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賃貸住宅での不満は家を建てたら解消するの?

私が家の間取りつくる時に必ず聞く事の1つが今の生活の不満点です。

新しい家を建てるなら、少なくとも今の生活の不満点は解消していないと家を建てる意味が無いですよね。

また、その不満点というのが、新しい家でどのような生活を送りたいのかのヒントにもなってくれます。

 

今回はそんな今の生活の不満点、特に賃貸住宅に住んでいる方からよく聞く不満点を元に、どうすれば新しく建てる家でその不満点を解決して快適に過ごせるようになるかについて見ていきたいと思います。

それではどうぞご覧ください。

賃貸住宅の不満で多いこと

あなたは今住んでる家に不満はありますか?

誰でも少なくても1つや2つは不満があるのではないでしょうか。

 

そもそも賃貸住宅というのはまず最初に間取りがあり、そこにあなたの生活を当てはめて生活することになるので、どうしても使いにくいと思う事や住みにくいということは出てきてしまいます。

それでは家を建てた方から聞いた、賃貸住宅で不満に感じていたことを参考にしながら、その不満を解消するための対策について見ていきましょう。

 

夏暑くて、冬寒い

「夏暑くて、冬寒い」。

これは賃貸住宅、特にアパートや少し古い戸建て住宅に住んでいる方からとてもよく聞く言葉です。

 

日本は四季があるので夏は暑くて冬は寒いですが、家の中も同じような状態だと体にこたえますよね。

夏は湿気が多い地域であったり、冬は盆地や日本海側など冷え込みが厳しい地域では、特に影響が大きくなります。

外は夏暑く、冬寒くても仕方ありませんが、少なくとも家の中は快適に過ごせるようにしておきたいですね。

家の断熱性能が悪いと、部屋の中を冷やしたり暖めたりするために冷暖房を多く使って光熱費がかなり掛かってしまうなんてことも。

 

では、賃貸住宅はどうして夏暑くて冬寒い物件が多いのでしょうか?

実際にアパートの仕様や現場を見てみると、断熱材の厚みや施工レベルは戸建て住宅と比べると最低限であることが多いですし、古い物件では断熱材が湿気を吸って役目を果たさなくなっている物件など、夏は暑くて冬が寒くなるというのも当然という物件も多くあります。

(以前にあった住宅エコポイントをもらうために窓や断熱の性能を上げる必要があったため、最近の賃貸住宅では暑さ寒さは大分マシになりましたが)

賃貸住宅は利益を上げるために、断熱性能が低かったり最低限になっていることが多いんですね。

 

そんな不快な暑さや寒さ、家を建てるなら当然解消したい物です。

ただ、新しい家を建てるから夏の暑さと冬の寒さに無縁となる訳ではなく、実は家の暑さ寒さ対策は建てる家の断熱性能と気密性能が大切になってきます。

1分で分かる!家づくりで大事な断熱と気密の話

 

住宅会社や工務店のレベルによっては、賃貸住宅とあまり変わらない性能の家ができる場合もあれば、暑さ寒さ対策はバッチリの家になる場合もあるんですね。

そのため暑さ寒さが気になる方は、住宅会社を選ぶ際に家の断熱性能についてもしっかり確認しておく。

(本当に建てる家の性能はピンからキリまであります)

これがとても大切なポイントになります。

(マンションは外気に面している部分が少ないので暑さ寒さの影響を受けることが少なく、特に分譲レベルのマンションに住まわれている方は断熱性能をしっかり見ないと、新しい家の方が逆に寒いなんてことも起こることがあるので注意してくださいね)

 

風通しが悪い

風通しが悪いというのも、賃貸住宅ではよく聞く不満の1つです。

中には風通しが悪くて湿気がこもり、カビが生えて困っている何てことも。

 

そもそも、賃貸住宅では窓の数は少ないことが多いですし、風の入口と出口が必ずしも用意されている訳ではないので風の通り道がなく、結果として風通しが悪くなる原因となってしまっています。

 

風通しを良くするなら、まずは家の中に風が入るように風の入口と出口をつくること。

また風向きを考えながらいかに風を取り込むかが大切になってくるんですね。

風通しの良い家にするなら適当に窓を付けるのではなく、窓の種類、配置からしっかり見ておくことがポイントになります。

家の光や風を左右する!家を建てるなら知っておきたい窓の話

 

隣や上階の音がうるさくて、室内の音も外にもれる

賃貸住宅では音の問題もよく耳にしますよね。

賃貸の近隣トラブルでは音絡みのことがよくあります。

 

賃貸住宅では壁一枚隔ててお隣の家になりますし、上階の音というのは思ったよりも響く物です。

お隣や上階の音に関しては、壁の作り、壁厚によっても変わってきますが、やはりマンションよりもアパートの方が響きます。

 

特に小さなお子さんがいる場合はどうしても音が気になってきますし、足音が気になって子供を自由に遊ばせてあげられないというのも賃貸住宅では不満の1つに感じてしまいますよね。

 

戸建て住宅の場合、お隣の家まで距離が離れる事、またペアガラスが当たり前になった今では、音が気になる場合は窓を閉めれば音漏れがそんな気になることは無く、近隣の音問題というのはかなり解決します。

 

一方、家の中の音というのは、オープンな作りの家が増えた事もあり、1階と2階の音は意外と聞こえやすいもの。

どうしても音が気になる場合は、部屋と部屋の間や1階と2階の間に断熱材を入れたり、部屋と部屋の間に収納を作ってワンクッションを挟む、また吹抜けではなく区画を区切るようにするなど、間取りの段階から対策を取っておきたいですね。

 

設備が使いにくい

賃貸住宅では、設備の不満もよく耳にします。

特にキッチンが狭い、使いづらいといった声はほとんどの方から聞こえてくる項目です。

その他キッチンでは、食器棚や家電が置けないなどスペースに問題がある場合もよくありますね。

 

その他の設備、お風呂や洗面に関しては、狭い、使いづらい、汚れが溜まりやすいといった日常使いと掃除の問題。

トイレに関しては、今ではシャワートイレが有るか無いかも不満の原因となっています。

 

設備だけで言うと、戸建ての家になれば、ほぼ確実に使い勝手や設備のグレードは上がります。

キッチン、お風呂、洗面などはLixilやパナソニックなどの専門のメーカーから入れるので使い勝手のバラツキは少なく、品質もそんなに手を加えられる所が無いレベルのところまで来ています。

また、設備を造作にしてあなたの使い勝手に合わせたオリジナル仕様にする何てこともできるので、設備面では賃貸住宅と比べて大きく改善が見込めます。

 

住宅設備に関しては、住宅会社や工務店でよく使っているメーカー、割高になってしまうメーカーがあるので、絶対にコレが入れたいという商品がある場合は予め確認しておくのがベストです。

 

収納が足りない

「収納が足りない」「物が溢れている」

これも賃貸住宅でよく聞く不満の1つですね。

 

収納に不満がある場合は、単純に収納量が足りない場合や使いづらい収納しか無いケースが多く、中には収納が足りないので1部屋を物置に使っているという方もいらっしゃいます。

 

その一方、家を建てる場合には賃貸住宅と比べて単純に床面積が増えること多く、収納スペースは今より確保できることがほとんどなので、収納量は増えます。

ただ、ここでの注意点として、収納量が単純に増えただけではただ物を置ける場所が増えるだけで結局は片付かなかったり、一見部屋はキレイに見えるけども、収納内はグチャグチャなんてお宅も。

 

収納はただ面積だけで見るのでは無く、適材適所、また用途に合わせた適切な広さと奥行きになっているかどうか。

この辺りを意識して収納を配置したいですね。

おしゃれなリビングにするための収納術。片付く部屋にする方法をご紹介します。

これで失敗しない!家のプロが教えるクローゼットの収納術

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間取りが使いにくい

間取りが使いにくい!

賃貸住宅に住んでいる方は、このように思う事も多いのではないでしょうか?

 

賃貸住宅では限られたスペースにただ部屋を入れたということも多く、実際の使い勝手に沿った間取りでは無い事も多いため、間取りで不満に感じられる方はとても多いです。

また、料理や洗濯といった家事の動線も動きにくいということもあれば、洗濯物を干すスペースが足り無いなど間取りが家族に合っていないケースなんかもあります。

その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について

 

賃貸住宅では家族の生活を間取りに当てはめる必要があるんですね。

(しかも、使い勝手を考えた間取りではなく、スペースに当てはめただけの間取りというのも使いにくいですね)

これが間取りを不便に感じる大きな原因となってしまいます。

 

家を建てる場合は、あなたと家族の生活に合うように間取りをつくる。

まずはそこがスタート地点になるんですね。

 

その他、インテリアをオシャレにしたいと思っても賃貸住宅ではイマイチ上手くいかないと感じている方も多くいらっしゃいます。

小物を沢山飾るのが上手な方は小物の使い方で何とかなりますが、シンプルでスッキリしたインテリアにしたいという方にとっては、賃貸住宅とはあまり相性は良くありません。

家の作り自体がスッキリ見えない作りになっているからなんですね。

これはスッキリ見える部屋には法則が有り、そのように部屋(間取り)が作られているかどうかで変わってくるからです。

 

スッキリ見える部屋には賃貸、持ち家の区別はなく、賃貸住宅でもスッキリ見えるように作られている部屋はスッキリ見えますし、新しく家を建てたとしてもスッキリ見えるように作らなければスッキリした空間にはならず、賃貸住宅の内装グレードが少し良くなっただけの空間になることもあります。

目指すインテリアやどのような雰囲気の部屋に住みたいかは家ができてから考るのと、予め仕様決めの段階からしっかり意識しておくのでは、家の完成度に雲泥の差が出てきます。

どんなに性能の良い家を建てても性能は目に見える物ではないので実感はしにくいですが、見ていて心地いい空間というのは視覚で入ってくるので実感しやすく満足度も高くなりやすいので、せっかく家を建てるなら少しでも良いのであなたが好きなインテリアを使ったオシャレな空間を目指してみてくださいね。

家に居る時間がとても楽しくなりますよ。

オシャレに見える家とオシャレに見えない家の違いって何?

まとめ

今回は家を建てる方から聞いた、賃貸住宅のよくある不満について見てきました。

そもそも、どうして賃貸住宅では不満を出やすいかを見てみると、家と賃貸住宅とでは建てる目的が大きく違うという点があげられます。

 

例えば家は「家族が家で楽しい時間を過ごすため」といった生活の充実に重点を置くのに比べ、一般的な賃貸住宅は収益が目的となります。

収益が目的になれば、いかに効率良く建てることができ、その結果、利回りがどれくらい出せるかどうかが重要になり、住む人は置いてけぼりになりがちです。

特に知識や経験が無い人が相続税対策だけで建てた賃貸住宅なんていうのは、建築業者の言うことを鵜呑みにするしかなく、どのようなレベルの賃貸住宅になるか、また住む人にとって住み心地はどうかという視点までたどりつかないことがほとんどです。

(最近ではプラスαの価値が付いた賃貸住宅や使い勝手がしっかり考えられた賃貸住宅も増えてきてはいますが、まだまだ少数です。そのような賃貸住宅という選択肢が増えれば、もっと住環境はよくなるのですが・・)

 

そのため、賃貸住宅での生活に不満を感じて、自分で家を建てるという動機の1つになっていることも多いんですね。

 

ただ、ここで注意しておきたいのが、賃貸住宅から新しく家を建てれば不満は必ず解消されるという訳ではないということです。

今の賃貸住宅の不満は何か、そしてそれを解消するために新しく建てる家でどう対応したかというのが大切なんですね。

この部分がしっかりしていないと、ただ設備が新しい賃貸住宅に毛が生えたくらいの家ができてしまうなんてことも。

その間取り、今の生活の不満は解消されていますか?

 

今不満があるということは、住みやすい家づくりのための重要なヒントになります。

家を建てるなら、今の住まいの不満をしっかり伝えて今の住まいの不満を解消した上で住んでいて楽しくなる快適な家にしたいですね。

では。

 

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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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