「ルーバー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ルーバーとは下のような細長い板を隙間をあけながら平行に並べた物をルーバーと呼びます。
見たことがあるという方も多いですよね。
ルーバーは家などの建築物に使われることが多く、建築業界では「格子」もルーバーと同じような意味で使われることケースも多くなります。
このように意外と身近なルーバーですが、では、ルーバーをどう使えばオシャレで快適な家にできるのでしょうか?
今回は家でルーバーを使うときのポイントについて詳しく見ていきたいと思います。
ルーバーを家の外で使う
ルーバーを使う場合、家の外で使う場合と家の中で使う場合に分けることができます。
それではまず、家の外でルーバーを効果的に使う方法について見ていきましょう。
家の外でルーバーを使うケースとして一番効果的なのが目隠しとしてルーバー使うというケースです。
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例えば家の庭が道路側にある場合、道路から庭が丸見えだと何だか落ち着かないですよね。
ゆっくり庭でくつろいでいるときに道を歩いている人と目が合ってしまうというのはやはり気まずいものです。
そうならないよう家にルーバーを付けることで程よい目隠しとなり、庭のプライバシー性を高めることができます。
その一方、目隠しをする場合はルーバーではなく塀を作るという方法もあります。
では、ルーバーと塀ではどんな違いがあるのでしょうか?
塀とルーバーの違いとしては、「視線が抜けるかできるかどうか」「風が通るかどうか」という点が大きな違いとなります。
たとえば家の中から庭を見たとき、その先が壁なのかルーバーなのかで視線の抜け方はかなり違ってきます。
壁だと視線が壁でストップしまいますが、ルーバーだと外まで視線の抜けを作ることができるんですね。
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このような視覚の効果というのは意外と大きく、家の開放感に大きな影響を与えますし、圧迫感を感じることもほとんどありません。
また、ルーバーは視線が抜けると同時に光を入れることができますが、塀の場合は光もカットするようになります。
家から離れた場所に塀を建てるのであれば空に視線が抜けますし光も入るので問題はありませんが、家の近くに目隠しが欲しい場合はルーバーというのは視線も抜け光も入るマストな選択となってくるんですね。
その他では、風の抜け方というのもルーバーと塀では違ってきます。
たとえば家に中庭を作るとしましょう。
中庭はコの字型になっていることが多く、塀で中庭を囲ってしまうと風の通り道が塞がれてしまいます。
その結果、家の中にも風が入らなくなり風通しも悪くなってしまうんですね。
そのため、風を通しつつ目隠ししたい場合はルーバーを使うことで風の通り道を確保することができるようになります。
→中庭で明るい家にする方法と知っておきたい中庭のメリットとデメリット
また、中庭以外にもルーバーを使うのに効果的なのがバルコニーに風を入れたいというケースです。
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バルコニーの壁をルーバーにすることで風がより入るようになるんですね。
2階リビングの場合なんかではバルコニーが庭代わりにもなるので手すりを高くしてプライバシー性を高めたくなりますが、手すりを高くすればするほど風が抜けにくくなってしまいます。
そういった場合もルーバーを使うことで風通しの良いバルコニーにすることができます。
→2階リビングのメリット、デメリットをプロの建築士がまとめました【絶対保存版】
ちなみに塀と同じくらいプライバシー性を高めつつ風も入れたいという場合は、ルーバーを互い違いで2重に作って風を通すという方法もあります。
外からは塀のようで中は見えないけども、風は互い違いになったルーバーを通して入ってくるという訳ですね。
ルーバーを互い違いにする分だけ費用は掛かるようになりますが、外から中はほとんど見えないようになります。
その他、ルーバーは家の外に使うことで外観のアクセントになるというメリットもあります。
たとえばアルミ製のシルバーや黒のルーバーを使えばモダンな雰囲気に。
一方、木を使ったルーバーや木目調のルーバーを使った場合は和モダンやナチュラルモダンというような印象の家になります。
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色の違いで雰囲気は変わってくるので、目指すスタイルに合った色味のものを使いたいですね。
もちろん、家本体だけでなく外構にルーバーを使うことでもアクセントになります。
室外機などあまり見せたくない物をルーバーで隠すというのも効果的ですよ。
また、ルーバーは縦のルーバーにするのか、横のルーバーにするのかでも印象が変わってきます。
外観のアクセントでルーバーを使う場合はシャープに見える縦のルーバーが使われることが多いですが、あまり使いすぎると場合によってはうるさく見えてしまうことも。
そのためバルコニーやフェンスなど広い面積をルーバーにする場合は横ルーバーにして落ち着いた雰囲気を出すのも効果的です。
ちなみにルーバーは木で作るかアルミ製のルーバーを使うことがほとんどですが、木製の方がコストを抑えて作れる反面、塗装などのメンテナンスは小まめに必要となってきます。
そのためメンテナンスのコストや手間も頭に入れた上でルーバーを何で作るか決めたいですね。
(アルミ製のルーバーでも木目調の物は本物の木と見た目はあまり変わらないので、家の高い場所などメンテナンスがしにくい場所にルーバーを使う場合はアルミ製のルーバーの方が安心感があります)
ルーバーを家の内部に使う
それでは次に、家の中にルーバーを使うケースを見ていきましょう。
家の中でルーバーを使うメリットとしては、緩やかに空間を区切れるということです。
ルーバーを上手く使うことで視線をコントロールできようになるんですね。
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たとえばキッチンとリビングをある程度分けたいという場合は壁ではなくルーバーにすることで視線は抜けつつお互いの空間を明確に分けることができますし、間取りの関係でLDKの近くにトイレがくる場合は、トイレとLDKの間にルーバーを作ることでトイレが直接見えないようになるなど、ルーバーはいろんな使い方が考えられます。
壁にすると重たく見えたり部屋が狭く見えてしまうような場合でも、ルーバーにすることで視線は抜けるので空間の開放感を維持できるようになるんですね。
このようにちょっと目隠ししたい、ちょっと区切りたいという場合はルーバーというのはとても重宝します。
その他、ルーバーは家の建具にも使うことができます。
ルーバーは空気が通るので、空気が籠って欲しくない場所、たとえば収納や洗面室の建具にルーバーを使って空気が籠らないようにするんですね。
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建具をルーバーにした場合、模様(ルーバー)がかなり強く出るようになるので、白い建具にすれば洋風のアンティークのような雰囲気を出すのにも効果的ですし、ナチュラルな空間にするなら木の建具にすると雰囲気に上手く合うようになります。
また、収納や水回りだけでなく部屋の間仕切りにルーバーの建具を付けるというケースもあります。
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寝室として使う部屋であればルーバーから漏れる光が寝ている時に眩しく感じることもありますが、寝室として使う予定がなければルーバーの建具にすることで空間全体に軽さを出すことができるんですね。
リビングの一角に作った書斎や家事室で完全に閉じた空間は必要ないけども、たまに緩やかに区切りたいという場合なんかでもルーバーの建具は効果的です。
引込み戸にしておくことで使わない時は建具の存在感を消しておくのもいいですね。
→どんな建具を選べばいい?ドアや引戸を選ぶときに知っておきたいポイント
その他に家の中でルーバーを効果的に使える場所としては、部屋の天井にルーバーを付けるという方法もあります。
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天井にルーバーを使うメリットとしては色や質感といったアクセントはもちろん、天井に陰影をつけられるというのも大きなメリットになってくるんですね。
ルーバーの場合は照明の当たり方が普通の天井とは違ってきますし、奥行き感が出るのでいろんな表情を出すことができます。
そのため天井にアクセントを付けたい場合はルーバーも検討してみると楽しいですよ。
ここまでルーバーの使い方について見てきましたが、最後に家でルーバーを使わない方がよいケースもご紹介しておきたいと思います。
ルーバーを使わない方がよい場所としては「家の窓」。
家の窓はいろんな窓の種類がありますが、その中にガラスがルーバー状になった「ルーバー窓」という窓があり、ルーバー窓は極力使わない方が無難です。
ちなみにルーバー窓とはこんな感じの窓ですね。
ルーバー窓はジャロジー窓とも呼ばれ、何枚かのガラスがルーバー状になって開け閉めする窓になります。
このようなルーバー窓は開き勝手を調整しやすく、窓を少しだけ開けても中が見えにくいので水回りで見かけることが多い窓の1つです。
では、どうしてルーバー窓を使わない方が良いかというと家の気密性能が下がってしまうから。
ルーバー窓は窓を閉じても隙間ができやすく、その結果、外の冷たい空気が入ってきたり、せっかく温めた空気が外に逃げてしまう原因となってしまうんですね。
最近では隙間が出にくいよう工夫がされていますが、他の窓に比べるとやはり気密性能は下がってしまいます。
そうならないよう、ルーバー窓ではなく他の窓を使うようにしておきたいですね。
→住宅の気密性ってこんなに重要!快適な家を建てるために知っておきたい家の気密
まとめ
今回はルーバーについて詳しく見てきました。
ルーバーの魅力は緩やかに区切れるということ。
緩やかに区切れるので目隠しに使いつつ、風や光も取り入れることがルーバーの最大の魅力なんですね。
また、見た目も特徴的なので外観やインテリアのアクセントとしてもルーバーは大きな効果を発揮してくれます。
ルーバーを上手く使いこなすことで視線をコントロールしつつ家の魅力も高めることができるので、緩やかに区切りたい場所は積極的にルーバーを使っていきたいですね。
では。
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