こんにちは、O型建築士です。
前回、「こんな住宅営業マンはイヤだ。土地のことを知らない営業マン。」という内容をお送りしました。
実は私、土地のことをよく知らない住宅営業マンを何人も見てきましたが、その中でも忘れられない体験があります。今回はそんな土地のことを知らない住宅営業マンの体験談をお伝えしたいと思います。それではどうぞ。
土地のことを知らない営業マンを体験してみた
かれこれ6、7年くらい前の話です。私と住宅営業マンとで1組のお客さんを担当していました。その方は2世帯住宅を希望され、土地探しからお手伝いすることになりました。
営業マンが土地探しを行い、しばらくすると上司のツテで造成地の物件を見つけてきました。さらに造成前の土地だったので、必要な大きさに区画の面積を調整してくれると言う、かなり条件の良い土地でした。
そこで私と営業マンとで造成前の土地を見に行くことにしました。造成予定地を見てみると駐車場と林です。さらに林は少し傾斜地になっていてかなり下りが続いているのが分かりました。
下りが続いているという事は高低差がある造成地になる可能性があります。私は営業マンに造成地の図面が出来上がればすぐに見せて欲しい旨と、高低差ができるのかどうか不動産屋に確認をとるように伝えて間取りの作成に入りました。
※高低差とは家を建てる土地と、道路や隣地との高さに違いがあることです。
しばらくして営業マンに確認すると、高低差は無いという返答。
私は一安心して間取りを完成させ、お客さんにプランと金額の合意をもらうところまで進みました。あとは、最終的な造成図面を確認すればOKという状態です。
実は高低差があった
ところが、完成した造成図面をみてビックリ。なんと高低差があるではありませんか!しかも道路との高低差が2mもあります。
この住宅営業マンは、いったい誰に何を確認してきたんでしょうか?
これだけ高低差があると、当初に計画していた間取りと見積もりをそのまま使う訳にはいきません。
考えた結果、取れる方法は2つでした。1つはプランを高低差を考慮してつくり直す事。もう1つは今のプランを高低差対応に修正することです。
まず、プランをつくり直した場合ですが、お客さんは今の間取りを大変気に入ってくれていて、プラン変更には前向きではありませんでした。また、何通りもプランを検討した結果、最初に提案した間取りがベストだと思ったので最初のプランを出しています。そのため代替プランも考え抜きましたが、最初のプランを超えるほどではありませんでした。
もう1つ、今のプランを高低差対応にした場合ですが、多少の調整が必要ではありますが、ベースのプランを大きく変える必要はなさそうです。ですが、高低差に対応するように深基礎と呼ばれる擁壁のような基礎に変更したり、庭をつくるためにウッドデッキを2層にしたりと、当初の見積もりより金額が数百万上がってしまう状態です。
最終的には、お客さんが最初のプランを高低差対応にすることを選択されました。金銭面では予算がオーバーしてしまうので、私たちも工事関係者の協力や社内での予算の見直し、土地の価格交渉などを行い、お客さんも予算アップのために奔走してくれました。
その結果、無事に最初のプランを高低差対応にした家を完成する事ができました。高低差があるので下から見上げるとかなりの迫力がある家で、今もたまに会うと家を楽しんでくれています。
まとめ
今回の話は「そんなアホなことあんの?」と思うような話です。私も今でも「何やったんやろ?」って思いますもん。
営業マンが土地のことを知らない事が、どれだけ後々問題を引き起こすか理解していない事が最大の問題という事ですね。理解していないので、何が問題なのかが分かっていないのがこれまた厄介です。
今回の営業マンは、社内での成績が悪いために居場所が無くなり転職していきましたが、今も住宅の営業マンをやっています。今もどこかで土地のことでお客さんに迷惑をかけていることでしょう。
皆さんも、土地のことをよく分かっていない営業マンがいたら注意してくださいね。後々、大きなストレスになる可能性が結構ありますよ。
では。
土地のことがよく分かっていない営業マンを見分ける方法はこちらを参考にしてください。
→こんな住宅営業マンはイヤだ。土地のことを知らない営業マン。
その他の住宅営業マンの説明書はこちら
家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。