ここ何回かに渡っておおくりしてきた「空き家対策特別措置法」。これからの土地探しは間違いなくこの法律の影響を受けて変わってきます。今回はいままでの話を総括して、これからはどうやって土地探しをするのが有効か、重要なポイントをお伝えします。
土地は3つに分類される
これからの土地は、おおまかに次の3つに分類されるようになります。
・都市部の街中の土地(主要都市の街中の土地)
・都市圏郊外の土地(主要都市通勤圏の郊外)
・田舎の郊外の土地(上記以外の土地)
以上の3種類です。1つづつ見ていきましょう。
都市部の街中の土地
都市部の街中の土地というのは商業地、住宅地としてニーズが高い割にあんまり市場に出てきません。その訳は、ニーズがあるので不動産屋に土地の売却の話がきても、不動産屋と関係のある売主に売ってしまうので、市場に出る事はあまりありません。
今まで土地が出てくる事が少なかった都市部でも、人が住んでない空き家であれば売りに出される事が多くなります。今までよりも土地が出てくる可能性が上がるので、街中の土地を探している人は土地を見つけるチャンスが広がります。ただ、良い土地は相変わらず市場に出てくる可能性が少ないので、昔から住んでいる人に強い地元の不動産屋か、相続で土地を手に入れた人がとりあえず相談にいきやすい大手の不動産屋を尋ねてみるのが土地を見つける近道です。
都市圏郊外の土地
これから地価が下がりやすい地域です。開発で相変わらず分譲住宅地が供給されるにもかかわらず売却される空き家が出てくるので、市場に出てくる土地は間違いなく増えていきます。価格が下がるトリガーとなるのは「空き家対策特別措置法」が空き家所有者にとって、空き家を持つ事がどれだけ維持費がかかるのかというニュースが多く流れた時です。一般の人は「空き家対策特別措置法」の事をよく知りません。2、3年すると「空き家対策特別措置法」によって行政の指導が入りはじめます。それを、ニュースなりワイドショーなりのマスメディアが必ず取り上げます。すると、空き家を所有している人、特に高齢者にまで空き家を持つリスクが知れ渡り、空き家の売却が一気に増える事が考えられます。
このように、都市圏郊外の土地では、これから安くていい土地を手に入れるチャンスが増えます。ですから、慌てずにしっかり家づくりの準備をするのが大切です。詳しくはこちらに目をとおしてみてください「これから家を建てるのに、一番割高な土地」。
田舎の郊外の土地
田舎の郊外の土地は、ただでさえ価格が下がっているのに加えて、空き家の売却が増えるのでより価格は下がっていきます。中にはタダ同然の土地もどんどん出てきます。土地が資産でなく維持費だけかかる物になってしまうケースが増えるんですね。家を建てるならこのタダ同然の土地は有利です。土地にお金がかかりませんから。詳しくは「郊外の土地は買い?住宅ローンを早期返済している人の特徴」「これから家を建てるのに、一番割高な土地」に書いてありますので参照にしてください。
ちなみに私はタダ同然の眺めのいい土地を探しています。地方は問わないのでよい土地あればご連絡ください。
まとめ
これから家を建てるから土地を探そうという人にとっては「空き家対策特別措置法」は間違いなく追い風になります。土地探しの追い風になりますので、ぜひ良い土地を安く手に入れましょう。
一方、空き家を持っている人にとっては厳しい時代になります。空き家を空き家のまま置いておいて、何かあったら対応しようというこれまでの考え方が通用しなくなってしまいます。空き家や使っていない土地に対して真剣に向かい合わないといけない時代がきているんですね。これからは空き家を有効活用するなど積極的に空き家に関われる人にはチャンスかもしれません。
「空き家対策特別措置法」はこれから土地を探す人だけでなく、日本の空き家問題、さらには政府が掲げるコンパクトシティにもかかわってくる法律です。各自治体が真剣にこの法律と向き合ってより良い日本にして欲しい。そう願います。
では。
空き家の活用についてはこちらをご覧下さい
→住む人が自由にリフォームできる時代が来る?空き家リフォームローンが登場
空き家対策特別措置法についてはこちらも参考にしてください。
空き家対策特別措置法の影響を受ける業界予測はこちら。
家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
建築士が教える今日の問題解決
「空き家対策特別措置法」を土地の購入者の視点でまとめると
- これからは空き家を持つ人の負担が増える。
- そのため、空き家を売却する事にした人の土地が市場に出てくる。
- 都市部では、空き家が再開発されたり、売りに出される可能性があがり、都市部で土地探しをする人には有利にはチャンスが広がる。
- 都市圏の郊外では、土地の価格下落に拍車がかかるので、慌てずにチャンスを待つ。
- 田舎の郊外でが、土地がただ同然で手に入るようになります。田舎の郊外に住む事に問題ない人にとっては、ローンが少なく家が建てられる上に、土地の価格下落も気にしなくていいので、家を建てるならおススメです。