家づくり中のみなさん、こんにちは。江戸小紋空間デザインの小林です。
先日、歌舞伎俳優の松本幸四郎さんあらため、2代目松本白鸚さんが歌舞伎座の楽屋で取材を受けているのをTVで拝見しました。
そのとき、「おおおお〜!!」と目が画面に釘付けに・・。
取材中、白鸚さんが日本の家具デザイナー長大作氏デザインの低座イスに座っていたのです。
実はこの椅子は、1960年に松本白鸚さんのお父上(初代白鸚)の邸宅を設計する際にデザインされた「松本幸四郎モデル」とよばれる低座椅子。
座面は広く厚みがあるので、あぐらをかいたり足を投げ出して座ることができ、この低さからでも無理なく立ち上がれます。
また、天童木工の製品の特徴でもある椅子自体の軽さと、ほどよく幅のあるソリ状のデザインによって、畳や絨毯が傷みにくい形状になっています。
その椅子は初代白鸚さんはとても気に入って、歌舞伎座の楽屋にも持ち込んで使っていたと聞きます。
その息子である現在の白鸚さんも同じく松本幸四郎モデルの椅子をご愛用されていたのですね。
親から子へ、大切に受け継がれているのを見て、優れた家具は財産だなぁと思いを新たにしました。
そんな名作家具でもある低座イスは、天童木工の製品です。
今日は日本が誇る家具メーカー、天童木工をご紹介したいと思います。
天童木工とは
天童木工は、その名前の通り、山形県天童市に本社を構える家具メーカーです。
天童市といえば、将棋の駒の生産地としても有名です。
昔から木材の加工が盛んな地域だったのですね。
そんな天童木工の家具の大きな特徴は、秋田の曲げわっぱのような成形合板。
成形合板とは、単板と呼ばれる薄くスライスした木の板を重ね合わせて、様々な形状に加工していく技術です。
天童木工は、戦後日本ではじめて成型合板の技術を取り入れ、有名プロダクトデザイナーの手によって美しくデザイン性のある家具としてプロデュースしていったのです。
天童木工のプロダクトは、住宅内だけにはとどまりません。
オフィス家具や図書館向け家具シリーズも展開しており、全国の図書館で天童木工の家具が採用されています。
数年前、隈研吾氏が設計した富山の富山市立図書館にも見にいきましたが、本棚は天童木工の製品なんです。
出典:https://www.library.toyama.toyama.jp/shinkanguide/floor5
また全国の官公庁や議場向け家具も多数生産しているので、皆さんも知らずに天童木工の製品を使っているかもしれないですね。
天童木工の魅力
それでは、天童木工の家具の魅力について見ていきましょう。
軽くてしなやか
出典:http://www.tendo-mokko.co.jp/series/5
天童木工の成形合板は厳選した木材を用いて、薄く板状にした木材を張り合わせて加工しているため、他社の無垢材の製品と比べても非常に軽く感じられるのが特徴です。
このため、小さなお子さんでも扱いやすく、軽いが故に床材を傷つけることがありません。
このため、若いファミリーにも人気です。
継ぎ目のない一体成形で丈夫
出典:http://www.tendo-mokko.co.jp/series/2
木材を加工すると継ぎ目がでてきますが、成形合板を使うことによって、一体成形のデザインが可能となっています。
軽いとすぐ壊れるのではと心配する方もいますが、成形合板は衝撃を吸収するしなやかな強さを持っていますし、強度を保つための成形も工夫がされています。
また塗りと磨きを何度も繰り返しているために手触りも非常によく、上質さを保ちます。
とにかく美しいフォルム
天童木工は長大作氏をはじめ、剣持勇氏や柳宗理氏、丹下健三氏、黒川紀章氏といった名だたるデザイナーや建築家と組んでデザイン開発を行っており、「どこかで見たな」という有名なデザインの家具を多く生産しているのも特徴です。
成形合板という自在に加工できる製品は、デザイナーや職人の技術のたまものなんですね。
何度もみているはずなのに、飽きが来ません。ひとつひとつがこだわりぬいた美しいフォルムで、ついうっとりと見とれてしまうのも納得です。
北欧系のインテリアやナチュラル系のインテリア空間にもしっかりハマります。
メンテナンス体制が整っており長く受け継いでいける
出典:http://www.tendo-mokko.co.jp/sets/set_s-5016_t-2001
上記の松本白鸚さんのように、親子で受け継いで使えることは天童木工の商品の特徴であり、優れた家具の証明でもあります。
家具を末永く愛用してほしいという企業姿勢は、座面カバーの交換や修理といったメンテナンス体制にもあらわれています。
修理をしながら永く使うことによって、ものを大切に扱う姿勢が受け継がれて行ったらすてきですね。
まとめ
今回は天童木工について見てきました。
天童木工の家具は、軽さやしなやかさの中に、強さやデザインの美しさを感じるのが最大の魅力。
製品はオンラインでも購入できる他、山形の本社ショールーム、東京ショールーム、大阪ショールーム、そして全国の家具店やデパートでも実際に触ったり体験したりすることができますので、気になる方はぜひぜひ、ショールームやお店で体験していただければと思います。
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