前回、「空き家対策特別措置法」によって郊外の土地の価格は今後下がり続けるという話を実例をあげてご紹介しました。
では、これから郊外の土地を買うのは止めた方がいいんでしょうか?これからの土地探しについて見ていきましょう。
駅近の土地の価格は下がらない?
土地探しをしていると、「ここは駅近だから土地の価格は下がりにくいよ」といった話を良く聞きます。確かに駅近は便利で需要がありますね。
でもさっきの言葉をもう一度よく見直して下さい。「駅近だからこれから土地の価格が上がるよ」とは言いません。「土地の価格が下がりにくい」と言っています。この事は、これからは土地の価格が上がる事は無く、土地の価格は下がるという事が前提になっています。もちろん、景気によって土地の価格は上下しますが、不動産屋も土地を買う人も将来継続して土地の価格が上がるとは思っていないのです。
これからは都心の一等地でない限り土地の価格は下がり続けます。駅近の土地でも価格は上がらないのに、人口が減ってくるのにニーズが少ない郊外の土地の価格が上がる要素はありません。下がり続ける一方ですね。では、そんな郊外の土地を買うべきか買わないべきか迷われる方もいらっしゃるでしょう。
ただ、1つ言える事があります。家を建てるのであれば、土地の価格が安いというのはメリットがとても大きいです。なぜでしょうか?
ローンを早期返済した人
皆さんもたまに、住宅ローンを〇〇年で返したという話を聞くことがあると思います。この人達は節約がとても得意だったのでしょうか?それとも、収入がとても多い人なのでしょうか?実はローンを早期返済した人にはある特徴があります。それは、ローンの総額が少ない人ほど、住宅ローンを早期に返済しているのです。
これは、当たり前と言えば当たり前です。例えば、1000万円を月々3万円返済する人と、3000万円を月々10万円返済する人だと、前者の方が月々の負担が少なく、ローンの総額も少ないので住宅ローンを繰上返済することは、そう難しいことではありません。そのため「〇〇年で住宅ローン完済しました」というケースがよく出てきます。この「〇〇年で住宅ローン完済しました」には、いくらの住宅ローンを返したっていう話はほとんど聞きませんよね。金額がのっていると生々しすぎますから。
住宅ローンを例に上げましたが、土地と建物の総額を少なくすれば、支払う金利も少なくできて家計の負担も少なくできるということです。じゃあどうすれば土地と建物の総額を少なくできるのか?実は、建物の価格というのは会社によって多少の差はあるにしても、価格と建物の性能というのは比例してきます。さらには家を建てるのに最低限かかる金額というのも決まってきます。500万円でまともに生活できる家が建つなんて事はありません。例えば500万円で家が建つとうたっていたとしても、なんだかんだプラスされていって、ある程度の価格に落ち着きます。
一方、土地は前回お話したように維持費がかかるのでタダ同然でも売りたいというケースがこれから増えていきます。タダ同然であれば、これから土地の価格が下がるということを気にする必要はありません。もう下がる要素がありませんから。さらに、例えば家に2000万円かけたとしても土地はタダ同然なので、総額2000万円にいくらか足した金額で家を建てることができます。ローンをそんなに組めない、またはローンをあんまり組みたくないという人でも家を建てる事ができます。「別に駅近である必要は無い」、「郊外でも何の問題も無い」という人が、これから一番お得に家を建てられるという訳ですね。
今回は一番お得に土地を手に入れられる人をご紹介しました。次回、今回とは逆に、土地購入で一番損をしてしまいそうな人をご紹介します。
では。
家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
建築士が教える今日の問題解決
ローンを早期返済している人の特徴とは
- ローンが少ない人ほど、ローンが早期に返済が終わる。
- 購入した土地の価格が安い人ほど、ローンの負担が少なくリスクも少ない。