家づくり中のみなさま、こんにちは。ed-commons(江戸小紋)小林です。
家を建てる時に考えていきたいのが収納計画。
成後の住みやすさに直結しますので、間取りを設計していく上でとても大切な検討項目です。
今日は、そんな収納計画においてぜひ知っておくと便利な建築設備についてお伝えします。
収納計画の要望をつくろう
収納の打ち合わせをしていると、「そこに何を入れるか」がまだ決まっていないか、ぼんやりざっくりした計画しかないケースが多くあります。
そのため「とりあえず収納スペースを作ってください」「多ければ多いほどいいです」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、非常にもったいないなあと感じることが多々あります。
たとえばキッチン。
現在のシステムキッチンは非常に収納スペースを考慮した設計になっているため、今お使いのキッチンよりも収納スペースが増えるケースがほとんどです。
ただ、そこに何を収納するのかが決まっていないと、収納量にあわせて物量が増えていき、あっという間に広々としたすてきなキッチンがモノであふれかえることに・・。
せっかくパントリーや物入れを収納計画が決まっていないからとやたら奥行きのあるものにしてしまい、実際に使うときに取り出しにくかったり、天井に近い高さで収納を設けて結局使わないデッドスペースがたくさん生まれていたり・・というケースも見かけます。
また、とりあえずたくさん収納スペースを作ろうとすると、「まだ余裕があるから♪」と結局収納スペースに入りきらない物量を抱えてしまったりするケースもあります。
すてきなお家を作るためにも家中のモノの量とアドレス(収納場所)をあらかじめ計画をたてておくのが大切なんですね。
収納に使う収納グッズもサイズを設計士さんに伝えておくと、収納グッズも含めた収納計画を提案してくれます。
これをやっておかなかった方で、完成後に収納計画がうまくいかずにすっきり整理されない収納スペースをたくさん見ているので、ぜひ設計打ち合わせの際に検討しておいてくださいね。
特にキッチンで細かな収納物量が定まっていない方も、電子レンジや炊飯ジャー、ポット、パン焼き器、ブレンダーなど家電の量と配置は、サイズを測って打ち合わせに望んでおくと便利です。
その他キッチンだけでなく、新居に運び込む荷物は最大でも総収納量の8割ほどに押さえておくと、将来にも対応できる余裕をもった収納になります。
収納形態を知ろう
次に、主な収納のスタイルについてご紹介しますね。
物入れスペース
クローゼットや押入などの物入れスペース。広い物だとウォークインクローゼットも物入れスペースの1つとなります。
スノーボードや釣り具など、高さのあるモノを収納できますし、棚を付けて小分けにする事で書類や小物などを収納するようにもできます。
また、1m80cm程度の高さにハンガーポールを付けて服を掛けやすくするのも良いですね。
その他、お手持ちの古いタンスやカラーボックス、プラケースをそのまま物入れスペースに収納するという方もいらっしゃいます。
このように、物入れスペースをつくるのは1番ポピュラーな収納方法となります。
壁面収納
出典:http://www.lixil.co.jp/lineup/livingroom_bedroom/vietas/case/plan3/
室内の壁面を収納にするケースで、よくあるのがリビングのテレビ側の壁面を全面収納スペースにするケース。
各メーカーもインテリアにあわせたユニット型の壁面収納をそろえていますので、TVまわりの収納を充実させたい時に便利ですね。
また、建築工事として造作の壁面収納にしても雰囲気のある空間となります。
壁一面をすべて壁面収納にするのもメリハリがあって良いですね。
壁面埋め込み収納
壁面の厚みをくりぬくように作るいわゆるニッチです。
でっぱりがない分、すっきりと見えますが、奥行きが壁面分しかとれないケースが多いため、収納の種類が限られます。
空間が広くない事が多く、収納が出っ張ると邪魔になりやすいトイレの収納なども埋め込み収納がよく使われます。
間仕切り収納
出典:http://www.daiken.jp/misel/plan/plan_detail/plan63.html
空間を間仕切る収納家具です。
可動タイプの物もあり、お子さんの成長にあわせて一つの空間を複数のエリアにゆるやかに間仕切るように設置できます。
高さも色んな物があるので、ある程度間仕切れるようにできればいいのか、それともほぼ完全に間仕切れるようにしたいかなど、状況に応じて選ぶ事ができます。
間仕切り収納にする場合、建具(室内ドア)の計画は部屋を間仕切っても問題無い状態にしておくのがポイントです。
(スイッチも意外と忘れがちなのでご注意を)
天吊り収納
出典:http://www.woodone.co.jp/product/kitchen/suiji/
天吊り収納はその名の通り天井から吊るすタイプの収納で、キッチンや洗濯機の上部などに設けることがあります。
引き出しレールがついている天吊り収納は、収納スペースが目線レベルまで降りてきたりと何かと便利だったりしますが、レールのサイズが大きいためあまり収納量がないということもあります。
収納スペースにオススメの+α設備
次に、収納スペース内にあってよかったオススメ設備をご紹介します。
センサー付き照明
奥行きが深い収納スペースなどで、あって良かったと言われるのがセンサー付き照明。
人感センサータイプにしておくと、収納の扉を開けるとパッと収納スペースが明るくなるのでスイッチいらずで便利です。
この場合は、収納物にあたらない場所に配灯計画をしたいですね。
2口コンセント
最近多いのがダイソンやルンバなどの充電型掃除機。
充電式なのでコードが必要無く便利なのですが、注意しておかないといけないのがどこで充電するのかということ。
充電型掃除機を収納する予定の方は、必ず収納スペースに2口コンセントを用意しておきたいですね。
また、収納スペースにワインセラーやミニ冷蔵庫を設置する場合も配線がすっきり隠れます。
調湿効果のある桐建材
和服のタンスにも使われている桐材は、調湿効果が高く、高湿度の空間では湿気を吸ってくれ、低湿度の空間では湿気を吐き出してくれるすぐれものです。
普通の壁材よりはお値段が張りますが、湿度を一定に保ちたいようなモノを収納するときには、壁・天井を桐建材にしておくと、モノの保管がうまくいきます。
換気口
収納スペースを風通しよく保ちたい場合は、スペース内に換気口を設けておくのも一つの方法です
収納の中はニオイや湿気がこもりがちになりますが、換気口があるとニオイや湿気対策になってくれるんですね。
換気口を付ける場合、窓や換気扇を付けるが一般的な方法となります。
収納スペースの扉を付けなかったり、ルーバー状のものにして風通しをよくするというアイデアもありますが、収納スペースは物が多いことがほとんどで空気循環がしにくいスペースなので、物入れの中で空気が動くようにするのがポイントになります。
扉の開き方
収納するとき、1度モノを出し入れするときの一連の動作も考えてみてください。
たとえば引出し。
引出しの中のモノを取り出すには、取っ手を「引いて」上から「見下ろして」上からモノを「取リ出す」という3動作が必要です。
この作業を行うには、収納の入口は折れ戸がいいのか、観音開きのように開けられる方がいいのか、さらには扉ではなく天井から吊るしたロールスクリーンをいったんあげて収納スペースを全開にするようにするのが使いやすいのか。
図面ではクローゼットなら折戸、押入なら襖が付いている事が多いですが、あなたが収納する物が本当に取り出しやすい扉なのかどうか1度考えた上で扉を洗濯すると、ストレス無く物を取り出せるようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
収納と家は切っても切れないもの。
収納計画をしっかり行って、「モノが片付けやすい家づくり」もしていきましょうね。
収納についてはこちらも参考にしてください。
→床下収納庫はどこに設置するのがベスト?床下収納の位置を検証しました