玄関の吹き抜け

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玄関に吹き抜けってどうなの?建築士が本音で話をします

家の中を明るく開放感のある空間にしてくれる吹き抜け。

家を建てるなら吹き抜けを作りたいという方も多いと思います。

そんな魅力的な選択肢となる吹き抜けですが、吹き抜けを作る場所によって家の印象というのはかなり変わってきますし、効果というのも変わってきます。

そこで今回は、玄関に吹き抜けを作る場合のメリットと注意点について見ていきたいと思います。

吹き抜けが気になる方はぜひご覧ください。

玄関の吹き抜けの特徴

玄関に吹き抜けを作るケースとしては大きく3つに分けられます。

  • 玄関を明るくしたい時
  • 魅せる玄関にしたい時
  • 家の大きさを調整する時

以上の3つが玄関に吹き抜けを作る時の大きな理由になります。

それでは順番に見ていきましょう。

 

玄関に吹き抜けを作る理由で一番多いのが光の入る明るい玄関にしたいというケースです。

吹き抜けのメリットとしては明るく開放感のある空間にできることが大きな魅力となり、玄関に吹き抜けを作ることで明るく開放感のある玄関にすることができるんですね。

特に玄関付近に窓が取れない場合は効果的で、吹き抜けを作ることで高い位置に窓を取ることができ、玄関を明るく照らしてくれるようになります。

 

その他に玄関に吹き抜けを作る理由としては、魅せる玄関にしたいというケースが挙げられます。

たとえばドラマなどで大金持ちの家に入ると目の前に大きな階段と吹き抜けが現れるというシーンはよく見かけますよね。

そこまで行かなくても、玄関に吹き抜けと相性が良い「ストリップ階段」や「らせん階段」などのオシャレな階段を作ってあげると、他にはないとても印象的な玄関にすることができます。

そのため玄関にこだわりつつ広さや開放感も欲しいという場合は、玄関に吹き抜けというのは魅力的な選択肢になります。

(玄関に吹き抜けを作る場合は「玄関」「吹き抜け」「階段」の3点セットを意識すると素敵な玄関になりやすいです)

ストリップ階段ってどんな階段?ストリップ階段の種類とメリット、デメリット

らせん階段って使いやすいの?らせん階段のポイントを建築士が解説します

 

最後にもう1つ、玄関に吹き抜けを作る理由として家の大きさ調整するため吹き抜けを作るというケースもあります。

たとえば、敷地の大きさ次第で建てられる家の床面積というのは決まってきます。(これを容積率と呼びます)

そして普通に家を建てたら容積率がオーバーしてしまうという場合、吹き抜けを作って床面積を減らすということもあるんですね。(吹き抜けは床面積に入らないため)

 

また、住宅会社によっては例えば100㎡までは標準の大きさに入っているけども、それ以上家が大きくなると追加費用が必要になるというケースもあります。

そのような場合にも吹き抜けを作って広さを調整するということが有り、玄関に吹き抜けを作るということがあるんですね。

(小さな面積なのでLDKに吹き抜けを作る訳にいかず、吹き抜けを作りやすい玄関に作るという感じです)

本来はこのような面積調整で吹き抜けを作るというのは変な話だと思いますが、実際には意外とこのような理由で玄関に吹き抜けがあるケースも見受けられます。

(建売住宅なども上記の理由で玄関上に吹き抜けがあることが多いです)

 

ちなみに吹き抜けのメリットをまとめると、

  • 吹き抜けがあることで光が家の奥まで入り、明るい家になる。
  • 天井が高くなるので開放感がある家になる。
  • 1階、2階につながりのある家になる。

ということになります。

 

一方、吹き抜けのデメリットとしては

  • 冷暖房の効率が下がりやすい。
  • 2階のスペースが狭くなる。
  • メンテナンスに手間がかかる。(照明器具や窓など)
  • 音が2階に聞こえやすい。

といった点がデメリットとなります。

吹き抜けのメリット、デメリットと失敗しない吹き抜けの作り方

玄関に吹き抜けを作る時の注意点

玄関の吹き抜け

それでは次に、玄関に吹き抜けを作る際の注意点について見ていきましょう。

玄関に吹き抜けを作る時に一番気をつけたいのが寒さについて。

玄関の土間というのは家の中で一番寒くなりやすい部分というのが大きな理由です。

そして1番避けたいのが玄関に吹き抜けを作ることで家の中に冷たい空気が流れ込んでしまうというケースなんですね。

 

そうならないよう、たとえば全館空調システムを入れた家にしたり、断熱性の高い家にするというのは必須となってきます。

また、冷気が家に広がらないように玄関は扉や壁で完全に区切れるようにするのも効果的です。

その他、玄関は来客や宅配便など家族以外が入る場所でもあります。

そのため、吹き抜けを通してあまり見られたくない場所、たとえば2階のトイレなどプライベートな場所は見えないように配慮しておきたいですね。

このように玄関というのは家の中でもかなり特徴のある場所なので、LDKなど他の場所で吹き抜けを作るのとはまた違う配慮が必要になってきます。

玄関に吹き抜けってどうなの?

それでは最後に、玄関の吹き抜けについて家を設計する建築士の観点で見ていきたいと思います。

玄関の吹き抜けについては、「絶対明るい玄関にしたい」「魅せる玄関にしたい」という強い要望がない限り、私は基本的に作ることはありません。

その理由としては、同じ吹き抜けを作るのであればリビングの方が大きな効果が見込めるからなんですね。

 

その一方、玄関の土間を広くして子供の遊び場や趣味のスペースにできる場合や2階リビングの家で1階との繋がりを作りたい場合などは玄関に吹き抜けを作ることがあります。

言い換えると、玄関に吹き抜けがあることで生活の枠が広がり毎日の生活がワクワクするような効果が見込める時は積極的に吹き抜けを作るという感じです。

おしゃれな玄関の吹き抜け

Photo:https://www.homify.jp/ideabooks/46101/

土間が広いと玄関としての用途だけでなく生活空間としても使えるようになるのでLDKに吹き抜けを作るのと同じような効果を発揮してくれますし、2階リビングの場合も誰か家に帰ってきたら吹き抜けの方を見ればすぐに誰か分かるなど2階リビングのデメリットを消しつつ1階、2階それぞれの空間に広がりが出るようになります。

たとえば2階リビングの間取りをザックリ描くとこんな感じですね。

玄関に吹き抜けのある間取り

2階リビングのメリット、デメリットをプロの建築士がまとめました【絶対保存版】

 

このように玄関に吹き抜けを作る時の共通点としては、どちらもある程度の大きさの吹き抜けになるというという点と、明るさ以外にプラスαの効果が見込めるという点です。

やはり吹き抜けを作るのであれば大きさというのは大事ですし、吹き抜けがあることでより生活が楽しくなるという視点はとても大事な要素となってきます。

玄関に吹き抜けを作る場合は参考にしてくださいね。

まとめ

今回は玄関の吹き抜けについて詳しく見てきました。

吹き抜けには明るさや空間に広がりを出してくれるというメリットがありますが、玄関は吹き抜けのメリットを活かすのが難しい場所でもあります。

広さの関係からリビングに吹き抜けを作った方が玄関に吹き抜けを作るよりも効果が高いことが多いんですね。

一方、魅せる玄関にする場合や玄関を色んな用途に使ったり他の空間と繋げる場合は吹き抜けは大きな効果を発揮してくれます。

そのため玄関に吹き抜けを作る場合はプラスαの効果がどれくらい作れるかというのが重要なポイントになってくるんですね。

 

吹き抜けは部屋にも使える場所を吹き抜けとして使うことになります。

吹き抜けに部屋以上の価値が出せているかどうか。

この点を意識することで価値のある吹き抜けにすることができるんですね。

では。

 

吹き抜けについてはこちらも参考にしてください。

吹き抜けのある間取りにする時に必ず知っておきたい5つのこと

吹き抜けのメリット、デメリットと失敗しない吹き抜けの作り方

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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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