すりにぶつかってしまうんですね。
そのため、大きな家具を入れる時はバルコニーなど大きな窓がある場所から搬入するのが基本となります。
最後に細かい部分となりますが、掃除の時もちょっと注意が必要です。
らせん階段は形が独特なので床の掃除する時に階段の低い場所に頭をぶつけてしまうなんて事も。
そのため慣れるまでは頭上を意識しながら掃除をしていきたいですね。
らせん階段が似合う場所
Photo:https://horaguchi.cc/
それでは次に、らせん階段が合う場所について見ていきましょう。
らせん階段が合う場所としては、やはりリビングが挙げられます。
らせん階段はデザイン性が高いのでリビングに配置する事でインテリアの一部にもなってくれるんですね。
また、光を遮らないので南側に配置したりなど設置する場所の制約が少ないというのも魅力の1つです。
このように「らせん階段」とリビング階段は相性が良い組み合わせなので、らせん階段を入れる場合は積極的にリビングに取り入れていきたいですね。
その他に「らせん階段」が合う場所としては、玄関が挙げられます。
Photo:https://www.soramado.com/
玄関に「らせん階段」を作っても良いですし、玄関から見える位置に「らせん階段」を作ってもアイキャッチとなり効果的です。
特に2階リビングの間取りの場合は玄関から見える位置に「らせん階段」を作ってリビングとの繋がりを作ってあげると、1階の玄関付近の雰囲気が華やかな印象になってくれます。
→2階リビングのメリット、デメリットをプロの建築士がまとめました【絶対保存版】
また、「らせん階段」は上階まで一続きに作るのも効果的です。
たとえば3階建ての住宅の場合やロフトがある間取りにする場合は1階から最上階まで続きで「らせん階段」にすることで上階から1階まで光を落とす事ができるようになるんですね。
特に周りに家が建っている場合は1階は暗くなりがちです。
そんな時も「らせん階段」をうまく使うことで階段だけでなく1階にも光が入るようになるんですね。
狭小地や道路から光を取り込みにくい間口の狭い敷地の場合は特に効果的なので、らせん階段を取り入れると家の雰囲気は大きく変わってきます。
最後に「らせん階段」をちょっとアレンジした階段も1つご紹介しておきましょう。
Photo:https://100life.jp/architecture/30035/
らせん階段はクルクル回って登る階段ですが、このように踊り場の部分だけ曲線にした階段というのも有ります。
このような階段を使うメリットとしては、「らせん階段」よりも階段を作りやすいという事が挙げられます。
「らせん階段」はクルッと1周まわって階段を上り下りするイメージがありますが、厳密に言うとクルッと1周まわって階段を登る訳ではなく、家の高さや階段の1段の高さによって微調整が必要になってきます。
言い換えると、階段の登り始めの位置と登り切る位置に多少制限があるんですね。
そのため、場合によっては「らせん階段」にするよりも踊り場部分だけ曲線にした階段の方が間取りに上手く馴染むこともあります。
そのため、このような踊り場部分だけ曲線にする階段も有るというのを頭の片隅に入れておくと、より階段や間取りの選択肢が広くなりますよ。
まとめ
今回は「らせん階段」について詳しく見てきました。
らせん階段はストリップ階段と同じように光を入れてくれるだけでなく、その独特なフォルムが家のアイキャッチとなったりインテリア性を高める役割を果たしてくれるんですね。
また、光の入りにくい狭小地や間口の狭い敷地でも「らせん階段」は明るさの面で大きな効果を発揮してくれます。
明るい家にしたい方や階段をちょっとこだわってみたい方はぜひ一度「らせん階段」も検討して見てくださいね。
では。
階段はこちらも参考にしてください。
→リビング階段は寒い?リビング階段のメリットとデメリットを解説します
→階段下収納や階段下トイレってどうなの?効果的な階段下の使い方
→ストリップ階段ってどんな階段?ストリップ階段の種類とメリット、デメリット
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