こんにちは、先日沖縄の民宿に泊まってきたO型建築士です。
沖縄に行ったのに雨が多くて何とも残念ではありましたが、その分、宿の人とゆっくり話す時間ができたので、それはそれで何とかなったのかなと。
その話の中で、民宿をオープンしたきっかけや工事の話も出たので、ついつい長時間話し込んでしまいました。すると、田舎ののんびりした工務店でよく起こる事が、この民宿オープンの時にも起こっていることが分かりました。今回は、のんびりした工務店でよく起こる、注意しないといけない事についてお話しします。
民宿の工事スタート
私が宿泊した民宿は、今から7、8年ほど前にオープンした比較的新しい民宿でした。沖縄の中でもかなり田舎のほうに位置する民宿です。民宿の設計と施工は地元の工務店にお願いしたそうです。民宿の設計打合せが終わり、工事の段取りに入ったので、工事の工程表を元に自分たちが引越す日と民宿をオープンする日を決めて、新しいお客さんを迎える準備に入りました。民宿なので、自宅兼宿となるので、自分たちがまず引越して、オープンまで余裕を持った日程を組んだそうです。予定では12月末に引越し、3月末の春休みシーズンに民宿オープンとして、お客さんを迎えます。
いざ、工事が始まると結構気になるもので、時間の合間を見て3日に1回は工事現場に通ったそうです。自分がずっとやりたかった民宿なので、現場に行くのが楽しくて仕方がなかったそうです。
最初はとても順調に工事が進んでいったそうです。始めは・・。
工事現場がおかしい
工事がある程度進み、家の形ができた頃から、何やら不穏な空気を感じ始めました。打合せした事と違う所がチラホラ見受けられるようになってきたのです。現場を見て気付いたので、その場で指摘して直してもらう事が多くあったそうです。
現場が予定通りになっていない主な原因は2つ考えられます。1つは打合せ内容が図面に反映されていなかったケース。もう1つは、現場監督が現場の管理を行っていない、もしくは管理する能力が足りない場合です。
この2つの原因がある事を説明すると、大将いわく「両方ダメでした。」との事。これは一番大変なケースです。
打合せと違う場所を、毎回現場に行った時にチェックし、おかしな所を直してもらう日々となりました。宿の大将が現場の品質管理者のようになっています。ですが、宿の大将も自分の仕事がありますし、すべてチェックする事はできません。工事中におかしな所をみつける事ができず、完成してから気付いた所も結構あり、そこを悔やんでいました。
工事が終わらない
一番大将を困らせたのが、工期の遅れです。12月末に引越す予定だったので、手伝ってくれる友達を確保したり準備をしてきました。ですが、12月になっても完成する気配が全然ありません。引渡し数日前になり、遂に工務店から連絡がきました。「引渡しが2ヶ月遅れそうです」と・・。
「宿のオープンは3月末と余裕を持っていたので何とかなりましたが、もし年明けオープンで予約を取り始めていたと思うとゾッとする」と大将は言っていました。ホントそうです。宿のオープンが伸びれば考えたくもないほどの労力がかかり、何より楽しみにしてくれていたお客さんに一番迷惑がかかってしまいます。
その後、工事はさらに遅れましたが何とかオープンに間に合い、今ではリピーターの方で賑わっている人気の民宿となっています。
大将は「引渡が伸びた分の家賃と引越代は工務店に出してもらった」とカラカラ笑っていました。時間がのんびりした場所に住んでいるので仕方がないという気持ちもあるそうですが、それを笑って受け入れる大将の人柄も大したものです。もともと良い人柄の大将だなと思っていましたが、リピーターが多い宿というのも頷けます。
このように大将は笑話にしていましたが、契約書の引渡事項はしっかり確認しないといけない項目です。皆さんも忘れずに確認してくださいね。契約内容についてはコチラも確認して下さい。
まとめ
田舎ののんびりした工務店のお話を今回はしましたが、のんびりした(だらしない)工務店は、図面と現場、工事の工期がだらしない事が多く、私もたまに相談される事があります。今回のケースは、まさにこの要素が全て揃ったケースです。私も2ヶ月引渡しが伸びた話を聞いたのは初めてです。それだけ時間の感覚が違うのかもしれません。
ここまで時間の感覚が違う工務店は少ないかもしれませんが、皆さんものんびりした工務店を選ばないようにご注意ください。
では。
工務店選びの失敗例はこちらも参考にしてください。
家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
建築士が教える今日の問題解決
のんびりした工務店には、どんなリスクがある?
- 図面や現場、工期に対する感覚にズレがある。
- 現場を自分でチェックする必要がでてくる。
- 引渡の予定が狂い、予定通り引越できなくなる。