「住宅会社から間取りが中々出てきません。普通はどのくらいで間取りが出てくるんでしょうか?」
読者さんからこのような質問をもらいました。
間取りが出てくるのは楽しみですよね。
でも、どれくらいで間取りが出てくるのか気になるところです。
そこで今回は、家のヒアリングをしてから間取りが出てくるまでの期間と間取りのクオリティについて、200社以上見てきた建築士が解説します。
それではどうぞ!
間取りはどれくらいで出てくる?
これまで私が自社、他社含めて見てきた限り、間取りの要望を伝えてから間取りが出てくるまでは、大体1週間から2週間でである事が多いです。
もちろん、それよりも早く間取りが出てきたり遅く出てくる会社もありますが、そこには理由が考えられます。
それでは、間取りが出てくるまでの期間と間取りのクオリティの関係について見ていきましょう。
間取りができるまでの流れ
まずは住宅会社から見て、お客さんから家の要望をヒアリングをしてから、間取りをお客さんに出すまでの流れを確認してみましょう。
間取りを出すまでには大きく3つの作業があります。
1つ目は、一番重要な間取りを考えてプランをつくるという作業。
2つ目は、つくった間取りを清書してプランをお客さんに渡せるようにする作業。
そして最後に、金額がわかるように見積もり書を作成する作業の3つです。
基本的にはこの3つが完成して、初めてお客さんに間取りを提出する事ができるようになります。
例えばヒアリングから1週間後に間取り提出するのであれば、1週間でこの3つの作業を行うという訳ですね。
間取りが完成しなければ、間取りを清書する事も見積もりをつくる事もできないので、まずは間取りをつくる事。
これが一番のポイントになってきます。
プランの清書と見積もり
プランを清書する作業や見積もりをつくる作業というのは、会社によって違ってきます。
プランの清書に関しては、間取りをCADという図面を描くソフトに入力すれば自動で清書されたプランが完成する仕組みを使っている会社もあれば、間取りの魅力を伝えるためにちゃんとしたプレゼンテーションをつくる会社もあります。
見積もりに関しても、CADで入力するだけで自動的に出てくる会社もあれば、部材をひとつずつ拾っていく会社もあります。
要は、間取りを清書するのと見積もりをつくるのに必要な時間は会社の仕組み次第と言う訳ですね。
では、間取りに関してはどうなんでしょうか?
間取りをつくる時間とクオリティの関係
間取りには、プランを一から考える本当の注文住宅もあれば、これまでつくったきた他のプランをちょっと修正するだけの何ちゃって注文住宅もあります。
そして、パパっと考えてつくった物をお客さんに出す会社もあれば、プランを何度も検討した上でお客さんにプレゼンする会社もあります。
要は、間取りの提出までに時間がかかるほどクオリティーの高い間取りになる可能性が高くなり、プランに対してのハードルも高くなります。
それはそうですよね。
間取りが出てくるまで時間が掛かったのに、出てきたプランやプレゼンが微妙だと残念ですよね。
「時間を掛けてコレなのか・・」
って事になってしまいます。
(実際に、忙しいから間取りが出てくるのが遅い会社というのは、時間を掛けて微妙な間取りが出てくる可能性が高いです)
一方、すぐに間取りが出てくる場合はどうしているのでしょうか?
答えは簡単です。
プランやプレゼンに時間を掛け無ければ良いだけです。
パパッと時間を掛けずに間取りをつくれば、要望をヒアリングした翌日にはプランを出せます。
(ただ、時間を掛けずにつくったプランが本当に良いものなのかは別です)
何でも早いものには理由がありますよね。
家の間取りも同じなんです。
間取りが出てくるまで時間が掛かる会社ほど、良いプランが出てくる可能性が高く期待値も上がります。
反対に、すぐに間取りが出てくる会社はプラン作成に時間を掛けていない事が多く、良いプランや要望を本当に反映したプランが出てくる可能性が低くなります。
やはり、間取りが出てくるまで待ち遠しいですが、間取りが出てくるまで適正な時間を取る。
これが満足いくプランにするためには重要なんですね。
ちなみに、私の場合
私が間取りを出す場合についても参考にご紹介します。
私の場合、ヒアリングをしてから間取りを出すまで少なくとも2週間はもらうようにしています。
もちろん、数時間あれば間取りはつくれるので、もっと早く間取りを出そうと思えば間取りを出せますが、それはしていません。
つくったプランを見直す時間が欲しいからです。
ブログを書く場合も、記事の見直しが一番大事な事と言います。
本当は記事を書いてから1日寝かして見直すくらいがベストだそうです。
そこでクオリティが大きく上がるからなんですね。
これは有名なweb制作会社 LIGさんの記事に書いてある話ですが・・。
この考え方はすごくよく分かります。やっぱりたたき台の間取りができてからが本当の勝負なんですよね。
間取りを見直す事で、日々間取りが良くなっていくのが分かります。
そして最後は間取り会議を行います。
大勢の目線で間取りの最終チェックとより良くできる方法を議論します。
そして遂に間取りが完成。
でもそこで終わりではありません。
今度は、なぜこの間取りになったのかを伝えるためのプレゼンテーションの作成に入ります。
間取りを言葉で説明しますが、お客さんは間取りに意識が行ってしまって何の話をしていたか忘れてしまいがちです。
でも、間取りの特徴やなぜこの間取りになったのかを図面に落とし込んでいれば、家に帰ってゆっくり間取りを見直してもらった時に、どうしてこの間取りになったのか理解しやすくなります。
今までの経験上、これは結構重要で家ができてからの満足度が全然違います。
そんなこんなで間取りをつくっていると、2週間でもちょっと足りないかなと感じるくらいです。
ウチの場合もこうするようになった経緯があり、昔はもっと早く間取りを出していたこともあったんですが、間取りの品質が安定しませんでした。
そこで協議をした結果、品質を下げる恐れがある間取りの出し方をしないようになりました。
もちろん、時間を取るからクオリティの高い物をお客さんは求められますし、それに応える必要も有りますが、お客さんの満足度も設計スタッフの技術も大きく向上する結果となっています。
(ローンや土地がらみで本当に間取りが急ぎの場合は、要相談としています)
まとめ
間取りのクオリティ重視なのかスピード重視なのか。
家の単価次第でも変わってきますし、会社の考え方でも変わってくるところですが、間違いなく言えるのは「家をつくる人はみんな、間取りが出てくる時を楽しみにしている」という事です。
それだけ、最初の間取りが出てくる時って重要なんですね。ファーストプランというのは二度とありませんから。
そんな重要なファーストプランですが、間取りが出てくるまでは大体1週間から2週間くらいの会社が多いです。
そして、基本的に間取りができるまでの時間と間取りのクオリティは比例していきます。
焦らず待ってみるのも良い間取りができるためには必要なんですね。(はやる気持ちも分かりますが・・)
あなたも素敵な間取りをぜひ作ってくださいね。
間取りで心配な事が有る場合は、間取り相談も受け付けています。
間取りが気になる方はぜひご利用ください。
では。
家の設計についてはこちらも参考にしてください。
家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
建築士が教える今日の問題解決
間取りができるまでどのくらいの時間がかかるの?
- 1週間から2週間で間取りが出てくる会社が多い。
- 間取りが出るまでの時間と間取りのクオリティは比例する。
- 早い会社はそれなりの間取りが。長い会社は良い間取りが出てくる可能性が高い。