「家の打合せをしているのですが、担当してくれていた担当の人が退職する事になりました。人の入れ替わりが多い会社だと話で聞いてはいたのですが、そのような住宅会社でこのまま家づくりを進めても大丈夫なものなのでしょうか?また、このようなケースはよくあるのでしょうか?」
読者さんからこのような質問をいただきました。
確かに家づくりの途中で担当者が変わってしまうと気になってしまいますね。
ましてや人の入れ替わりが激しい会社だと不安に感じる気持ちもよく分かります。
また、今回の質問以外にも、家が完成してからでも担当した人が辞めてしまって少し心配という声も時々に耳にします。
では、今回のように担当者が会社を辞めてしまうケースはどう考えれば良いのでしょうか?
今回は住宅会社とそこで働く人との関係性について見ていきたいと思います。
家を建てるということ
まずは大前提として、誰でも家は建てるのが目的ではなく、新しくできた家で楽しく充実した時間を過ごすことが目的となります。
家を建てる目的は人それぞれ多少違っていたとしても、家を建てるのが目的という人はいないはずです。
家づくりは家が完成した時に一区切り付きますが、家は完成して終わりという訳ではないんですね。
特に、家は数年に1度買い替えるといった物でもないですし、家のメンテナンス次第で家の耐久年数は大きく変わる物なので、住宅会社や工務店とは家が建ったあとも長い付き合いをしていくことになります。
そのため、1番のベストは家を建てた住宅会社や工務店がその後何年も廃業すること無く会社が続いてくれる事で、さらには担当してくれた人がずっと残ってくれていると何かと相談しやすく心強いものです。
ですので、まずは家を建てた住宅会社や工務店が長く存続すること。
その上で担当者が辞める会社よりも辞めない会社の方が良いに越した事はありません。
一方、今は昔と違い転職を1度もせずに1つの会社にずっといるという人はどんどん減っていますし、特に住宅の営業マンというのは合う合わないという部分が大きく、入れ替わりの激しい職種でもあります。
そのため、家の契約前や契約後に担当者が変わると言う事体も十分有り得ます。
では、担当者が辞めるというリスクを減らすために、このような人の入れ替わりがある会社はできる限り避けるべきなんでしょうか?
詳しく見ていきたいと思います。
人が辞めない住宅会社は良い会社?
私はいろんな住宅会社や工務店を見てきましたが、「人」というテーマに絞ると住宅会社は大きく4つに分けられます。
- 建てる家に魅力があり、人もほとんど辞めない住宅会社。
- 建てる家にあまり魅力がなく、人もほとんど辞めない住宅会社。
- 建てる家に魅力があり、人の入れ替わりが多い住宅会社。
- 建てる家にあまり魅力がなく、人の入れ替わりが多い住宅会社。
以上の4つです。
「人が辞めない会社」だけを見てみても、大きく分けて2種類あるんですね。
家の技術や性能と言う物は絶えず進化していて、現状維持は衰退しているのと同じことを意味します。
建てる家に魅力がある会社というのは、常に家のクオリティを高めている住宅会社のことなんですね。
「建てる家に魅力があり、人もほとんど辞めない住宅会社」というのは、家のクオリティを高めつつ、労働環境を含めて社員のこともよく考えている住宅会社を意味します。
世の中では人手不足と言われていますが、住宅業界も例に漏れず人があまり集まらないケースもよくあります。
でも、「建てる家に魅力があり、人もほとんど辞めない住宅会社」の社長さんからは求人にしても「良い人が集まらない」という言葉を聞いたことはありません。
どちらかというと「良い人が集まらない」というのは会社のトップとして努力をしていない、もしくは無能と同じ意味になることをよく理解されていて、常にどうすれば良いかということを考えられている事が多く、社員の事も考えられる会社と言うのは家を建てる人の事もよく考えている会社であるケースがほとんどです。
このようにトップが考えている住宅会社は、無論、辞めていく人はあまりいません。
一方、建てる家にあまり魅力がなく、人もほとんど辞めない住宅会社というのも存在します。
これは一言で言うと、ぬるま湯体質で居心地が良い住宅会社というのが当てはまります。
あまり変化が無いので、変化を嫌う人には居心地が良く感じられる住宅会社ですが、同じ事をだけを続けていてはどこかで時代についていけなくなる時がやってきます。
言い換えれば、担当者が住宅会社を辞めなくても、会社自体が無くなってしまう恐れがあると言えます。
そのため、社員が辞めない住宅会社だからと言って、良い会社とは必ずしも言えないんですね。
次に、社員の入れ替わりが激しい住宅会社について見てみましょう。
社員の入れ替わりが激しい会社の中も、「建てる家に魅力がある会社」と「建てる家に魅力がない会社」に分けられます。
「建てる家に魅力があり、人の入れ替わりが多い住宅会社」の場合は、社員の独立やスキルアップを支援している会社であることが多く、常に新陳代謝を行いながら成長しているケースをよく見かけます。
人が集まる会社と言っても良いかもしれませんね。
このような住宅会社であれば、担当者が変わることもほとんどマイナスになることも無く、人の入れ替えが激しくても気にする必要はありません。
(強いてあげれば入れ替えが激しいことを少しドライと感じる場合もあるので、多少好みは分かれます)
一番避けたいケースとしては「建てる家にあまり魅力がなく、人の入れ替わりが多い住宅会社」というケース。
いわゆるブラックに近い会社であることも多く、そのような住宅会社は家を建てる人に対しても利益のためと割り切っているので、できればこのような会社は避けた方が無難です。
土地を転がすのがメインで、家はおまけというケースでよく見受けられます。
このように、担当者が辞めないから良い住宅会社かどうかは一言で判断するのは難しく、「その住宅会社がどのような会社なのか」という部分を見ることが重要になってくるんですね。
それでは最後に、もし実際に担当者が変わるとなった場合、どのような点に気をつけておけば大丈夫なのでしょうか?
最後に担当者が変わる場合の注意点を見てみましょう。
担当者が変わる場合の注意点
実際に担当者が変わるようになった場合、ただポンッと単純に担当者が変わるのではなく、実際には引き継ぎが行われます。
そして担当者が変わる場合、この引き継ぎがとても大切なんです。
資料がただ右から左に移動しただけの引き継ぎの場合、前の担当者に伝えていた事も新しい担当者に伝わっていなかったという事もありますし、この点で言った言わないとなってトラブルになるケースをよく見かけます。
特に重要な内容は、前任の担当者と新しい担当者を交えて、改めて記録に残しておくのがとても重要なんですね。
こうすることで、後々のトラブルの火種をあらかじめ消しておくことができます。
もしこの引き継ぎ部分が曖昧であったり適当な場合は、しっかり引き継ぎをして欲しい旨を伝え、それでもダメな場合は家の契約前であれば無用なトラブルは避けるために住宅会社や工務店を変更するのも1つの方法となります。
また、最初にお伝えしたように担当者がいれば家が完成してからメンテナンスやリフォームなど何かあった場合の窓口として頼もしい存在ですが、実際に対応する事になるのはメンテナンス専門の人間であることがほとんどです。
そのため、アフターメンテナンスをどれだけ力を入れている住宅会社なのか。
この部分が実は担当者が辞める辞めないと言ったことよりも、はるかに大事なんですね。
メンテナンスを大事にしている会社と言う事は、家づくりで何かあったとしても責任を取るという姿勢が明確なので、例え担当者が辞めたとしても引き継ぎのトラブルになる事は少なく、安心感もある会社であることが多いです。
家づくりのパートナーを決める際には、アフターメンテナンスにもしっかり注目してみてくださいね。
まとめ
今回は担当者が途中で辞めてしまうケースについて見てきました。
「その人にお願いしたかったから」という理由で住宅会社や工務店を選んだ人も少なからずいらっしゃると思います。
でも、どのような仕事でもそうですが、何かしらの理由で担当者が退職して担当が変わるというケースは普通に起こる可能性があります。
そんな時、どのような事を注意しておけばいいのか。
その点を知っているだけでも気持ちは楽になりますし、後々のトラブルも避ける事ができます。
どんな事が起こっても、その対応策があらかじめ分かっていれば焦る事なく冷静に対応できるようになるんですね。
家づくりは分からない事が多く不安になりがちですが、少し勉強すればその不安も少なくなります。
ぜひ必要な知識を身につけた上で、せっかくの家づくりを楽しんでみてくださいね。
では。
家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
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