住宅会社を決定し、プランと金額、仕様がまとまるとついに家の契約です。
今回は、家をつくる時の大きな山「契約」について見ていきましょう。
家の契約とは
家の契約って一体何をするのでしょうか?
基本的には、請負契約約款の説明を受けて、契約書にあなたと建築会社の双方が捺印を行い、契約が完了します。
契約を終えると双方が家を建てる事に合意した事になるので、万が一解約する場合、解約金が必要となるうえに手間もかかるようになります。
契約は急がずに、必ず納得した上で行って下さい。
(ここからは実践的な内容が多いので、契約がまだまだ先の方は下の「出口」まで一気に飛ばしてもらってOKです。ただ、契約の際は必ず読んで下さいね。)
約款
契約の内容を見ていきましょう。
まず、約款(やっかん)とは契約書に記載できない細かな事について記載した書類です。
以下は例文です。
第◯条(注文者、請負者、監理者の地位と責務)
1 住宅の建築請負者(以下「乙」という。)は、この契約(契約書並びにそれに添付された請負代金内訳明細書、この工事請負契約約款〔以下「約款」という。〕及び設計図、仕様書〔以下これらを「設計図書」という。〕を内容とする請負契約をいう。以下同じ。)に基づいて工事を完成し、目的物を発注者(以下「甲」という。)に引き渡し、甲は請負代金の支払いを完了する。
「甲」「乙」とは建築会社とあなた(発注者)の事です。
こういった文章が約30条ほど続きます。
30条というと頭が痛くなる方もいらっしゃるかと思いますが、30条の中の半分くらいは一般常識の範囲ですので安心して下さい。
約款のポイントは、
①保証はどうなっているのか
②契約後いつまでに引渡しで、1日あたりの違約金はどうなっているのか
③工事中の事故や災害はどうなっているのか
④万が一解約する時はどうなっているのか
この辺りは必ず押さえて疑問があれば必ず確認しましょう。
契約書
次に契約書です。
契約書には通常、図面と見積もり添付されます。
契約書のポイントは
①価格と仕様に疑問点はないか
②支払い条件の確認
この2点です。
価格と仕様は前回お話しましたが、疑問点がある場合はここで疑問を無くしておきましょう。
また、②の支払い条件はかなり大事な項目で、
建物の代金は一般的に、
「契約」、「着工」、「上棟」、「引渡し」と何回かに分けて行われます。
通常の会社は、「引渡し」の時に多くの金額を支払いますが、たまに「引渡し」ではなくて、「契約」や「着工」の時に多くの金額を支払うと言う内容をサラッとのせている場合があります。
工事の代金は、出来上がった分を払うのが基本であり、まだ何も出来ていない着工時に、例えば半分以上のお金を支払うのはリスク意外何ものでもありません。
支払い条件は必ずチェックしてください。
まとめ
今回は、少し難しいお話をしましたが、請負契約は家を建てるのに避けては通れないものです。
もちろん、信頼できる建築会社だと、契約書にはほとんど問題はありません。
ただ、ここで疑問を解消してスッキリと家づくりに入っていければ、8割方、家づくりは成功したも同然です。
「モヤモヤした気持ち」
これが満足いかない家づくりの大きな原因なのです。
次回は、設計打合せ内容から着工までを見ていきます。
では。
家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
建築士が教える今日の問題解決
家の請負契約、どこを注意すればいい?
- 約款は4つのポイントをチェック。
- 4つのポイントとは「保証」「引渡し時期」「事故や災害の時の対応」「解約方法」の4つ。
- 契約書は2つをチェック。「価格と仕様」、「支払い条件」を必ず確認。
- 工事代金は、先に払いすぎないよう注意。出来た分だけ支払うのが基本。
- 疑問が解消されたら契約をする。疑問が解消されないなら、契約を延ばすのも有り。
- 疑問を解消してスッキリ契約。とても家づくりに大切な事です。