「ロフトを作るのですが、階段とハシゴ、どちらでロフトに行けるようにするか迷っています。選び方のポイントなどがあれば教えてもらえないでしょうか?」
読者の方からこのような質問をもらいました。
ロフトは屋根の小屋裏に作るケースがほとんどですが、小屋裏という高い場所柄、階段やハシゴなど何かしらのアクセス方法を作る必要が出てきます。
では階段とハシゴ、どちらの方が良いのでしょうか?
今回はロフトへ行くのに階段にするのか、それともハシゴにするのか。この部分にスポットを当てて見たいと思います。
ロフトや小屋裏収納を作る方はぜひご覧ください。
ロフトへの階段は制限がある
ロフトへのアクセス方法を階段にするのか、それともハシゴにするかを見る前に、少し法律的なお話もしておきたいと思います。
家を建てるときは建築基準法という法律で建てることのできる家が決められていますが、家の形というのは様々ですしイレギュラーなケースというのも多くあります。
そして実際は法律で大枠の基準は作るけども細かい部分は事例ごとにOKかどうか判断するという感じになっており、各地域の建築主事という人物が法的にOKかどうかの判断をしているんですね。
ではその結果どうなるのかと言うと、各地域によってOKな事、NGな事というように地域によって差が出てくるようになります。
今回のテーマとなるロフトへのアクセスについて見てみると、基本的に可動ハシゴであれば日本のほとんどの地域で使用が可能です。
その一方、階段については各自治体でバラツキがあり、固定階段自体がNGの地域もあれば、一定の要件を満たした階段であればOKであったり、ほとんど自由に階段が作れるなど地域によって取り扱いが様々なんですね。
そのためロフトを作る場合は階段もOKなのか、それとも可動ハシゴでないといけないのか住宅会社や工務店に最初に確認しておくと、その後の打合せがスムーズに進むのでオススメです。
それでは上記を踏まえた上で、階段とハシゴのメリット、デメリットについて見ていきましょう。
ロフトへの階段を作るメリット、デメリット
ロフトを作る場合にやはりオススメなのが固定階段でロフトへ上がるという方法です。
固定階段であれば両手に物を持っても登りやすいですし、なにより頻繁に物を出し入れする場合は簡単に登れるというのはかなり便利なもの。
物を持ちやすく簡単に上り下りできるというのは、固定階段の大きなメリットなんですね。
そのためロフトを頻繁に使うのであれば、できる限り固定階段で上り下りできるようにしておくのがベストと言えます。
その一方でロフトへのアクセスを固定階段にした場合にはデメリットもあります。
たとえば固定階段の方がハシゴよりも費用が必要になってきますし、ロフト専用の階段が必要となるのである程度のスペースが必要になってきます。
階段を設けるには1.5帖ほどのスペースが必要となり、それだけのスペースを用意する必要があるんですね。
(ハシゴの場合は使う時に1帖ほどの空いたスペースがあればOKです)
そのため、固定階段でロフトにアクセスしやすい方がメリットが大きいのか、それとも階段分のスペースを他の用途に使った方がメリットが大きいのか。
そして、どれだけ頻繁にロフトを使うのか。
この部分が大きなポイントになってくるんですね。
ちなみに、スペースを有効活用する場合は階段下に他の用途を組み合わせるというのも方法の1つです。
Photo:https://kanna-design.co.jp/pickup/?p=1128
ロフトの使用頻度を考えると階段が多少急でもそこまで影響はないので、階段下をTV台や棚などを組み合わせた階段にする方法もあるんですね。
ロフトへ登れさえすれば形は自由で良いので、アイデア次第でいろんな可能性が出てくるのも面白いところです。
その他、階段の場所をできるだけコンパクトにする場合は、上下階の階段の位置を揃えるというのも効果が高い方法になります。
そのためロフトに固定階段を作る場合、まずは階段の位置を揃えられるかどうかというのはチェックしておきたいポイントと言えます。
ちなみに階段でロフトに登る場合、ロフトの広さも意外と重要なポイントです。
たとえばロフトが小さく、階段を全部収納にした方が実は収納力が多かったなんてことになると何のためにロフトを作ったか分からないですよね。
そのため、固定階段にする場合はロフトにある程度の広さがあることでより価値が出てきます。
ハシゴでロフトに登るメリット、デメリット
それでは次に、ハシゴでロフトに登るケースについても見てみましょう。
ハシゴもいくつか種類がありますが、代表的なのが可動式のハシゴを使うというケースです。
可動式ハシゴとはこんな感じですね。
ハシゴを使わない時は壁に掛けておき、ロフトに登る時にハシゴを掛けて使うというのが可動ハシゴの基本的な使い方となります。
一般的にハシゴは登りやすいようにある程度角度がつけられており、ハシゴを出しっぱなしにしておくと意外と広いスペースが必要になるので、使わない時は壁に掛けられるようになっているんですね。
ちなみにハシゴを使う場合はこれくらいのスペースが必要となります。
Photo:https://www.hokuonomori.net/shopdetail/000000000341/
意外と角度が付いていることが分かりますね。
この角度は既製品のハシゴの場合は変更できませんが、造作でハシゴを作った場合は自由に角度を設定することができ、登りやすさ重視にするか、それとも省スペースを重視するかなどのアレンジができます。
また、ハシゴをできる限りコンパクトにする場合は下の画像のような固定ハシゴにしてしまう方法もあります。
このような固定ハシゴは場所も取らず見た目もスッキリするので採用しやすいのですが、実際に登ってみるとハシゴに角度が付いている場合と固定ハシゴの場合では結構登りやすさが変わり、物を持って登る必要があるロフトではハシゴにはある程度の角度が付いている方が使いやすくなります。
その他、ハシゴと他の用途を組み合わせるという方法もあります。
たとえばベンチとハシゴというのは相性の良い組み合わせです。
こんな感じですね。
スペースを有効活用するだけでなく、ベンチが階段のような役割を果たしてくれるのでハシゴの長さを短くでき、見た目もスマートなハシゴにすることができます。
その他では外国製品になりますが折りたたみ式の簡易的な階段などもあるので、色々アイデアを取り入れてみるのも楽しいですね。
この階段は面白い!
ドイツ製みたいだけども、日本でも販売して欲しいなぁ。https://t.co/zIRECVNrTJ— O型建築士 (@iiietsukuru) August 11, 2020
一方、ロフトへのアクセスをハシゴにした時のデメリットとしては、あくまでハシゴなので重い物や大きな物を収納するのが大変なこと、また頻繁に物を出し入れする場合は手間に感じてしまうことが挙げられます。
ハシゴと階段を比べると、登りやすさという点ではやはり階段の方に分があるんですね。
また可動ハシゴの場合、ロフトにいる間はハシゴは出しっ放しという形になります。
そのためロフトを長時間使う場合はハシゴが邪魔にならないかどうかというのもしっかり確認しておきたいポイントと言えます。
ロフトに何を収納するか、そしてロフトを使う頻度と時間はどれくらいか。
この部分がハシゴにするかどうか大きなポイントなんですね。
まとめ
今回はロフトへ階段でアクセスするか、ハシゴでアクセスするかについて詳しく見てきました。
階段、ハシゴともそれぞれメリットとデメリットがありますが、大切なのはロフトをどのように使うのか。
その用途に合ったアクセス方法を選ぶのが重要なんですね。
それにプラスして、スペース的に大丈夫か、また予算的にもOKかという部分を見る事で、よりベストな選択をすることができます。
また、階段やハシゴというのは作り方一つで印象や使い勝手というのはかなり変わってきます。
ただ移動する場所にするのではなく、スペースを無駄なく使えるようなアイデアも盛り込むなど色んな可能性を探って見るのも楽しいですよ。
では。
ロフトについてはこちらも参考にしてください。
→ロフトのある家って実際どうなの?100棟以上見てきた正解がコチラです。
→ロフトへは階段で行く?それともハシゴ?あなたに合った階段の選び方
階段についてはこちらも参考にしてください。
スケルトン階段を使ってリビングをおしゃれに!間取りで見るスケルトン階段の効果的な作り方
らせん階段って使いやすいの?らせん階段のポイントを建築士が解説します
ストリップ階段ってどんな階段?ストリップ階段の種類とメリット、デメリット
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