「家づくりをする時に読んでおくと良い本などありませんか?」
読者さんからこのような質問をよくもらいます。
家を建てるのは一生に一度くらいしかない方がほとんどなので知らない事ばかりの連続です。
そのため、あらかじめ本を読んで勉強しておくのはとてもいい事ですし、家づくりの大きな力になってくれます。
ただ、家づくりの本と言うのも沢山あり、どれを読めばいいか迷ってしまうのも事実です。
そこで今回は、私が実際に読んで家づくりの参考になると思った良書をご紹介したいと思います。
家づくりでどんな本を読めば良いか迷っている方はぜひ参考にしてくださいね。
家づくりにオススメの本12選
住まいの解剖図鑑
本屋に行って家づくりのコーナーを見てみると、〇〇の解剖図鑑というシリーズを必ず目にしますが、その元祖とも言えるのがこの「住まいの解剖図鑑」。
家の基本的な事がイラストと文章で書かれているので、サクっと読みながら家の事を知ることができます。
ベストセラーとなっているので、すでに持ってる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
建築に携わる人やかなり家づくりを勉強している人とっては当たり前と思う事も多く書かれていますが、それを分かりやすく絵と文章で表現にするとなると誰でもできる物ではない点がベストセラーたる所以かもしれませんね。
自分で間取りを書いてみたい方やこれから間取りの勉強をしたいと言う方に最適な1冊です。
家を建てたくなったら
建築家と家を建てる時の事がメインに書かれていますが、書かれている事は家を建てる全ての人に読んでもらいたい良書。
良い家を建てるための必要な根本的なことが書かれてあります。
この本にあるような考え方を持っている建築家や工務店と家を建てる事ができれば、「きっと満足いく家づくりができるだろうな」と思わせてくれます。
つい最近手にした本ですが、家づくりの基本的な考え方に共感できる部分が多々有りビックリした一冊です。
誰も教えてくれない家づくりのすべて
家づくりの基本的な内容が網羅されている一冊。
先ほどの「家を建てたくなったら」は、どちらかというと家を建てる時の心構えという点がメインとなりますが、こちらは家を建てる時の一般的な知識が中心となります。
家づくりをこれから始める、または始めたばかりで家づくりの事がよく分からないという方には1度目を通しておくと家づくりの全体像を簡単に掴みやすいですし、家づくり中に出てきた言葉を後でどういう意味だったか調べる時にも簡単に見直すことができます。
毎年改訂されているので、その年代にあった最新情報が書かれているのも良いですね。
伊礼智の「小さな家」70のレシピ
建築家、伊礼智さんの本。
伊礼智さんの手がける家は独特の味わいが有り、一目見ただけで伊礼智さんの作品と分かるくらい特徴がありますが、決して主張が強い訳ではなく、良い物に自然と囲まれた雰囲気を醸し出しています。
家が好きな方なら、伊礼さんの手がけた家を本や雑誌などで見かけた事も多いと思います。
この本は、そんな伊礼さんが心地よい居場所を集めてつくった「小さな家」について、写真を沢山つかい解説してくれているので居心地の良い場所についての考え方がよく分かりますし、単純に写真を眺めているだけでも楽しいです。
写真と文章のバランスも良く、家好きなら読んでみて損はない1冊です。
伊礼智の住宅設計
こちらも、建築家の伊礼さんが書かれた本です。
先ほどの本とは少し内容が違い、家を1軒建てるのに使った図面が丸々載っている本になります。
そのため、本自体もかなりの厚みのある1冊に仕上がっています。
どちらかというと一般の方よりもプロ向けの本ですが、細かい納まりなど参考になる部分が沢山載っているので、建築を勉強しようと思う方なら手元に1冊置いておきたい本と言えます。
細部の大切さが分かる1冊です。
住宅巡礼
建築家の中村好文さんが、世界の名建築といわれる住宅をスケッチと文章で綴った一冊。
名建築というとプロ向きで難しいように感じてしまいがちですが、この本はイラストに解説文を書きこんでくれていたりと、名建築と言われる住宅をプロの視点でしっかりと見ることができます。
住宅の奥深さが分かる本ですが、文章も自然な語り口でとても読みやすいので、建築の入門書としても秀逸。
これを読むと建築を見るたびに出かけたくなる一冊です。
人気のためシリーズ化されて続編も出ています。
中村好文 普通の住宅、普通の別荘
建築家、中村好文さんの作品が堪能できる1冊。
普通の住宅、普通の別荘とタイトルにありますが、普通のレベルが相当高いです。
中村さんの普通とは、
「気張りもしないし、気取りもしない。背伸びもしないし、萎縮もしない。無理もしないし、無駄もしない」。
住む人が自然体で暮らせることを考えられた家が登場します。
普通というと簡単なように聞こえますが、これが一番難しいことかもしれませんね。
建築知識ビルダーズ
プロ向けに実践的な内容を紹介した雑誌。
写真が多いので、プロだけでなく家を建てようと思う方もとても参考になる雑誌です。
毎回特集が違うので毎号見ていても飽きがきませんし、興味のある特集のバックナンバーだけ読むと言うこともできるので、プロ向けの雑誌にしては一般の方にも読みやすい内容となっています。
家の間取りや外観、性能など、家づくりに必要な最新の情報が掲載されているので、定期購読しているプロも多い雑誌です。
住宅インテリア究極ガイド
インテリア究極ガイドとなっていますが、インテリアと言うよりも家づくりの内装で使う素材を沢山紹介している本です。
家づくりでつかう部材というのは、経験がないと中々分からないことが多かったり、どんな物があるかイメージがしにくい物ですが、この本は例えば床材や壁の仕上げなどといったメジャーな所から、ガラスなどの少しマニアックなところまで幅広く押さえてくれているので、これから家を建てる方がどんな素材があるのかを知ったりする入門に最適な1冊となっています。
内装にこだわりがある方には参考になる部分も多いのではないでしょうか。
このインテリア究極ガイドは毎年改訂して新しく出版されているのですが、今回はカフェ風のインテリアのポイントも紹介されています。
荻野寿也の「美しい住まいの緑」85のレシピ
家を建てるとき、ついつい家ばかりに注目してしまいがちですが、忘れてはいけないのが外構。
庭のつくり方次第で、家の雰囲気は大きく変わってくるんですね。
そして、この本は人気造園家、荻野寿也さんの庭づくりを写真と図面で堪能できる1品となっています。
最近では、手入れする時間がないためにコンクリートで固められて庭を見かける事が多いですが、庭を上手く家に取り込むことで、家での時間がとても豊かな物に変わってくれるんですね。
住宅の実例に加えて植栽のメンテナンス方法や植物図鑑も付いているので、庭づくりにこだわりたい方だけでなく、庭がある方にはぜひ手元に置いておきたい1冊です。
外構工事が始まる前に1度目を通しておくと、庭づくりのレベルが上がること間違いなしです。
家の照明について沢山の事例を見ながら学べる非常に実用的な一冊。
「外構」「庭」「映り込み」「居室」「間接照明」の5部構成で住宅照明の教科書といえるようなラインナップになっています。
そしてこの本の大きな特徴としては、家の中の照明だけでなく庭のライティングについても詳しく書かれているということ。
筆者は先ほどご紹介した『荻野寿也の「美しい住まいの緑」85のレシピ』を執筆した荻野寿也氏の造園演出にも数多く携わっており、庭を魅力的に演出する方法が惜しげもなく紹介されているので、庭に手を加えたい方にもオススメです。
夜にカッコいい家を目指すなら、一度は目を通しておきたい本と言えます。
災害に強い住宅選び
住宅の災害に対する基本的な考え方がまとめられた一冊です。
去年の台風の被害についての記憶はまだ新しいですが、住む場所によって災害に強い場所や弱い場所というのがありますし、建物についても風水害に強い家、弱い家というのがあります。
家を建てる時にはついつい間取りや内装などに意識が行ってしまい災害についてはあまり意識しないことも多いですが、災害対策の基礎知識を頭の中に入れて置くだけでも災害のリスクを減らすことができます。
特に土地探しから家づくりを始めるのであれば読んでおいても損はありません。
マンションについても書かれているので、マンションを検討されている方も目を通しておきたいですね。
まとめ
今回は家づくりの参考になる本をいくつかご紹介してきました。
家づくりをしっかり行うには膨大な知識が必要となりますが、効率的に良書を読む事で短時間で大切な情報を得ることができるようになるんですね。
もちろんご紹介した全て読む必要などはなく、あなたにとって必要と思ったり興味があると思った物だけ読んでみるだけでも十分です。
ぜひ家づくりの良い知識を身につけて、あなたに合った良い家づくりをしてくださいね。
では。
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