家づくり中のみなさん、こんにちは。江戸小紋空間デザインの小林です。
お風呂の打ち合わせをする際、一度は「断熱性能をアップさせる」という提案を耳にされる方も多いと思います。
少しお値段もアップする仕様なので、迷う方も多いですが、私は必ずオススメしています。
それは、お風呂の断熱性能をあげることでコスト以上のメリットがあるからなんですね。
今日はお風呂の断熱性能のメリットをご紹介したいと思います。
お風呂の構造ってどうなってるの?
出典:https://jp.toto.com/products/bath/sazana/feature/08.htm
近年の住宅のお風呂は、昔ながらのタイルを一枚ずつ貼って施工する在来工法のお風呂ではなく、ユニットバス(UB)といって、あらかじめ防水性の高い素材で天井、浴槽、床、壁などを工場で成型したものを現場で組み立てるタイプが主流です。
ユニットバスにすることにより、施工が楽に短時間で設置が可能となったことと、階下への水漏れのリスクが軽減されていることから、住宅以外にもホテルや病院でも多く採用されています。
お風呂空間をまるごとつつむように天井、壁、床を成型していくため、ユニットバス空間の周りに断熱素材をまくことが可能となり、各社メーカーはお風呂空間がまほうびんのように保温効果が保たれる仕様を開発しています。
また、浴槽や床を断熱構造にすることで、一度沸かしたお湯の温度が冷めづらい保温効果をうたっている仕様もあります。
それでは上記を踏まえた上で、具体的にお風呂の断熱性能を上げた時のメリットについて見ていきましょう。
お風呂でのヒートショック事故を防ぐ
家庭の事故で一番多いのがお風呂場および脱衣室でのヒートショック事故。
寒い季節は特に、裸になることで体内の血管が縮まったところを熱いお風呂での温度変化に血管が急激に拡張することにより、お風呂での体調不良を起こしてしまう人が多くいらっしゃいます。
この急激な温度変化をふせぐために、断熱性能の高いお風呂は、お風呂の床をひやっと感じさせないよう床に断熱構造をいれているため、寒い季節でも足元がひやっとしないような工夫がされています。
また、前の人が入った後のお風呂の床はどうしても水分が残り、足がその水分で冷たく感じるので(コレいやですよねー!)、水分が乾きやすい床材を取り入れています。
時間や光熱費が軽減される
断熱性能の高いお風呂は、一度お風呂を沸かすとその温度が下がりにくく長時間冷めづらいという特徴があります。
このため、子供達やお母さんが入った後、帰りの遅いお父さんのために冷めてしまったお湯をもう一度沸かす時でも、再度沸かす時間が短縮され、その分光熱費も抑えられます。
風呂ふたもセットで冷めにくいお風呂仕様にしておけるとさらに効果が高くなります。
掃除しやすくなる
お風呂掃除の大敵は、カビですよね。
みなさんお風呂のカビには本当にうんざりしていると思います。
お風呂のカビの原因は、水分と温度。水分と温度があるところがカビは大好きで繁殖していきますが、断熱構造の床は乾きやすい床材を使用しているため、温度は温かくても水分がないという状態を保つことができます。
このため、従来のお風呂よりもカビが生えにくいという状態を作ることができるんですね。
ちなみにユニットバスでは、「カビのはえにくいお風呂空間」をうたっているところが多く、ドアにも極力ゴムパッキンを使わないなどの工夫をしているメーカーが多いので、メーカーのショールームに行ったらドアのパッキンや床の立ち上がりのパッキンをよく見ておくのも勉強になりますよ。
まとめ
今回はお風呂の断熱性能を上げるメリットについて見てきました。
お風呂の断熱性能は、構造上の問題で家の完成後に断熱性だけ追加するということはできず、断熱性能を上げるためには丸々取り替える必要がある商品です。
そのため、最初のお風呂選びで断熱性能を上げておくことが、あとでお風呂を後悔しないための秘訣となります。
快適で安全に使えるお風呂は、お掃除も楽なもの。
家が完成した後、「お風呂を断熱仕様にしておいてよかった」という感想もよく頂くくらい「入れてよかった」仕様ですので、ぜひ前向きにお風呂の断熱性能のアップを検討してみてくださいね。
お風呂についてはこちらも参考にしてください。
→浴室はどれが良い?ユニットバスや造作風呂の選び方を解説します
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→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】