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将来に売りやすい注文住宅と売りにくい注文住宅の違い 

2020年5月21日

「注文住宅を建てる予定ですが、将来売却する可能性も頭に入れています。売ることを考えるとあまりこだわり過ぎない方が良いという話も聞くのですが、実際のところはどうなのでしょうか?売りやすいようにする方法もあれば記事にしていただきたいです」

このようなリクエストを読者の方からいただきました。

注文住宅を建てる段階で売却まで考えている方というのは実際にはそれほど多くありませんが、将来転勤などで住む場所が変わる可能性が高いという方もいらっしゃいますし、歳を取って子供が巣立ったたら家を売却して夫婦二人暮らしに合った住まいに引っ越すことも考えている方、今後働き方が変わるにつれ住む場所も変わる可能性もあるなど注文住宅を建てつつ住まいに関して柔軟な考え方を持つ方も年々増えています。

 

では、いざ実際に注文住宅を売却するとなった時、注文住宅は売却しやすいのでしょうか?

また売却しやすい注文住宅と売却しにくい注文住宅の違いは何なのでしょうか?

今回は実際の中古住宅のニーズを見ながら、注文住宅を売る時のことについて詳しく見ていきたいと思います。

将来の住み替えも考えられている方はぜひご覧ください。

注文住宅は売りやすい?売りにくい?

まず結論から言うと、注文住宅だから売れにくいということはなく、面積などが同じ条件であれば価格も建売住宅よりも高い値段で売ることができます。

注文住宅の方が建売住宅よりも使っている物が良いことが多いですし、間取りも工夫がされて使い勝手も考慮されていることが多いというのが建売住宅よりも高く売却できる大きな理由です。

その一方、注文住宅だからと言ってどんな注文住宅でも売れるという訳ではないという点は注意が必要となります。

その理由は、注文住宅に限らず家を売却する場合、まずは中古の住宅を購入する人はどのような家を求めていて、そのニーズに合っているかどうかというのが多きなポイントになるからなんですね。

それでは次に、中古の戸建て住宅を購入する人は何を求めているか見ていきましょう。

中古の戸建て住宅を買う人はどんな人?

中古の戸建て住宅を購入する方は、3つの属性に分けられます。

  • 家を建てるよりも手頃な予算で戸建ての家が欲しい方。
  • できるだけ予算を抑えて戸建ての家が欲しい方。
  • 中古の戸建て住宅を購入し、リフォームかリノベーションをして住む方。

中古の戸建住宅を購入する方は以上の3つに分かれるんですね。

 

では、中古の注文住宅を購入する方はどの属性の方でしょうか?

 

まず、価格重視で戸建住宅を購入すると言う方にとって注文住宅は価格が高くなりがちなので選択肢から外れてきます。

価格重視であれば中古の建売住宅の方が安いので、注文住宅は選択肢に入りにくいんですね。

一方、家を建てるよりも手頃な予算で戸建ての家が欲しいという方にとっては中古の注文住宅というのは魅力的な選択肢となります。

質の良い家を安く手に入れる可能性が高いというのが大きな理由です。

次に、中古の戸建て住宅を手に入れてリフォームかリノベーションして住むという方にとっては建売、注文住宅どちらでも構わないというケースが多く見られます。

購入してから手を加えるので、家の程度が良ければ建売でも注文住宅でもそんなにこだわらないという訳なんですね。

ただ、リフォームやリノベーションしてから住むという方は家にこだわりのある方も多いので、設備や必要な部分だけ改装してそのまま使えるセンスの高い注文住宅であればニーズはかなり高いというのが実際のところです。

 

上記を踏まえて、注文住宅を売る場合は家を建てるよりも欲しいと思えるような質と価格に優れたコストパフォーマンスの高い家か、間取りやインテリアのセンスが高い注文住宅のニーズが高く、そこから外れる家は建売住宅との差別化が難しく立地などの条件や価格競争に巻き込まれやすいと言えます。

注文住宅を売りやすくする方法

注文住宅を売る

それでは次に、売りやすい注文住宅にするにはどうすればいいのか見てみましょう。

家を売却する場合は趣味や嗜好の違う方へ向けて売り出すことになるので、多くの人に興味を持ってもらうような魅力的な物件になっている事が売りやすい注文住宅の第1の条件となります。

そして魅力的な物件とは間取り、デザイン、性能の3つが良い住宅です。

この3つのバランスが取れている物件というのが売りやすい注文住宅の条件となってくるんですね。

それでは具体的に見ていきましょう。

 

ニーズの高い間取りにする

間取りをニーズの高い間取りにしておくことで、家というのは売却しやすくなります。

たとえば一般的には4人家族を想定してLDKに寝室、子供部屋2つという間取りのニーズが相対的に高く、建売住宅などもこのような間取りが基本となっています。

ただ、家族構成というのは人それぞれですし、部屋数だけで売却しづらかったり、買いたい人にとっても魅力的な物件なのに手に部屋数だけであきらめざるを得ないというのは辛いものですよね。

 

そうならないようにするために大事なのは、間取に可変性を持たせておくということ。

間取りにあらかじめ可変性を持たせておく事で購入した人が自分に合った間取りに簡単に変えることができるようになり、物件の魅力となってくれるんですね。

たとえば、吹き抜けのある家というのは明るく開放的で魅力のある家となりますが、吹き抜けが好きか嫌いかは人によって差が出やすい場所でもあります。

そのため場合によっては吹き抜けがあることで売却に時間が掛かってしまうことがあるんですね。

そんな時も吹き抜けが必要なければ吹き抜けに床を張れるように梁と呼ばれる構造材を入れておき、購入した人が簡単にリフォームできるように可変性を持たせておくと、吹き抜けのリスクというのは限りなくゼロに近づけることができます。

また、子供部屋など将来壁を作る可能性が高い場所や、将来壁を無くしてワンルームにしたいと思う可能性がある場所はあらかじめ柱などの構造材は入れずに、簡単に間取りを変えられるようにしておくという方法もあります。

このような間取りに可変性を持たせる方法は売却時にももちろん有効ですが、あなたの生活スタイルの変化に合わせて家を変えていけるので、注文住宅を建てる場合は積極的に採用するようにしていきたいですね。(これは建売住宅ではできないことでもあります)

吹き抜けのある間取りにする時に必ず知っておきたい5つのこと

子供部屋に間仕切り壁をつくると、どれくらい費用が必要?

 

一方、間取りで注意しておきたいのがかなり尖った間取りにするというケースです。

そして趣味を強く出した間取りはそんな尖った間取りとなりやすく、売却しづらくなってしまうこともあります。

たとえばバイクや自転車が好きでバイクや自転車専用のビルトインガレージを作った家を売却する時はどうなるでしょうか?

ガレージに車を収納できる広さがあれば良いですが、バイクや自転車しか入れられない場合はニーズが極端に偏ってしまうため、売却までの時間がかなりかかってしまうなど、ビルトインガレージが売却の際のネックとなってしまうんですね。(特に趣味にこだわる方は自分で家を建てたいと思う方も多いので、中古のニーズはより少なくなります)

ある程度のこだわりは他の方から見ても家を魅力的なものにしてくれますが、売却も視野に入れるとこだわりすぎというのはデメリットになってしまう場合もあるので注意が必要です。

 

ニーズの高いデザイン

家の内装は少しデザインに力を入れるだけ建売住宅とは全く違う家になりますし、家の印象もかなり変わってきます。

そして家のデザインには誰からも好かれやすいニーズの高いデザインというものがあり、そんなデザインにしておくことでスムーズに売却できるようになります。

具体的には家の内装を綺麗に見えるように整えておくという事。

部屋の中が綺麗に見える法則というのは決まっているので、その部分を意識して家を作るだけで綺麗でオシャレに見える家にすることができるんですね。(個性が強すぎず、でもオシャレに見える空間というのは誰が見ても綺麗に見えるため、注文住宅を建てるなら売却する予定がなくても意識しておきたい部分です)

新築の内装はどうすればオシャレに見える?内装を決める時の6つのポイント

 

その他、アジアンテイストやシャビー感を出した洋風のかわいい感じの家、黒を基調にしたカッコいい物件など個性のあるデザインもニーズはありますが、好き嫌いが分かれやすい部分なので売却まで時間が掛かる傾向があります。

売却も視野に入れる場合は全体のバランスが綺麗に見えるのかどうか。

この部分を意識しておきたいですね。

 

性能は長期優良住宅が1つの基準

家を売却する場合、家の性能がどのくらいなのか客観的な資料が有るか無いかで評価は変わってきます。

そして家の性能はいくつかの種類に分けることができますが、バランス良く家の性能が分かる物が長期優良住宅です。

長期優良住宅とは「長期にわたり良好な状態で使用するための措置がその構造および設備に講じられた優良な住宅」のことで性能に一定の基準を超えることで認定を受けることができます。

ある一定以上の性能があることを国から認定されるという訳ですね。

また、長期優良住宅の場合は定期点検やメンテナンスの履歴も残すことになるので、家がどのような状態なのか分かるという点で購入する際の判断材料になります。

 

一方、長期優良住宅の認定には費用が必要となる点はデメリットと言えますが、長期優良住宅は減税などの措置もあるので、売却も視野に入れる場合はコストが大きく上回らない場合は積極的に採用していきたいですね。

 

その他、家の性能の中でも耐震性というのは特に意識しておきたい部分になります。

年々、住宅業界では耐震性が高いのが当たり前という流れになってきているので、売却だけでなく家族の安全を守るためにも耐震性はしっかり確保しておきたいですね。

あなたの家は地震に強い家?家の耐震性能について知っておきたいこと

 

あとは家の断熱性について。

断熱性能についても年々基準が厳しくなっているので性能が低いと売却する頃にはひと昔前の性能というように評価が下がってしまう可能性がありますし、程度のよい中古住宅を購入する際は月々の光熱費を質問されるケースも多いので、売却を視野に入れている場合でもできる限り性能は高い方が物件の魅力としては高くなります。

5分で分かる!家づくりで大事な高気密と高断熱の話

 

立地についての違い

それでは最後に立地についても少し見てみましょう。

立地についてはニーズの高い場所、たとえば駅近などの方がやはり売却しやすいという傾向があります。

そのため、注文住宅の売却を視野に入れる場合は駅近などのニーズの高い場所を選ぶのもいいですね。

その一方で、今後自動運転が発達して自動運転が当たり前になってくれば、今では家に駐車場を作るのが当たり前でも20年後くらいでは駐車場が必要ないのが当たり前となる可能性もあります。

そのため地価が高い場所で売却する可能性も当面先という場合は駐車場は無くして家の面積を広くするというのも1つの方法と言えます。

 

その他、デザイン性がかなり高い家を売却する場合は特に立地が大きな影響を及ぼします。

例えばデザイナーズマンションなどデザイン性の高い集合住宅がどこに建っているか調査すると、そのような物件は都心部に集中しており、郊外では見かけることがほとんどありません。

これはデザイン性の高い物件を求める人は郊外では少なくあまりニーズが無いというのが大きな理由です。

そのため、デザイン性の高い物件の売却を視野に入れるなら都市部で建てるなど、立地とニーズに合った注文住宅を建てるというのも売却を考えた時には効果的なんですね。

まとめ

今回は注文住宅の売却について詳しく見てきました。

家を建てる時に売る場合を想定するということはあまりありませんし、昔から住んでいる土地に家を建てるという場合は売却する可能性はほとんど無いかもしれませんが、土地を購入して家を建てるという場合や働き方など今後社会が大きく変わっていくことも考えると、売却しやすいというオプションがあるのは1つの魅力となってきます。

もちろん、売却を考えすぎて暮らしにくい家になってしまっては意味がありませんが、暮らしやすい家というのは売却もしやすい物。

「もしかしたら住む場所を変えるかもしれないし、選択肢の1つに入れておこうかな」という方はぜひ今回の内容を参考にしてくださいね。

では。

 

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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