よもやま話

新国立競技場の騒動から見る、家づくりに活かせる3つの事

こんにちは、O型建築士です。

前回は新国立競技場の建替え問題を取り上げました。

建築士としても新国立競技場は気になる問題です。

今回の新国立競技場の問題をよく見てみると、家づくりでも教訓になる事がいくつもあります。

今回は、新国立競技場問題にみる、家づくりの注意点をお伝えしたいと思います。それではどうぞ。

見積もりの説明をしてもらう

家の見積もり

新国立競技場では、当初想定していた1,300億円から3,000億円に2倍以上見積もりがアップしました。

円安による資材の高騰や建築費の上昇もありますが、これは当初の概算見積もりが甘かったとしか言いようがありません。キールアーチ2本で1,500億円と言われていますから、1,300億円ではキールアーチもつくれませんね。

家づくりでも同じ事が起こる場合があります。

それは、家のプランと一緒に概算見積もりが出ている場合です。

概算見積もりの場合、家の大きさと仕様から大体の金額を弾き出すのですが、概算見積もりの弱点として特殊な仕様や構造には対応しきれないというのがあります。特殊な項目は図面を書いて見積もりをしないと金額を出す事ができないからです。

そのため、概算見積もりでは特殊な項目の金額が見積もりに入っていない事が多く、手の凝った家ほど、正式な見積もりが出た時に金額が大きく上がることが時々あります。

まさに新国立競技場のキールアーチがそうですね。

こうならないためには、見積もりで何が入っているのか必ず確認することが重要です。例え概算見積もりの場合でも、何が見積もりに入っているか確認したほうが良いです。

驚くことに、何が見積もりに入っているかも知らずに見積もりを出している住宅営業マンも結構います。あとで予算が合わなくなってしまう前に、見積もり内容は必ず確認してください。

図面が無いものは金額が高くなる

家の見積もり2

新国立競技場は、工事の契約する段階になっても新国立競技場の図面自体がまだできていません。これから建築の許可を取得する段階で、さらに変更を余儀なくされる可能性もあります。そのため、ゼネコンも赤字工事にする訳にはいかないので、見積もり自体を高めに出している事が容易に想像がつきます。

 

家でも同じ事が言えます。

 

以前このブログで、家の見積もり方法についてお伝えしました。

家の見積もりの方法は大きく分けて3つあるというお話です。

家の見積もり方法をお教えします。

家の工事では、基本的な仕組みに沿って見積もりを出すのですが、どうしても見積もりの仕組みに沿わない物が出てきます。造作工事や意匠、デザインなど、その家オリジナルの物がそれに当たります。

もちろん、オリジナルの物でも必要なものを1つずつ拾っていく事で金額をだす事ができます。注意しないと行けないのは、図面や仕様書が無いものの金額が出ている場合です。

 

図面や仕様書が無いと、必要な部材や手間を正確に拾う事ができません。そうなると、アバウトな見積もりになってきます。そして、アバウトな見積もりは総じて高めの見積もりになります。詳細が分からないので、多少の問題があっても大丈夫な見積もりとなってしまうのです。

 

ですので、図面や仕様書が無い物は必要よりも金額が高くなってしまうので注意が必要です。

また、契約が欲しいために図面や仕様書がほとんど無い状態で契約をしようとするとんでもない営業マンも中にはいますので、皆さんは営業マンからは絶対に契約しないようにしてくださいね。

維持費を考える

家の維持費

新国立競技場の維持費は年間35億円と言われています。大規模修繕の費用を入れずに、単純に毎年必要となる経費が35億円です。

すごい金額ですね。

何しろキールアーチは清掃するのにも数億円も必要になります。

 

家と競技場では維持費が違うのは当たりまえですが、 家でもメンテナンス費用は注意が必要です。特に外観のデザインのためにつくった物は、のちのち経費がかかる傾向があります。木製の格子なんかがそうですね。

何かしらの機能や役割があればまだ良いですが、デザインのためだけにつくった物は時間が経つと何でつくったんだろうと思い始めます。さらに、メンテナンスに手間や費用がかかる物はなおさらです。

デザインのためにつくる物は、もう一度メンテナンスを含めてよく考えてから最終判断することをおススメします。

 

おそらく新国立競技場はオリンピックが終わった数年後くらいに、なんでこんなデザインのものを大金を使って造ったんだろうってなるんでしょうね。もったいない話です。

まとめ

新国立競技場の問題は、家づくりに活かせる教訓がいくつかあります。

皆さんの家づくりは、くれぐれも新国立競技場みたいな事にならないように、この教訓を活かしてくださいね。

安倍さんも総理大臣として新国立競技場の見直しを発表したら、下がった支持率も戻りそうやのになぁ。

では。

 

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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建築士が教える今日の問題解決

新国立競技場の問題から見る、家づくりの教訓って何?

  • 見積もりはしっかり説明してもらう。
  • 図面や仕様書が無い物の見積もりは、通常より高くなる。
  • メンテナンスに必要な費用もよく考える。
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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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