今回のテーマは「ふかし壁」について。
「ふかし壁」という言葉はあまり聞きなれないかも知れませんが、実は「ふかし壁」を使うことで家の雰囲気は大きく変わってきます。
では、ふかし壁とは一体どんな物なのでしょうか?
今回はそんな「ふかし壁」のメリット、デメリットや、効果的な使い方について詳しくみていきたいと思います。
家の内装はもちろん、家の外観が気になる方も是非ご覧ください。
ふかし壁とは?
それではまず、「ふかし壁」とはどんな物か見ていきましょう。
「ふかし壁」とは、壁を「ふかして」仕上げた壁のことで、漢字で書くと「付加し壁」という字になります。
字のように、壁の上にさら追加で壁を作るというのが「ふかし壁」なんですね。
では、ここでクイズを1つ。
下の部屋ではどこに「ふかし壁」が使われているかお分かりになりますか?
https://www.ecocarat.jp/
そうです。TVの横に「ふかし壁」が使われていますね。
このような「ふかし壁」は家の内装でよく使われる手法で、「ふかし壁」をうまく使うことで雰囲気をガラッと変えることができるんですね。
ふかし壁のメリットと実例
それでは次に、「ふかし壁」のメリットと実例について見ていきましょう。
「ふかし壁」にはどんな効果があり、どのように使うとベストなのでしょうか?
まず、「ふかし壁」の大きなメリットとしては、アクセントウォールとしてとても使いやすいということが挙げられます。
「ふかし壁」にプラスして仕上げ材を他の壁紙と変えることで、部屋の見え方を大きく変えることができるんですね。
その理由としては、壁をふかす事で視線が集まりやすく、また素材も変えることでさらにプラスαの効果を生み出してくれるというのが大きな理由です。
また、「ふかし壁」を作ることで空間に奥行き感を出したり、陰影を作り出せるというのも「ふかし壁」の魅力の1つです。
「ふかし壁」で凹凸ができることで単調だった空間にメリハリが出て、ただの壁だったのが「魅せる壁」に早変わりしてくれるんですね。
その他、「ふかし壁」をうまく使い一部を飾り棚のようにして、さりげなく個性を出すというのも効果的です。
壁をふかしている分だけ、棚を設置して出っ張らないのでスッキリ見えるんですね。
家の中にちょっとした小物を飾るスペースが欲しいという場合、「ふかし壁」は心強い味方になってくれます。
また、「ふかし壁」は間接照明とも高相性。
壁をふかしている部分に照明を埋め込むことができるので、簡単に間接照明を作ることができるんですね。
また、間接照明を付けた場合はどれだけ自然に見えるかというのがポイントになりますが、「ふかし壁」だと違和感無くすごく自然に見えるという点も魅力の1つと言えます。
ここまでは主にLDKの「ふかし壁」を見てきましたが、「ふかし壁」はちょっとした空間にも使うことも可能です。
たとえば、トイレの一部を「ふかし壁」にするという方法も。
Photo:https://www.elkhomes.co.jp/modelhouse/
間接照明にして雰囲気を出したり、棚や収納を組み合わせるなど色んな使い方ができるんですね。
また、トイレは奥行きはそれ程必要ないので、「ふかし壁」と相性の良い場所と言えます。
その他、壁の一部をくり抜いた「ニッチ」は人気がありますが、「ふかし壁」とニッチを組み合わせるというのも効果的です。
通常のニッチは壁の厚み分しかスペースを作ることができませんが、「ふかし壁」を組み合わせることで好きな奥行きのニッチにすることができるんですね。
Photo:https://kinarino.jp/cat3/29880
ちょっと大きめの物をニッチに置きたい場合は、「ふかし壁」も上手く使うことで自由にアレンジすることができますよ。
ちなみに、天井の壁を「ふかし壁」にするケースもありますが、その場合は「下がり天井」という呼び方に変わります。
天井の壁をふかすことでも色んな効果が期待できるので、「ふかし壁」の雰囲気が好きな方は「下がり天井」も一緒に検討してみるのも楽しいですよ。
→下り(さがり)天井で空間をおしゃれに!失敗しない下がり天井のつくり方
ふかし壁のデメリット
それでは次に、「ふかし壁」のデメリットについても見ておきましょう。
ふかし壁のデメリットとしては、むやみに「ふかし壁」作ってしまうと部屋がうるさく見えてしまうということが挙げられます。
空間をスッキリ見せるには無駄な凸凹やラインを減らすというのが一番効果的ですが、「ふかし壁」を下手に作ってしまうと落ち着きの無い空間になってしまうんですね。
そのため「ふかし壁」を作る場合は空間の中で魅せたい1カ所に絞るなど、部屋全体のバランスを見るのがとても大切になってきます。
また、「ふかし壁」は壁をふかす分だけ通常の壁よりも費用が掛かります。
壁をふかすだけなら少しの材料と手間賃で可能ですが、アクセントにタイルや壁紙を使うとそれなりに費用は上がってきます。
そのため、後で「ふかし壁」を追加すると予算オーバーに繋がるケースもあるので、「ふかし壁」を作りたいという場合は、最初の段階で家の見積もりの中に入れておくのがベターなんですね。
ちなみに、ふかし壁にすると部屋の面積が少し小さくなりますが、ちょっと壁をふかすぐらいでは部屋の広さにほとんど影響はありません。
それよりも「うるさく見えてしまう」方が視覚的にも体感的にも圧迫感や雑多感が出てしまうので、ふかし壁はできるだけシンプルな形にするよう心掛けておきたいですね。
ふかし壁を外壁に使う
ここまで「ふかし壁」を内装に使ったケースについて見てきましたが、「ふかし壁」は外壁に使うのも効果的です。
「ふかし壁」をうまく使うことで、家の外観のアクセントにすることができるんですね。
では、「ふかし壁」を外壁に使う場合、どんな時に1番効果的なのでしょうか?
それは外観に立体感を出したいケースです。
外壁に「ふかし壁」を使うことで壁に陰影が付き、家の外観がより立体的に見えるようになるんですね。
特に外観が平面的でノベっと見えてしまう場合、「ふかし壁」は大きな効果を発揮してくれます。
また、外壁の色を変えたい時にも「ふかし壁」は効果的です。
たとえば、外壁を平面的に色分けした場合、どうしても不自然な部分が残ってしまいます。
色分けに違和感が出てしまい、無理に色分けしたように見えてしまうんですね。
一方、色分け部分に「ふかし壁」を作ることで色の境界がハッキリ明確に分かれるようになるので、色分けも自然に見えるようになります。
「ふかし壁」が上手く色の境界線の役割をしてくれるんですね。
内装の時もそうでしたが、「ふかし壁」にすることで陰影が付き、他の場所と明確に分かれて見えるというのが大きな理由です。
このように外壁に「ふかし壁」を使うことで、外壁に立体感や陰影が出るようになり、また色分けもとても綺麗で自然に見えるようになります。
外観がイマイチ上手くまとまらない場合やノベっと見えてしまう場合は、「ふかし壁」を組み合わせることも検討すると効果的なんですね。
まとめ
今回は「ふかし壁」について詳しく見てきました。
「ふかし壁」をうまく使うことで、家の内装や外観に立体感や陰影が生まれ、家の魅力をよりアップしてくれます。
少し家にアクセントを加えたい場合や、ノッペリ見えてしまう場合なんかでは、「ふかし壁」というのはとても効果的なんですね。
何かちょっと物足りない。
そんな時は「ふかし壁」もぜひ検討してみてくださいね。
では。
家づくりに役立つ最新情報をTwitterでも発信しています。
建築士が実際に見てきた全国の優良工務店を掲載。
家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】