あなたは、家のトイレには「タンクレストイレ」と「タンク付きトイレ」があるのをご存知ですか?
タンクとはトイレの後ろの水を貯めておくタンクのことで、昔からよく使われているトイレでは「タンク付きトイレ」を見かけることが多く、「タンクレストイレ」は新築の家やお洒落なお店なんかでよく使われています。
今回はこの「タンクレストイレ」と「タンク付きトイレ」の違いについてご紹介します。
目次
タンクレストイレのメリット

Photo:http://www.lixil.co.jp/lineup/toiletroom/satis/
タンクレストイレをよく見るようになったのは10年くらい前からでしょうか。
今ではタンクレストイレは新築の家で採用される事が多くなりました。
まずはタンクレストイレのメリットから見ていきましょう。
サイズがコンパクトでトイレが広く使える

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タンクレストイレでは、名前の通りタンクが有りません。
そしてタンクが無い分、タンクレストイレはタンク付きのトイレよりも約10センチほどコンパクトな作りになっています。(上の図参照)
また、実際の奥行きだけでは無く立体的な見え方もタンクが無い分トイレが広く見えます。(これは意外と違います)
家にトイレを作る場合、トイレの奥行きは大体1m70㎝くらいから1m20㎝くらいなので、10㎝といってもトイレの広さや使い勝手に結構影響が出てきます。
そのため、特に奥行きがコンパクトな作りのトイレの場合はタンクレストイレにすると効果大です。
タンクレストイレは見た目がスッキリ
タンクレストイレのその他のメリットを見てみると、タンクレストイレはタンクが無いので見た目がスッキリします。
そして、せっかくスッキリするならデザインも良い方が良いですよね。
そのため、各メーカーもタンクレストイレのデザインには力を入れています。
ちなみに、今は丸みをおびたトイレになりましたが、数年前のサティスというトイレなんかはかなり尖ったデザインで、初めて見た時はちょっと驚きでした。
トイレをオシャレにしたいという場合は、好みのデザインのタンクレストイレを選んでみるのも楽しいですね。
タンクレストイレは節水型のトイレが多い


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タンクレストイレは節水にも力を入れた商品が多いです。
タンク付きトイレのようには水を貯めておくタンクがタンクレストイレには無いので、どれだけ少ない水で洗浄できるかというのは結構重要になってくるんですね。
また、その節水もただ節水するのではなく、汚れをどれだけ落としながら節水できるかという所にも力が入っています。
トイレの節水技術を見ると、日本の技術力はすごですし、将来どこまで節水できるのか?限界はあるのか?個人的に気になります。
タンクレストイレは掃除がしやすい


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タンクレストイレはタンクが無く温水便座を簡単に上げる事ができるので、掃除がしやすいという特徴があります。
実際に使ってみると分かりますが、タンク付きトイレとタンクレストイレでは便座の掃除のしやすさはかなり違います。
タンクが無いので便座を上げるのに邪魔になる物が無いんですね。
タンクレストイレはホントに便座が上げやすく、奥まで掃除する事ができるので、これはタンクレストイレの結構大きなポイントと言えます。
また、タンクが無いだけなのに、何かすごく奇麗に掃除した気分になるのも不思議な物です。
タンクレストイレのデメリット

タンクレストイレはメリットばかりではなく、デメリットもあります。
今度はタンクレストイレのデメリットについて見ていきましょう。
タンクレストイレは価格が高い
タンクレストイレは数あるトイレの中でも上位クラスの商品です。
そのため、タンク付きのトイレと比べると価格は数万円、高いのだと10万円以上違ってきます。
タンクレストイレは様々な機能がついているので、金額が高くなってしまうんですね。
タンクレストイレと一言でいっても、便座が自動で開くものもありますし、便座は手で開けないといけない物もあります。
必要な機能は色々と選べるようになっている事が多いので、必要な機能を絞ってタンクレストイレを選ぶとコストパフォーマンスを高める事ができます。
手洗いを付ける必要がある

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タンク付きのトイレだとタンクから出る水で手を洗う事ができますが、タンクレストイレはタンクが無いので手を洗う事ができません。
そのため、トイレの中かトイレを出た所に手洗いをつくる必要が出てきます。
タンクレストイレの価格にプラスして、手洗い設置の費用も発生するのが、タンクレストイレのツラいところなんですね。
ただ、手洗い場は好きなボウルを設置するなど結構遊べる所ですので、お洒落にしてあげるとトイレの雰囲気がグッとよくなりますよ。
水圧が弱い場合は注意が必要
水圧が弱い場所にタンクレストイレを設置する場合、注意が必要です。(2階や3階に設置する場合)
タンクレストイレはタンクがないので水の勢いが重要なのですが、水圧が弱いとトイレが上手い事流れなくなってしまいます。
ただ、水圧が弱くてもブースターを付けて水の勢いを強くすると言う方法もあるので、気になる場合は住宅会社に確認してみてください。(特に3階に設置する場合)
電気がないと水が流れない


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タンクレストイレはタンク付きトイレと違い、電気が無いと水が流れません。
そのため、プラグを抜いていたり停電の時は水が流れないので注意が必要となります。
「停電でトイレが使えないのはすごく不便なんじゃない?」と思う方もご安心を。
タンクレストイレの後ろのカバーをはずすと手動レバーが付いていて、手動で流す事もできます。
(ただ、水はバケツやホースで便器の中へ補充する必要があります)
タンクレストイレにする場合は、停電の時どうすれば良いのか覚えておきたいですね。
タンク付きトイレってどうなの?

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タンクレストイレの次はタンク付きのトイレに付いても見ていきましょう。
それではまず、タンク付きトイレの特徴をご紹介します。
価格が安い
タンクレストイレと比べると、タンク付きのトイレは価格が安いです。
安い物なら温水便座も付いて数万円くらいで手に入ります。(安いトイレってこんなに安いんです)
タンクレストイレとの価格差は結構あるので、トイレにこだわりが無いならタンク付きトイレでも十分と言えます。
タンク付きトイレにもグレードが有る
同じメーカーのタンク付きトイレでもいくつか種類があり、それぞれグレードも違ってきます。
グレードの違いとしては、安い物は汚れが付きやすかったり使用する水の量も多いので、価格なりと言った感じです。
反対にグレードが良いほど汚れが付きにくく節水タイプになっていきます。
見た目も何処にでもあるトイレといった感じから、デザイン性がアップしていきます。
この辺りは予算と相談と言えそうですね。
1階はおしゃれなタンクレストイレにして2階は安いトイレにするという方法もありますよ。
トイレを選ぶ前に確認したい事

トイレを選ぶ際は、機能やデザインを見て選ぶ事が多いですが、できればトイレを最終的に選ぶ前に、一度は便座の上に座ってみてください。
実際に使うまではしなくても、ショールームに置いてあるトイレにはぜひ一度座ってみるのがベスト。
理由はトイレによって座り心地がかなり違う場合があり、時にはなんだか座りにくいなんてこともあるから何です。
慣れればどうって事ないかもしれませんが、家ができてからではトイレは簡単に交換できないので、一度は確認しておきたいポイントです。(トイレ名は伏せておきますが、私はどうしても落ち着かないトイレがあります。)
まとめ
今回は家のトイレについてご紹介しました。
タンクレストイレにするのか、タンク付きトイレにするのか。
これはトイレにどれだけこだわるかで決まってきます。
ランニングコストとしては節水型のトイレを選んだ方が長い目で見るとかなり水道代に差が出てきますし、掃除の手間を考えると汚れが付きにくく掃除がしやすい方が掃除の時間は節約できます。
トイレは「見た目重視」なのか「トータルコスト重視」なのか「掃除重視」なのか。
この優先順位を付ける事ができれば、「どのトイレにすれば良いのか」の答えが見つかります。
トイレは毎日使う所です。ぜひ満足いくトイレを選んでくださいね。
では。
トイレについてはこちらも参考にしてください。
→玄関の側にトイレってどうなの?トイレで間取りの善し悪しが分かります。
→階段下収納や階段下トイレってどうなの?効果的な階段下の使い方
→トイレの位置はどこがいい?避けたい場所と理想的なトイレの場所
家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
建築士が教える今日の問題解決
タンクレストイレとタンク付きトイレの違いって何?
- タンクレストイレのメリットは「サイズがコンパクト」、「掃除がしやすい」、「節水」、「高いデザイン性」。
- タンクレストイレのデメリットは「手洗いが必要」、「水圧に注意」、「停電時に不便」。
- タンク付きトイレにもグレードが有り、安いものは安いなりの性能で高い物は性能が良い。
- 「見た目」、「トータルコスト」、「掃除」で優先順位を付けると、どのトイレを選べばいいか分かる。