家の中の暑さ対策で特に気をつけたいのが、西日対策。
特に夏は日中の暑さも厳しいですが、日が傾くにつれ直接家の中に入ってくる西日に当たるとかなり体力を奪われます。
そのため、できれば西日対策をして快適な時間を過ごしたいという方も多いと思いのではないでしょうか。
このように夏場の西日はできる限り避けたいものですが、西日を家の中に入れないためにはあらかじめ西日対策をしておくのが効果的です。
そこで今回は家の西日対策について家の室内側と室外側から見ていきたいと思います。
夏や暑い時期を快適に過ごしたい方はぜひご覧ください。
西日の室内対策
Photo:https://www.toso.co.jp/products/pleats/screen/images/keito_im1.jpg
それではまず、室内で取れる西日対策について見てみましょう。
室内でできる西日対策でまず出てくるのが、カーテンなどウィンドートリートメントを使った西日対策になります。
→間取り段階から気をつけたい、ウィンドウトリートメント計画の2つのポイント
ウィンドートリートメントとは、カーテンやブラインドなど、視線のコントロールや窓の暑さ寒さから守ってくれる物の総称のことです。
ウィンドートリートメントを日が入ってくる窓に使用することで、ある程度、西日の直撃は避けることができるようになります。
そのため、西日がきつい場所には必ずカーテンを付けることが西日対策の第一歩となるんですね。
ただ、西日対策の観点で言うと、実はカーテンなどの室内対策での効果は絶大と言う訳ではなく、カーテンなどは家の中に入った西日を直接受けないようにするという役割がメインになります。
窓ガラス自体やカーテンが暖まってしまうので、西日対策としては直射日光は防げても温度という面ではそこまで大きな効果は発揮してくれないんですね。
では、西日対策にはどうすればもっと効果が高くなるのでしょうか?
実は家の中で西日対策をするよりも、窓の外に西日対策をした方が効果が高くなります。
そうなると、まずは窓ガラスの性能を上げる。
そして窓の外に西日対策をすることが考えられます。
ちなみに、窓ガラスは今ではLow-Eガラスを使ったサッシがかなりほとんどです。
Low-Eガラスとは、サッシのガラスの中に特殊金属膜を設けた物のことで、金属膜を設けた位置によって断熱性能が高いガラス、遮熱性能が高いガラスというように2種類に分けることができます。
そしてLow-Eガラスは基本的に、西側、東側は遮熱タイプのLow-Eガラスにしておくのがオススメです。
その理由は、実は夏場は南面よりも東西面の方が夏場は日射量が多くなるから。
下のグラフは夏場に家に入ってくる日射量のデータになりますが、これを見ると東西面の方が南面よりも日射量が多いのが分かります。
このデータを見ると、夏場の西日が熱いというのも納得ですね。
そのため、西側は遮熱性能の高い窓に。
そして、特に付ける理由の無い西側の窓は極力減らすというのが基本となります。
(眺めがいいなど何かしら理由がある窓を付けるのは全く問題ありません)
西日の室外対策
それでは次に、家の外側の西日対策について見てみましょう。
どれも西日対策に効果のある方法になります。
外付けのロールスクリーンを使う
サッシメーカーなどは、サッシの外に付けられる外用のロールスクリーンというのも販売しています。
室内から外のロールスクリーンを引くことで、簡単にすだれやシェードのような効果を出すことができるんですね。
家の工事中に設置してしまえば、2階など高い場所でも簡単に西日対策をとることができます。
外用のロールスクリーンのメリットは必要な時に簡単に西日対策を取れるという事。
夏場はロールスクリーンを下げて西日をカットしつつ、冬場は窓から光を取り込むなど、状況に応じて使い分けられるのは良いですね。
一方、外用のロールスクリーンのデメリットを挙げるとすると、少し費用が高くなるという点です。
そのため、小窓よりも大きな窓を優先して付けると費用対効果が高くなります。
簾(すだれ)を使う
Photo:http://www.matusou.co.jp/sudare/benten/
日本で昔から使われている簾(すだれ)。
実は、すだれを家の外側につけるだけでも、カーテンよりも高い遮熱効果を得ることができます。
家の外側なのでカーテンのように熱を持っても室内が熱くなることがありませんし、窓が熱を持つのも防ぐことができるんですね。
また、窓ギリギリに設置するよりも、少し離した位置に設置する方が遮熱効果は高くなります。
ちなみに、竹が原料で天井から吊る物を「すだれ」、アシが原料で立てかけて使う物を「よしず」と呼ばれることが多いです。
特によしずは立てかけるだけでいいので、設置するのもすごく簡単なので、お手軽な西日対策と言えます。
(風で飛ばないように重しを付ける必要はあります)
日よけシェードを使う
すだれやよしずは、どちらかというと和風の家に似合いますが、家のデザインによっては日よけシェードも効果的です。
シェードを使う事でサッシの外に日影をつくれるので、日射で家の中が熱くなるのを防いでくれるんですね。
上の画像のように、椅子を出してシェードの下で夕涼みをすることも可能です。
いろんなサイズやデザインの日よけシェードが販売されているので、家に合った物を選びたいですね。
庇をつける
簾やシェードなど後付けの物ではなく、あらかじめ家で西日対策をしておく場合、窓の上に庇をつけるのも効果があります。
庇が日射を遮ってくれるんですね。
また、庇は日射を遮ってくれますが、冬の暖かい光は家の中に入れたいもの。
そのような場合、庇の中には庇にスリットを入れることで夏場の日射をカットして、冬場の日射は入りやすくするような物もあります。
一方、窓に庇をつける時の注意点として、窓に高さがあればあるほど、日射を遮るためには庇を長くする必要が出てきます。
そのため庇を付けるというのは、どちらかというと小窓の日射対策に向いている方法と言えます。
また、価格もある程度するので、庇をどれだけつけるかは予算との兼ね合いになるのがデメリットと言えます。
その他、庇で西日対策をする場合、サッシに付ける庇だけでなく家の軒を出しておくのも効果的です。
グリーンカーテンを作る
Photo:https://www.g-mark.org/award/describe/40290
日射を遮る方法として、夏場にグリーンカーテンを作るという方法もあります。
育った植物が、西日をカットしてくれるんですね。
グリーンカーテンを作るのは簡単で、つる性の植物とネットを用意すれば、あとは水をあげて枯れないよう育てるだけで大丈夫です。
グリーンカーテンは夏の植物を使うので、夏場はゲリーンカーテンで西日対策をして、冬場は反対に日差しをたっぷりと家の中にいれることができます。
グリーンカーテンに向いている植物として、小学生の時に夏休みの課題で育てたことがある方も多い朝顔やヘチマといったつる性の植物がグリーンカーテンに向いています。
ゴーヤやきゅうりなど食べられる植物を植えてあげるのもいいですね。
部屋の冷却効果だけでなく、お子さんの自由研究や情操教育、食育にも役立てる事ができるので、一石二鳥や一石三鳥にもなります。
一方、グリーンカーテンは生き物なので、枯れないよう水をあげるなどの一手間は必要になります。
そのため、人によって合う合わないがありますが、上手く使いこなせた時はかなり楽しい西日対策になります。
フックをつける
ここまで効果が高い窓の外側の西日対策についていくつか見てきましたが、外に物をつける場合は飛ばされないようにしっかりと固定する必要が出てきます。
そんな時に効果的なのが、紐などを固定できるフックです。
フックがあることで紐を固定するのも簡単になるので、いろんな西日対策に活用することができるんですね。
価格もそんなに高く無いですし、様々な用途に使うことができます。
(フックは接着性の物もありますが重さのあるものを掛けることがあるので、家の建築中に下地を設けておくか、柱など耐久性の有る部分にフックをつけるのがベストです。)
また、フックを取り付ける際のポイントとしては、できればスチール製でなくステンレス製のフックをつけるのがオススメ。
外にスチール製のフックをつけると、時間が経ってしまうと錆が出てきてしまい、家の外壁が汚くなってしまう恐れがあるからなんですね。(外壁に錆があると他の金属を腐食させる原因になりますし、家が古めかしく見える原因にもなります)
そのため、フックを外に付けるなら錆に強いステンレス製のフックを選びたいですね。
また、家の新築工事中に取り付けることができれば、後から下手に取り付けて家を傷めてしまうという失敗も防ぐ事ができるので、フックを取り付けるのであれば家の工事中に取り付けるとベストと言えます。
まとめ
今回は夏の西日対策について見てきました。
やはり西日が入ると家が暑くなるので、できるだけ西日はカットしたいものです。
そして1番効果的な西日対策は、家の中より家の外をどうするかが大きなポイントになってきます。
上手くそれぞれのご家庭にあった方法を使って部屋の中を快適に過ごせるようにしたいですね。
では。
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