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2015年、太陽光発電のトレンド

こんにちは、季節外れの台風のおかげで寒くてたまらないO型建築士です。

今日は好評?の読者さんからの質問シリーズをお送りします。

今日の質問は「太陽光発電ってどうですか?」という内容です。(質問内容をかなり完結にしています。)

 

最近、何故か「太陽光って載せた方がいいの?」と聞かれる事がとても多いです。

それだけ、皆さん新築の家に太陽光を載せるか迷っているんですね。

今回は、私が最近よく耳にする「太陽光発電を載せる人の理由」と最近のトレンドをご紹介したいと思います。

それではどうぞ。

太陽光発電のおさらい

まずは、太陽光発電の簡単なおさらいから行きましょう。(知ってる方は飛ばしてください)

住宅用の太陽光発電は、載せるパネルの量で2パターンに分かれます。

基準は、太陽光発電を10KW以上載せるのか載せないのかです。

太陽光の価格

Photo:http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/kakaku.html

屋根に載せた太陽光発電が10KW未満の場合、発電した電力の買い取り価格が33円、もしくは35円で10年間固定されます。(管轄の電力会社によって、33円か35円の違いがでます。)

一方、設置した太陽光発電が10KW以上の場合、買い取り価格が27円で20年間固定となります。

ちなみに、新築の住宅に載せる太陽光パネルは5KW前後が多く、売電価格が33円か35円の方がほとんどです。太陽光発電は、載せる量が多い程安く設置できるので、太陽光設置価格が高くなりがちな住宅用のほうが売電価格が優遇されるように設定されています。

 

10KW以上は、基本的には空き地を利用したメガソーラーなどの産業用ですが、屋根が大きい家だと10KW以上載せる事も可能なので、10KWを超える太陽光を載せている住宅もあります。

 

太陽光発電が10KW以上と10KW未満とでは、もうひとつだけ違いがあります。

10KW未満では、発電した電力をまずは家庭で使用し、残った分を電力会社に売却。

10KW以上では、発電した電力全てを電力会社に売却します。そして家で使う電気は、電力会社から購入します。

10KW以上と未満ではこのような違いがあります。

去年までのトレンド

太陽光

去年までは、産業用の太陽光発電の買い取り価格は32円でした。(今は27円です。)

その前の年の買い取り価格は36円。さらにその前の年は40円と、かなり高額での買い取りが保証されていました。

 

そのため、太陽光発電を載せる人は2つのタイプに分けられます。

 

まずは、

「太陽光の設置費用の元も取れるし、利益も出るみたいやから太陽光発電つけよか」

といって4KW〜5KWを載せる人です。新築の家に太陽光発電を載せた人の8割ほどがこのタイプに該当します。

 

そしてもう1つが、

「太陽光発電を載せまくって、売電金額を家のローンの支払いに充てるで」

といって、10KW〜20KWの太陽光を載せる人です。

 

太陽光発電は月に1KWあたり¥3,000-ほどで売電できるので、10KWなら月¥30,000-。20KWなら月¥60,000-の収入が入るという訳です。(地域によってもっと発電できたり、少ない地域もあります。)

家の屋根だけでなく、載せられる所はすべて載せるという徹底ぶりで、太陽光発電を大量に載せる方法で一気に大きくなった住宅会社も登場しました。

高額な太陽光の固定買い取り制度を、家に徹底的に利用しようとした見事な戦略です。

そして、同じようなことをする会社がかなり増え、太陽光を大量に載せて売電価格で稼ぐのが流行るようになっていきました。

今年になって太陽光発電はどう変わった?

太陽光発電

今年に入ると、太陽光の発電量が増えすぎた事で、電力会社が太陽光発電との接続を拒否するというニュースが紙面を賑わせました。皆さんも聞いた事があると思います。

その結果、太陽光に偏重していた売電価格を調整すべきとの意見が増えていきました。

そして、産業用の売電価格は一段と下落し、売電価格に昔程の旨味は無くなってしまいました。

 

住宅でも、太陽光発電を大量に載せるというのは下火になりつつあります。

一方、10KW未満の売電価格は大きな下落は無かったため、そんな大きな落ち込みは感じられません。

ただ、ここ最近よく感じるのは、設置金額の元が取れるからという理由よりも、「お子さんへの環境教育」、「蓄電池を設置して災害に備える」という方が増えてきたように感じます。

蓄電池も高額の蓄電池を購入するのではなく、蓄電池をレンタルする会社も登場しました。自治体によっては、蓄電池の設置に補助金を出すところもあり、電気を蓄電して災害時も使えるといったメリットもあるので、レンタル蓄電池事業は今後大きくなる可能性を感じます。

最近では、売電価格に魅力を感じるのでは無く、電気を発電するからできる事に魅力に感じる。そんな人が増えています。

まとめ

ここ数年、太陽光発電の「ウリ」は売電価格の高さでした。

太陽光発電で電気を有効利用するという考え方はありましたが、まずは太陽光発電で利益が出ることが優先されていました。

でもこれからは、本来の太陽光の使い方である「賢い電気の利用」=「スマートグリッド」が主流になっていくように感じます。そんな潮目の変化が今年、2015年になって感じられるようになってきました。

これからの家がどう進化していくか、かなり楽しみです。

太陽光発電に新しい動きがあれば、また紹介しますね。

では。

 

太陽光発電はこちらも参考にしてください。

太陽光発電を家に載せるなら知っておきたい問題点と対策方法

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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建築士が教える今日の問題解決

2015年になって感じる太陽光発電の変化って何?

  • 去年までは、売電価格の高さに合わせて「どれだけ利益が出るか」が主流だった。
  • 今年になり、売電価格メインでは無く、太陽光発電を賢く利用する考え方にシフトし始めた。
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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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