家を建てる時、「あまり手間を掛けるのは大変だけども、少し手を加えて部屋の雰囲気をオシャレにできたらいいな」。
このように思う方も多いのではないでしょうか?
そして、そんな時に活躍してくれるのが「下り(さがり)天井」。
下り天井を上手く使う事で、部屋の雰囲気を簡単にオシャレに変えることができるんですね。
では、下がり天井をどのように使えばオシャレに見えるようになるのでしょうか?
今回はそんな下り天井を使ってオシャレにする方法について詳しく見ていきたいと思います。
家の雰囲気をお手軽に変えたいという方はぜひご覧ください。
下り天井とは
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下り天井とはその名の通り、天井の一部を下げてアクセントにした天井のことを言います。
マンションの場合は梁などの構造材を隠すために下り天井にしていることも多いのですが、戸建て住宅の場合はデザインのアクセントとして敢えて下げていることがほとんどです。
わざわざ天井を下げるだけの効果が、下り天井にはあるからなんですね。
では、下り天井にはどんなメリットがあるのでしょうか?
たとえば、下り天井にすることで空間にメリハリがつき、部屋の雰囲気が大きく変わります。
「天井は高い方がいい」とついつい思ってしまいますが、敢えて天井を下げることで部屋の見え方はガラッと変わってくるんですね。
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また、LDKのように一体になった場所でも、下がり天井にすれば空間を緩やかに区切る事ができるようになります。
たとえば、キッチンとダイニングを下がり天井にすることで、空間が一体でも見た目は「くつろぐ場所」と「食事する場所」というよう緩やかに分けることができるんですね。
このような視覚的な効果は下がり天井の大きなメリットと言えます。
その他、天井が低いことで落ち着きのある空間を作ることができるというのも下り天井のメリットです。
籠れる場所が心地良いように、天井を下げる事で落ち着いた空間にすることができるんですね。
その一方、下り天井はただ単に天井を下げればいいという訳ではない点は注意したい部分です
たとえば、ただ天井を下げるだけではその効果を活かしきれないんですね。
場合によっては圧迫感を感じてしまう場合も。
そうならないためにも、下り天井は場所に合った作り方というのが重要になってきます。
では、どうすればおしゃれな下り天井にすることができるのでしょうか?
次は下り天井を作る時の具体的なポイントを見てみましょう。
下り天井にする時のポイント
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下り天井を作る場合に一番効果的なのが、下げた天井部分の色や素材を変えてメリハリをつけるという手法です。
基本的に天井は白をベースとすることがほとんどですが、下り天井も白にしてしまうとメリハリが付きにくくなり、下手をすればただ天井が低くなっている空間に見えてしまうなんてことも。
そうならないためにも、天井が下がっている場所は色や素材を変えるというのが鉄則になってくるんですね。
たとえば、キッチンが濃いめの色であれば下がり天井も少し濃いめの色にしてバランスを取るというのも、空間に統一感が出て効果的な方法と言えます。
また、クロスの色を変更するだけだとメリハリが少し弱いケースも多いので、素材を木目にするなど素材感自体を変えることでメリハリがはっきりして空間自体のおしゃれ感がかなりアップするようになります。
下り天井の時はせっかく下げた天井にどれだけメリハリを付けられるか。
ここが1番のポイントになってくるんですね。
また、下り天井は無駄にたくさん、広く作るのではなく、場所を絞った方が綺麗に見えます。
色んな場所に下り天井を作ってしまうと凸凹が至る所に見えてしまい空間全体がうるさく見えてきてしまうので要注意。
下り天井はアクセントとして大きな効果を発揮してくれますが、薬と同じように、使いすぎると毒にもなってしまうんですね。
下り天井で魅せる場所は絞る。
これも下り天井で失敗しないための重要な法則となります。
では、下り天井は実際にどこに作ればおしゃれに見えるのでしょうか?
次に下り天井と相性の良い場所について見ていきましょう。
下り天井と相性の良い場所
キッチン
下り天井を作るのにベストな場所。
それがキッチンです。
キッチンは元々天井の高さがあまり必要のない場所ですし、さらには奥まった位置に作ることが多いので天井を下げやすいんですね。
そのため下り天井にする場合、キッチンというのは間違いのない場所とも言えます。
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また、下り天井部分に間接照明を埋め込んでさらにアレンジするのもいいですね。
上手く照明を隠しつつ天井を照らせるので、家のどこかに間接照明が欲しいという場合はオススメの場所となります。
(ちなみに、建築士の私としては間接照明を提案したくなるのですが、照明は高い位置にあるよりも重心が低い方が落ち着いた空間にできること、また間接照明にすると掃除が意外と手間になってしまこと、さらには人によってはあまり間接照明を使わないケースもあるため、その辺りも打合せした上で間接照明を付けるかどうか決めています)
一方、キッチンを下り天井にする場合に注意しておきたいのが、コンロの前に壁があるケースです。
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コンロの前にある壁を、いかに下がり天井と自然に見せられるかというのがとても重要なポイントになってきます。
下手をすると、コンロの前の壁だけが浮いて見えてしまうことも。
そのうならないためにも、コンロの前に壁がある場合は、下がり天井を含めて自然な形でキッチンをまとめられるか。
これがキーポイントになってくるんですね。
ダイニングキッチン
キッチンだけでなく、ダイニングも含めて下り天井にするというのも効果的な下がり天井の使い方です。
特にキッチンと横並びでダイニングテーブルがある場合と高相性で、まとめて下り天井にした方が綺麗に見えるようになります。
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また下り天井と言っても、面積が広い場合は下がり天井の下げ幅を調整するのも効果的です。
大きく天井を下げるのではなく、少しだけ天井を下げることで、広く天井を下げても圧迫感を減らすことができるんですね。
下がり天井の場合、天井の素材を変えることで、そこまで天井を下げなくてもしっかりメリハリが付くからなんですね。
ダイニングキッチンを下り天井にする場合、空間全体のバランスを見ながらどれだけ天井を下げるか決めるかがポイントになります。
リビング
リビングを下り天井にするケースでは、リビング全体でなくどこか一部を下り天井にするというのが鉄板の手法になります。
リビングは広いので、リビング全体を下り天井にするというのはあまり現実的ではないからなんですね。
また、下り天井にする事で素材を部分的に変えることができるので、メリハリの効いたオシャレなリビングにすることができます。
そんなリビングを下り天井にする時に注目したいのが、どれだけ下り天井が違和感なく自然に見えるかということ。
たとえば下り天井を窓や建具のすぐ上に設置すれば、天井が下がっても綺麗に見えるようになります。
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家は無駄なラインをいかに消すかが重要ですが、下り天井をつくる事でゴチャゴチャ見えてしまっては元も子もありませんよね。
そのため、いかに自然に見える下り天井にできるか。
特に広さのあるリビングではこの点が重要になってくるんですね。
和室
Photo:http://earnest-arch.jp/gallery/slideshow/j_007.html
和室と下り天井というのも相性の良い組み合わせです。
和室は基本的に床に座るため視線が低くなるため、天井が高いよりも低い方が落ち着く場所になります。
そのため、下り天井と相性が良いんですね。
そしてそんな和室を下り天井にする場合は、天井の色味を濃いめにするのが効果的です。
これまで見てきたキッチンやリビングなどは一続きになっている事も多く、どれだけ自然に見えるかというのがポイントになってきますが、和室は床材も違うので全く別の空間にしても違和感が少ないからなんですね。
下り天井にして色々と遊べる場所。
それが和室なんですね。
寝室
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寝室というのも下り天井の似合う場所です。
寝室は主に寝る場所なので高さはそれほど必要ないですし、ベッドという大きな家具を置くためアレンジの手段が限られてくる寝室の中で、下り天井というのは有効な選択肢となるんですね。
寝室では照明が直接目に入らない事も大切なので、下り天井に間接照明を組み込むというのも効果的です。
また、下の画像ように寝る場所に合わせて下り天井で遊ぶという方法も寝室ならでは。
ちょっと寝室に雰囲気を出してみたいという場合は、下り天井も検討してみたいですね。
まとめ
今回は下り天井について詳しく見てきました。
下り天井を上手く使う事で、間取りなどに手を加えることなくお手軽に家の雰囲気を変えることができるんですね。
あとは、場所に合わせて綺麗に見える作り方というのは変わってくるので、場所に合った下り天井にする。
そうすることで、あなたの家に合ったオシャレな下り天井にすることができるんですね。
では。
天井の作り方についてはこちらも参考にしてください。
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