「注文住宅と思って家の契約をしたのですが、使える仕様が決まっていて思うような家になりません。注文住宅だと思っていたのですが、これは注文住宅ではないのでしょうか?」
このような質問を読者の方からいただきました。
注文住宅と思っていたけども、仕様をいくつかの中からしか選ぶことができないとしたら、確かに「アレっ?!」て思いますね。
読者さんの質問にあるように、注文住宅のようで実は注文住宅ではないという紛らわしい家も確かにあります。
そこで今回は、あとで後悔しないように新築の家の種類についてお話したいと思います。
意外と知られていないので、これから家を建てる方はぜひご覧下さい。
住宅の4つの種類
住宅の種類は、大きく分けて4種類に分けられます。
「建売住宅」、「規格型住宅」、「セミオーダー住宅」、「注文住宅」の4種類です。
言葉を見ただけではどのような住宅かイマイチ分かりにくいですが、意外と種類があるんですね。
それではまず、建売住宅から見ていきましょう。
建売住宅
建売住宅という名前はほとんどの方が知っているのではないでしょうか?
建売住宅はその名のとおり、あらかじめ家を建ててから販売している住宅のことです。
建売住宅のメリットを見てみると、建売住宅はあらかじめ家の中を見てから購入できるので、新築の家でよくある「イメージと違った」ということがありません。
また、家づくりは半年から1年くらいかかることが多いですが、建売住宅はすでに家が建っているので、すぐに住み始めることができます。引越しを急いでいる方にはメリットが大きいんですね。
さらに、建売住宅は家の価格が比較的安いのもメリットと言えます。
一方、建売住宅のデメリットとしては、多くの人に受け入れられる必要があるので、ありきたりの家になってしまうことが挙げられます。イメージとしては、ちょっと設備が高級な賃貸住宅という感じでしょうか。
また、家の工事が終わっているのでコンセントを増やしたいなどの変更はできませんし、家に生活を合わせていく必要が出てきてしまいます。
さらには家のつくりも価格なりのことが多いので、家の性能や家がしっかり作られているかどうかが分からないのも建売住宅のデメリットと言えます。
ちなみに、建売住宅と似たような名前で「売建住宅」というのもあります。
これは土地を販売してから家の打合せを行う住宅のことです。
建築条件付きの住宅なんかは、この「売建住宅」のことなんですね。
規格型住宅
規格型住宅とは、あらかじめ間取りが決められている家をカタログなどから選んで建てる家のことです。
名前の通り、規格化された家を建てるという訳ですね。
間取りや窓の位置などの変更は基本的にはできず、壁紙の色や床の色、設備のオプションなど内装に関係する部分はいくつかの中から選べるというのが一般的です。
企画型住宅の一番のメリットは、間取りが決まっているのでコストと打合せ時間を削減できることです。
また、同じ企画型住宅を販売している会社は多いですが、どこの会社で建てても基本的な仕様が決まっているため会社による仕上がりの差が少ない住宅と言えます。
反対に企画型住宅のデメリットとしては、土地に間取りを当てはめることになるので、家の配置や窓が必ずしもベストとは言えない位置に配置されてしまうことが多いことが挙げられます。
そのため、複雑な土地や特殊な土地との相性は良くないんですね。
企画型住宅は、最近では見た目もスタイリッシュなのも増えているので、割安な価格と共に人気がある住宅です。
セミオーダー型住宅
セミオーダー型住宅とは、家の間取りは設計士や営業マンが作成しますが、家で使える仕様がある程度決まっている住宅のことです。
今回の相談をいただいた読者さんの家はこのセミオーダー住宅に該当し、自由設計と書いている家もセミーダー住宅のことを意味していることが多くなります。
→自由設計と注文住宅の違いって何?自由設計の家を建てる前に知っておきたい話
そのようなセミオーダー住宅のメリットは、間取りは自由がきくけども仕様が決まっているのである程度安い価格で家を建てられることです。
反対にセミオーダー住宅のデメリットを挙げると、間取りに自由がきくので、読者さんのように注文住宅との区別がつきにくく、後で「アレっ?」と思ってしまうこともよくあります。最初の段階では注文住宅とセミオーダー住宅との区別がつきにくいんですね。
また、仕様が決まっているため仕様自体は建売住宅と大差のない家ができてしまうこともあるので、家にこだわりがある方は注意が必要です。
傾向として、パワービルダーが建てる家はこのセミオーダー住宅であることが多いですし、建築条件がついている場合なんかもセミオーダー住宅である可能性が高くなります。
注文住宅
間取りも仕様も自由に選べるのが注文住宅です。
基本的には何でも自由ですが、工務店によって基本的な仕様はあらかじめ決まっていて、こだわりたい部分の仕様を変えていくのが基本的な注文住宅の流れになってきます。
そのため、それまで工務店が建ててきた家を見て「この工務店の家いいな」と思えることが、注文住宅が成功するポイントになってくるんですね。
注文住宅のメリットとデメリットを見てみると、注文住宅の一番のメリットは、やはり家に対して思う存分こだわれるところです。
反対に注文住宅のデメリットを挙げるとすると、注文住宅は自由な分、お金と時間が掛かってしまうことが挙げられます。
あなたはどの住宅が合っている?
ここまで4種類の住宅についてみてきました。
それでは次に、あなたはどの住宅が合っているのか見てみましょう。
まず、いくつかの項目を挙げますので、あなたがその項目に思い当たるかどうか見てみてください。
まず1つ目はこちらです。
・家にあまりこだわりが無い。
・家づくりにあまり時間を掛けたくない、または掛ける時間がない。
・家は欲しいけども、家よりも立地を何より優先したい。
・物を決めるのが苦手で、ある物の中から選びたい。
上のようなことに当てはまる人は「建売住宅」、「規格型住宅」が合っている人です。
注文住宅を選んでしまうと、家にかかる手間がストレスになる可能性が大なので注意してくださいね。
それでは次にいきましょう。
・家にすごくこだわりがある訳ではないけれど、設備など家の気になる部分は自分で選びたい。
・建売住宅でいいかも知れないけども、できれば建売ではなく家を建てたい。
・家づくりにそこまで時間を掛けられない。
・家の価格はローコストが中心で、あまり予算を増やしたくない
このようなことに当てはまる人は「規格型住宅」、「セミオーダー住宅」が合っている可能性が高いです。
デザイン性を重視するなら規格型住宅。間取りを重視するならセミオーダー住宅が合っています。
それでは最後にこちら。
・家にこだわりがたくさんある。
・家での住み心地が優先で、夏涼しく、冬は暖かい家にしたい。
・好きなデザインの家に住みたい。
・人と同じ家はちょっとイヤ・・。
このようなことに当てはまる人は、「注文住宅」で家を建てないと満足できない可能性がとても高いです。
セミオーダー住宅でも満足できない可能性大ですので、間違えてセミオーダー住宅の会社で家を建てないでくださいね。
まとめ
今回は住宅の種類についてご紹介しました。
まずは住宅にはどのような種類があるかを頭に入れた上で、あなたが建てたい住宅の種類を決めて、その次に住宅会社を選定していくという流れになります。
会社によっては建売とセミオーダー住宅をやっているとか、企画型住宅と注文住宅をやっている会社など、複数の商品展開をしている会社も多くあり、家を建てたいと思った会社がどの商品展開をしているのか知ることが重要になってきます。
たとえば、注文住宅がいいのにセミオーダー住宅と規格住宅しかつくっていない会社を選んでしまうと不満が残りますし、規格型住宅あたりでいいのに注文住宅オンリーの会社を選んでしまうのも、これまた大変です。
あなたに合っている家が企画型住宅なのか、それとも注文住宅なのかなど、建てる家をハッキリと決めたうえで、その家を建てられる住宅会社や工務店を決めるのがポイントなんですね。
あとで後悔しないように、どの住宅があなたに合っているのかぜひ最初にしっかり考えてみてくださいね。
では。
家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
家づくりで失敗したくない!そんな方こそ、間取りが重要です。
建築士が教える今日の問題解決
新築の家にはどんな種類があるの?
- 「建売住宅」「規格型住宅」「セミオーダー住宅」「注文住宅」の4種類。
- あなたに合っている家を知ってから、その家を建てられる住宅会社を探すと失敗が少ない。