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家の設計料の相場ってどれくらい?建築士が話す設計料の本音

「家の設計料について質問があります。複数の住宅会社を検討しているのですが、設計料を取る会社もあれば設計料を取らない会社もあり、また設計料の金額にもバラツキがあります。設計料の相場はどれくらいが適正なのでしょうか?」

このような質問を読者の方からもらいました。

家を建てるのは人生の中で一度あるか無いかという事がほとんどなので、設計料の相場というのは中々イメージしづらいものですよね。

実際に物がある訳でも無いので、設計料が高いのか安いのか読者さんのように疑問に思う気持ちもとてもよく分かります。

では、実際に家を建てる時の設計料はどれくらいが相場となるのでしょうか?

今回は家の設計料について実際にどれくらいの原価が掛かっているのかも踏まえながら詳しく見ていきたいと思います。

家の設計料には何が含まれるの?

それではまず、家の設計料には何が含まれるのか見ていきましょう。

設計料とは家の打ち合わせや図面作成への対価となりますが、その内訳は「人件費」「技術料」「諸経費」となります。

人件費は設計に関係する人の給料や手当に、技術料はデザイン力や提案力に対する対価に、そして諸経費という形になるんですね。

 

また、設計料の中に工事の監理というものも含まれているケースがよくあります。

監理とは図面通りに工事が進んでいるか確認する事で、家の設計だけでなく監理も一緒に行うことが多く、その場合は「設計監理料」という形になるんですね。

 

上記の物が一般的な設計料に含まれる物となりますが、実は必ずしも設計料という形で料金が発生する訳ではありません。

明確な基準が無いので設計料自体を設定するかどうかも住宅会社次第ですし、その金額も自由に決めることができます。

そのため冒頭の読者さんの相談であったように、設計料が住宅会社によってバラバラであったり設計料の設定が無い住宅会社もあるという訳なんですね。

 

ただ、たとえ設計料が設定されていなくても実際には間取りを作る人がいたり図面を製図する人がいるなど、設計料に相当する経費はかかるようになります。

では、それは実際にどれくらいなのでしょうか?

次に実際の設計料の相場について見ていきたいと思います。

設計料の相場ってどれくらい?

設計料について見る場合、大きく分けて2つのケースに分けることができます。

1つはハウスメーカーや工務店など、設計と施工の両方を1つの会社で行う場合の設計料。

もう1つは設計事務所など設計をメインに依頼して工事は別の会社で行うと言う場合の設計料です。

 

たとえば設計と施工を両方行う会社の場合、設計料を安く設定したり設計料をもらわないというケースもよくあります。

設計料自体を本体工事の金額に含むこともできるからんですね。

そのため、改めて設計料を設定する必要性はかなり低くなり、住宅会社によって金額のバラツキが大きくなります。

また、工事の契約をする前に設計契約をする会社の場合は設計料を着手金のような形で計上する場合もありますし、工事契約だけで設計契約を交わさない会社の場合は設計料という項目が出てこないケースもあるなど、契約形態によっても設計料自体が必要ない場合もあるんですね。

 

ちなみに、他の会社との見積もりを比較する場合は設計料も含めた金額で比較するのがポイントです。

たとえば資金計画書の中で家の本体工事と設計料を別に記載すれば家本体は安く見えますし、設計料を本体工事に含めれば家本体の価格は高くなるなど、設計料をどうするかで家の金額が違って見えるからなんですね。

そのため複数の会社で価格を比較する場合は設計料を含めて比較するのが大事なんですね。

傾向としては設計力に自信のある住宅会社は設計料という名目で高めの金額を設定することが多くなり、間取りや仕様の打ち合わせをあまり行わない住宅会社は設計料を低く設定しているケースが多くなります。

また、家が大きかったりデザインのこだわりが強い場合は設計料を高めに設定したり、設計料という名目があることでトラブルの元となりそうな時は設計料という項目は提示しないなど、家を建てる方に合わせて設計料を調整することもあります。

そのため、住宅会社での設計料というのはそれ程意識する必要はなく、資金計画書の中で家を建てるのに総額がどれくらい必要かという部分を見ておけばいいんですね。

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では次に、設計事務所に依頼したケースについても見てみましょう。

設計事務所に家の設計を依頼した場合、設計と工事が別々となるため設計料の明確な基準を設けている事がほとんどです。

設計事務所にとっては設計料が人件費や経費、利益に直結してきますし、お施主さんにとってはどれくらい設計料が必要か分からないと依頼できないので、どれくらい設計料が必要かを明確にしているんですね。

 

ちなみに設計事務所で一番多いケースとしては、家の総額に対して数パーセントを設計料としているケースです。

その場合の設計料は家の総額の10〜15%程に設定されていることが多く、2,000万円の家で15%の設計料だとすると300万円の設計料が家本体以外に必要ということになります。

この料率は家の本体価格が安いほど高く設定されていることが多くなり、本体価格が高くなるほど料率が低くなるよう設定されているケースがほとんどで、たとえ家の工事費が安くても利益が出るような仕組みになっています。

(実際には家の工事費が高くても安くても設計に使う時間や手間はそこまで大きく変わらないので)

 

その他、たまに坪単価で設計料を設定している所もあるなど、設計事務所の場合は設計料の設定にも個性が出てきます。

有名な建築家が運営している設計事務所や実績のある設計事務所の場合は設計料が高めに設定されていたりと、一言で設計事務所と言っても実際の設計料は結構違ってくるんですね。

その他、料率の他に細かい経費などは別途というケースもあるので、あとあとトラブルにならないためにも設計事務所に依頼する場合は必ず最初に設計料の中身についてしっかり説明を受けておきたいですね。

 

ちなみに、住宅会社や工務店で家を建てる場合も設計は外部の設計事務所や建築士に依頼しているというケースもあります。

その場合は建築士がどれだけ打合せに参加するのかなど、どれくらい家づくりに関わるかで設計料は変わってきます。

イメージとしては設計事務所に依頼するほど設計料は掛からない事がほとんどだけども自社の建築士で設計するよりは設計料は高くなる。という感じですね。

家の設計料の原価

家の設計料

設計事務所の場合は設計料が明確になっているのでどれくらい設計料が掛かるものなのか分かりますが、住宅会社や工務店では実際に設計料がどれくらい掛かっているかは分かりにくものです。

では、実際に家の設計料の原価はどれくらいが一般的なのでしょうか?

 

住宅会社や工務店の場合、一般的には設計事務所ほど設計料が必要になることはほとんどありません。

設計事務所の場合は間取り以外にも材料に何を使うかという仕様も含めてイチから決めていくことがほとんどですが、住宅会社や工務店の場合は基本の仕様やルールが決まっているのでイチから決めるよりも必要な打ち合わせ時間というのが少なくなるからなんですね。

(そのため間取りが決まっている企画住宅の場合は設計料というのはほとんど必要なく、総額を抑えることができます)

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では、実際にどれくらい設計料が必要になっているかというと、「図面」「打合せ回数」「提案力」の3つを見る事で大よその相場が分かるようになります。

たとえば図面を見てみると、図面の相場は1枚1万円〜2万円くらいが目安となります。

(図面の中身によって価格に差がでます)

家を建てるのに申請含めて最低でも10枚以上は図面の作成が必要になるので、この分は設計料として必ず必要な部分となってくるんですね。

 

次に打合せ回数を見てみると、間取りや仕様決めの打合せの回数が増えるほど人件費が増えることになります。

(間取りの打合せは何回までと決めている住宅会社や工務店もありますが、これは人件費がどれだけ必要か読みやすくなるのと工事の着工時期が明確になるので回数を決めているケースがほとんどです)

実際の1回の打合せの経費としては1回数万円というのが現実的な数字となり、打合せ回数の設定が多い会社ほど設計料は高くなってくるんですね。

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最後に提案力は図面作成や打合せの単価に影響してきます。

住宅会社や工務店の設計料と比べて設計事務所の設計料が高いように、技術力やデザイン力といった提案力があるほど基本的に設計料は高くなり、その分だけ図面作成や打合せの単価が高くなっていきます。

 

この「図面」「打合せ回数」「提案力」の3つを換算すると、家の設計料はだいたい家本体の2%〜5%くらい、たとえば2,000万円の家であれば40万円〜100万円くらいが実際の設計料の目安となります。

言い換えると家を建てるのに少なくともこれくらいの設計料は必要となってくるんですね。

それだけの設計料が掛かっても建てたい家と感じられるかどうか、またデザイン性や提案力を含めると設計料は十分に納得できる。

そんな住宅会社や工務店を選ぶと言うのも家を建てた時の満足度に大きく影響してくる部分となるんですね。

まとめ

今回は家の設計料について詳しく見てきました。

住宅会社や工務店で家を建てる時は設計料という項目はあまり気にせず家の総額がどれくらいかを見るのが大切に。

設計事務所など設計に特化している所に依頼する場合は、設計料がどれくらいか、また何が含まれているか見るのが大切なんですね。

そしてその設計料にも納得できる住宅会社や工務店、設計事務所に依頼する。

そうすることでより満足度の高い家にすることができるんですね。

では。

 

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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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