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賃貸併用住宅にする前に必ず知っておきたいこと

「親から譲り受けた土地があるので家を建てる時に賃貸併用住宅にしようかと考えているのですが、賃貸併用住宅にする時の注意点があれば教えてもらえないでしょうか?」

このような質問を読者の方からいただきました。

 

最近は相続税対策のためにアパートを建てる人が多いなど、賃貸住宅を建設する会社の業績は好調となっています。

では、アパートと似たような形の賃貸併用住宅はどうなのでしょうか。

今回は賃貸併用住宅について見ていきたいと思います。

賃貸併用住宅って何?

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賃貸併用住宅というのは、家を建てるときに家の一部を賃貸住宅として貸し出せるようになっている住宅のことを言います。

簡単に言うと、自分の住む家にアパートがくっついた住宅という訳ですね。

 

なぜわざわざこのような複雑な住宅にするのかというと、家賃収入を家の建築費やローンの一部に当てることができるようになるので、土地の活用という点で賃貸併用住宅が建てられることが多いです。

 

賃貸併用住宅を検討する場合、「住宅ローンを賃貸住宅からの収入で賄うことができる」とのうたい文句を住宅会社から言われることが多いのが特徴で、実際に住宅会社も資金計画をいかに魅力的な数字に見せられるかというのをすごく重視します。

その資金計画とおりにいけば将来に渡って安定した収入を得ることができるようになりますが、では、本当にその資金計画の通りにいくのでしょうか?

 

それは、賃貸住宅の魅力にかかっているんです。

賃貸住宅をつくる時のポイント

賃貸住宅

賃貸住宅で一番大切なのは何でしょうか?

それは立地です。

これは賃貸併用住宅でもアパートでも同じことが言えます。

 

都心に近くて便利な駅近の物件であれば、空室になるリスクが少なく安定した賃貸経営ができますし、不便な立地の物件であれば空室になるリスクは高くなります。

これは当たり前と言えば当たり前なのですが、アパートの場合は元から持て余している土地に「相続税対策」などで住宅会社や建築会社から営業をかけられてアパートを建てることが多く、立地や物件の魅力アップなど本当に大切なことは置き去りにされていることが多いんです。

 

本来は、「入居者にいかに長く住んでもらえる魅力ある物件にするか」という点を考えつつ、メインのターゲットを決めて賃貸住宅を造るべきなのですが、とりあえず使っていない土地があるからアパートを建てるという形になってしまっているんですね。

そうなると、最初の新築の時点では「新築」という魅力がつくので何とかなりますが、時間が経つと見向きもされない物件となってしまう可能性が非常に高くなります。

賃貸併用住宅でも、これと同じことが言えるんですね。

 

また、今では「賃貸部分を一括借りあげするから安心」という声もありますが、実は最初の家賃をずっと保証してくれる訳ではなく、時間が経つにつれどんどん保証される家賃は減額されていきます。

保証会社も営利目的でやっているので、だれも借り手のつかない部屋にお金を出してくれる訳もなく、結果的に賃貸経営が破綻するなんていうことも普通に起こりえます。

 

アパートであれば最悪のケースとして売却すればいいですが、賃貸併用住宅だと売却すると自分の住む家も失ってしまうことにもなりかねないんですね。

そのため、それだけのリスクを背負っても大丈夫なほどしっかりした資金計画なのかどうか。

この部分をしっかり見極めない限り、失敗する可能性は非常に高くなります。

(もちろん業者は、リスクよりもメリットを言いますので)

 

ちなみに私も以前に賃貸併用住宅の商品開発に関わったことがありますが、資金計画のシミュレーションをすると、どれだけ高い家賃が取れるか地域なのかで賃貸併用住宅の成否の90%は決まってしまうので、家よりも土地次第という部分が大きいため商品開発に苦労した記憶があります。

賃貸併用住宅が成功するかどうかは、土地の価値に大きく依存してしまうんですね。

 

そのため、賃貸の需要が落ちない土地で建てるのかどうか。

ここが賃貸併用住宅の一番のポイントと言えます。

(反対に言えば、需要の無い土地や減ることが予想される土地では、賃貸併用住宅は避けるのが無難です)

まとめ

今回は、賃貸併用住宅について見てきました。

今の日本は空き家問題のように、需要に対して部屋があまっている状態にもかかわらず、賃貸住宅をつくり続けています。

そのため今後、魅力のない物件から淘汰されていってしまうのは火を見るより明らかですね。

 

特に、今の賃貸住宅は土地ありきでスタートしているので、実際の消費者の目線がスッポリと抜け落ちていることが多く、行き当たりばったりの賃貸経営ではいずれ破綻していくのが火を見るより明らかです。

賃貸併用住宅をつくる場合、まずは土地に価値があるのか。(価値が少ないなら賃貸併用住宅は避けるのが無難です)

そして、消費者に対して何かしら魅力を感じられる物件にする。(コンセプトをつくって差別化する)

これが賃貸併用住宅の成否を分けてくるんですね。

 

では。

 

店舗併用住宅についてはこちらをご覧ください。

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家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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