タワーマンションを購入している人の正体と未来予想図

ビルと親子

こんにちは、O型建築士です。このブログは家づくりをする人のためのブログですが、今日はちょっと脱線して家ではなくてマンションの話をします。

今、東京湾岸エリアのタワーマンションがアホみたいに売れているのを知っていますか?話には聞いていましたが、実際に湾岸エリアでマンション販売をしている友人の話を聞いて、湾岸タワーマンションの現実を知る事ができました。

読者の皆さんの中にはマンションか戸建てで迷っている人も少なからずいるのではないでしょうか?そんな方に少しでも参考になるように、湾岸のタワーマンションの現状とタワーマンションの未来についてお伝えしたいと思います。

マンションの購入を迷っている方は必見!?(笑)

タワーマンションを購入している人は誰?

夜景

この記事を書いているのは2015年5月。

東京オリンピックを前に湾岸エリアのタワーマンションは建設ラッシュとなっています。ところが建設ラッシュにも関わらず、湾岸エリアの新築タワーマンションの販売価格は上昇の一途をたどっています。

湾岸地域に何が起こっているのでしょうか?

 

タワーマンションの建設ラッシュで供給量が増えているにも関わらず、タワーマンションの価格が上昇するためには、供給以上に購入したいという人がいないといけません。これが価格上昇のエネルギーとなります。では、いったい誰が買っているのでしょうか?

 

今、湾岸のタワーマンションの中心価格帯は7000万円くらいです。この価格は高層階のものではなく、中層から低層階のものです。7000万円というと、年収でいえば1000万円を超えるくらいの人達がターゲットと言えるでしょう。年収で1000万に届かなくても、共働きで世帯年収が1000万を超えるくらいであればローンが組めるので、頑張れば手が届く範囲の物件です。

では、それよりも遥かに価格が高い高層階は誰が買っているのでしょうか?年収が2000万とか3000万円の人とか?

タワーマンションを購入する人の正体

お面

今、タワーマンションを購入する人は大きく3つに分けられます。

1つめは「実際に住むために購入する人」。

2つめは「相続税対策のために購入する人」。

最後に「中国の富裕層などお金を持っている外国人」です。

 

「実際に住むために購入する人」は、マンションを買って通勤通学など実際に生活をする人のことです。先ほどの7000万前後のマンションを買う人がこの人たちです。

 

「相続税対策のために購入する人」とは、相続税を減らすために購入する人のことです。これは相続税改正が大きく影響しており、相続税対策の基本である「現金を不動産に替える」ことを実践している人です。

実は、タワーマンションは節税対策にとても効果的な不動産と言えます。そのため購入者が殺到しているのです。マンションの相続税評価額は、同じ面積であれば低層階でも最上階でも変わりません。そのためタワーマンションの上の階を買えば買う程に相続税対策に有効となり、タワーマンションの最上階を買えば相続税対策の効果は抜群という訳です。

 

最後に「中国の富裕層などお金を持っている外国人」について見てみましょう。

アジア系富裕層がタワーマンションを買う理由はいくつかあります。日本に住んでいる私たちにはあまり実感がありませんが、日本はここ数年で円安が進んだために海外の人から見れば安く感じられます。

さらにシンガポールや台北などと比べると、日本の不動産はデフレの影響で割安感があり投資しやすい上に、東京にマンションを持っているというステータスも持つことができます。そして、そのステータスのシンボルが東京湾岸のタワーマンションなのです。そのため、タワーマンションの爆買いが起こっているのです。

 

では、タワーマンションの現状と価格がこれからどうなるのか見ていきましょう。

マンションの本当の価値

ビル群

皆さんは、マンションの価値は何で決まるのか知っていますか?

答えはとても簡単です。マンションの価値の9割は立地で決まります。どの地域に建っていて、駅から徒歩何分のマンションかがマンションの価値を決めると言っても過言ではありません。マンションのブランドや設備、豪華な共用施設なんかはほんの僅かな価値しかありません。

 

今建設中の湾岸のタワーマンションの中には、駅から徒歩10分くらいと中途半端な場所に建っているマンションも多くあります。そういうマンションは駅まで住人専用のシャトルバスを走らせたり、共用スペースを豪華にしてラグジュアリー感を出しています。(すべて管理費として住人に跳ね返ってきますが。)

 

マンションは立地がほとんどなのに、駅より遠いマンションの方が数年前に売り出された駅近のマンションより高く販売されて、アホみたいに売れています。もう異常な状態としか言いようがありませんが、こんな事が今の湾岸エリアで起こっています。

湾岸エリアのタワーマンションに住む人

タワーマンション

私が湾岸エリアに行くのは年に10回ほどです。東京ビッグサイトで建築やインテリア関係の展示会が定期的に行われるために行く事が多いですね。

皆さんも東京のお台場など湾岸エリアに行った事がある人は分かると思いますが、湾岸エリアは元々何もなかった場所です。今でも鉄道に乗れば乗り換えが必要なことが多いですし、日常生活するものを買う場所も限られています。

海が近く夜景もキレイと観光にはいいかもしれませんが、実際生活する人にとって湾岸エリアは生活するのにそう便利な場所ではありません。

同じ金額を出すのなら、もっと通勤に便利で生活しやすい所は沢山あります。東京で土地勘のある人なら、わざわざ湾岸地域のタワーマンションを買って都心に通うのは面倒だという人は大勢いるのではないでしょうか。そのため、今後も住むために買う人はいるでしょうが、爆発的に増える事はありません。

湾岸エリアのタワーマンションを相続税対策に買った人

海沿い

一方、相続税対策で購入したマンションの場合、一部の人は自分で住むかもしれませんが多くは賃貸に出されます。

賃貸の価格というのは、基本的に利回りとよばれる物で弾き出すようになっています。東京のマンションの平均的な利回りは3%くらいと言われていて、30数年間、賃貸に出し続ければ買った金額の家賃収入が入るという計算です。(管理費や修繕積立金、空室のリスクは含んでいません。)

 

7000万円の物件を現金で買った場合、だいたい月20万円で貸し出せば利回りが3%くらいになります。ローンを組んだ場合はもっと家賃を上げなければ3%に届きません。一体、不便な湾岸地域に月に20万以上出して物件を借りる人はどのくらいいるのでしょうか?

 

湾岸地域はさらにマンションが立ち続ける上に、賃貸で出される物件は増え続けていきます。外国人投資家も投資用に買ったマンションを賃貸として出してきます。

そして、空室に耐えきれずにどこかが家賃を下げ始めたら最後、借り手がつく賃料まで下がり続けます。賃料が下がるということはマンションの中古価格も下がる事を意味します。不動産の価値を投資利回りで計算する事になるからです。

 

これらの事から、湾岸のタワーマンションの相場は下がる可能性がとても高いのが現状です。マンションのデベロッパーは今が売り時とタワーマンションの建設ラッシュになるのも分かりますね。

デベロッパーは高値で売抜ける事ができれば、後で価格が下がろうとも気にはしません。すべて購入した人の自己責任となってしまうのです。

 

この話だけでも湾岸地域のタワーマンションはリスクが高い物件であることが分かりますが、次はもっと踏み込んだ湾岸タワーマンションの未来予想図について見ていきましょう。

外国人富裕層が購入したマンション

オフィスビル

ここ最近よく聞くようになった中国人の爆買。私も今年の花見では中国人の多さにビックリし、ついこの間行った沖縄では、数年前までほとんど見ることが無かった中国人観光客の多さと、そのマナーの悪さにさらにビックリでした。

 

湾岸のタワーマンションでも同じように中国人による爆買いが起こっています。先日会った、マンションの販売をしている友人も言います。

「彼らは主に投資用に購入し、1棟だけではなく複数購入していく。今ではマンションの価格を支える重要な顧客になっている。」

 

日本の森林やリゾート地を次々に購入していく外国資本ですが、湾岸のタワーマンションもアジア系の投資家に大人気です。タワーマンションは街のランドマーク的な存在となり、ステータスになると思っているからです。(ステータスかどうかは分かりません。)

そんなアジア系投資家は電車に乗って通勤する事はありませんから、駅が近くないタワーマンションでもこぞって買いに走るのでしょう。要はランドマークのようなマンションであればいいのです。マンションのデベロッパーにとってはとてもいい顧客です。

 

さらに先ほどの友人は続けます。

「大規模なマンションには、家族や友人が来た時に安く泊まれる部屋が必ず用意してある。でも、最近ではマンションを購入したアジア系の人間が、その部屋を借り続けてホテルのように又貸しして問題になっているマンションも出てきている。」

これは今までの日本では起こらない問題です。日本人のモラルの高さもありますし、近所付き合いの視点などから又貸しをしている噂が立てば住み続けることも難しくなりますが、アジア系の投資家の考えることはさすが違います。

さらに友人は続けます。

「タワーマンションを外国人富裕層に売ると高く売れるが、外国人が多く買っているマンションという噂が出ると日本人は敬遠しがちになる。マンションによっては半分が外国人富裕層が購入していると聞くマンションもある。そうならないように、外国人が購入できる比率を決めているマンションが増えてきている。」

 

皆さんも購入したマンションの半分がアジア系富裕層が購入した物だと分かったらどう思いますか?1番の懸念はマンションの管理です。日本人は管理に興味ある人は少なく、最初にデベロッパーが決めた管理規約をそのまま守る人が大半です。日本人のモラルの高さに依存しているとも言えます。

一方、アジア系の富裕層が管理規約を守る保証を誰ができるでしょうか。マンションにある来客宿泊用の部屋でさえホテル代わりの金儲けに使う発想があるくらいです。マナーやモラルというものが高くなければ、日本のこれまでのマンションの考え方は通用せず、湾岸のタワーマンションはこれまでのマンションと違う歴史を歩む可能性はとても高いと言わざるをえません。

タワーマンションを買う事はステータス?

マンションと親子

最後に友人が言った一言が記憶に残っています。

「昔はマンションのデベロッパーで働く人間は、自分のところのタワーマンションを買って住んでいた。昔はタワーマンションも少なかったしそこに住むのはステータスと思っていたんだ。でも、今は違う。タワーマンションを買う人はいなくなった。表現が難しいけど、タワーマンションに住むのがカッコ悪いと思うように変わってきている。」

 

1990年代から2000年代始めにかけて、ヴィトンなどのブランド物を持つことがものすごく流行りました。私のころはプラダのリュックが凄く流行っていて、皆持っていた気がします。

一方、最近の20代の好みを調査したデータを見ると、ブランドのバッグを持って街に出かける事を恥ずかしいと思うそうです。ブランドで皆と同じ物を身につけている事がカッコいいと思う時代から、自分の個性をさりげなく主張するのがカッコいいと思う時代に変わった事を意味しています。

確かに、私も家づくりを通してこの違いは分かります。今ではコテコテしたものが下品でうるさく感じられれ敬遠される時代です。

 

タワーマンションも、マンションを扱う人間にとっては下品で格好わるい物に感じられるようになったということでしょう。それは、タワーマンションに飽きてきたのかも知れませんし、タワーマンションの購入層を身近で見ているからなのかも知れません。

タワーマンションの未来

中国

このような事を考えると、湾岸のタワーマンションを買うことは相当リスクが高い行動であることが分かると思います。では、湾岸地域のタワーマンションの未来は廃墟と化した暗い未来となるのでしょうか?

 

私も湾岸地域の未来は暗いだろうと思っていましたが、友人の話を聞くにつれ考えを改めるようになりました。

考えられるケースとしては、湾岸地域が中華街のようになる事です。

中国人富裕層が湾岸エリアのマンションを買い続け、湾岸の中華街化が進めば日本人がどんどんいなくなる。そして、いつしか中国人の間では湾岸エリアが一大ブランドとなり、中国人の街になる。今のところそんな未来を予想します。

 

湾岸地域が中華街となれば、もしかしたら不動産価格が崩壊していないかもしれません。東京オリンピックの終わった10年後の湾岸エリアは、果たしてどのようになっているのでしょうか。中華街になって欲しくないという思いもありますが、どう変わっていくか非常に楽しみでもあります。

 

もちろん、私はタワーマンションを買う資産もありませんので見守るだけです。(たとえ資産があっても買わないでしょうが。)

皆さんも、タワーマンションを買うときは、一度そのタワーマンションがどうなりそうか考えてみてはどうでしょうか。マンションのデベロッパーは未来を教えてくれませんから。

では。

 

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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今日の問題解決

湾岸のタワーマンションはどうなる?

  • タワーマンションを買う人は、実際に住むために購入する人。相続税対策のために購入する人。中国の富裕層などお金を持っている外国人。
  • マンションの価値は立地が9割。でも立地がそれほど良くない湾岸地域には、住宅需要の爆発的増加は見込めない。
  • 賃貸利回りを元にマンションの価格を出せば、価格が高いかどうかが分かる。
  • 賃貸でたくさん物件が出る場所は、価格下落のリスクが高い。
  • 外国人比率が高いマンションは、管理の面で今までに無い問題が起こる可能性がある。
  • タワーマンションに住む事が格好わるくなりつつある。
  • 湾岸地域が中国人富裕層の街になるかもしれない。