家の風通し

間取りでお悩みの方はコチラ

風通しの良い家はどうすれば作れる?家の中へ風を入れる方法

一般的に、間取りをつくる際には家づくりの要望を必ず聞きいてから間取りを作ることになりますが、その際にほとんどの方は「明るい家」というキーワードを口にされます。

それだけ明るい家にしたいと思う方は多くいらっしゃるんですね。

せっかく家を建てるなら明るい家にしたいと思うのも当然のことだと思います。

 

一方、「明るい家」以外に多いキーワードもあります。

それが「風通しの良い家」です。

 

明るいだけでなく、やはり風通しの良い家にしたいと思われる方も多いんですね。

賃貸住宅では風通しが考慮されていることはほとんどありませんし、風通しが良ければ暑い時期に家の中の温度を下げることができたり空気が流れるのでカビ等の発生を防ぐ要因にもなります。

何より家の中を吹き抜ける風は気持ちいいものですよね。

 

そんな家づくりで重要な風通しですが、では、どうすれば風通しの良い家をつくれるのでしょうか?

今回は風の特性を見ながら、風通しの良い家のつくり方について見ていきましょう。

風通しの良い家にしたい方は、ぜひご覧ください。

地域や季節によって風が吹く方角が違う

家の風向き

風通しの良い家のつくり方を見ていく前に、まずは風の特性を知ることが風通しの良い家にするための第一歩となります。

では、ここで1つ質問を。

あなたの地域ではどの方角から風が吹いてくるかあなたは知っていますか?

南から風が吹いてくることが多いという方もいらっしゃると思いますし、北風が多いと言う地域に住んでる方もいらっしゃると思います。

 

そうなんです。

日本全国それぞれの地域によって風が吹いてくる方角は違うんですね。

 

たとえば、太平洋側の地域であれば海風が南から吹いてくることが多いので南風が吹くことが多いですし、近くに山があれば山からの吹き下ろしの風が吹くことが多いこともあります。

風の吹く方向というのはその地域によって特性があるんですね。

その他にも同じ都道府県であっても、北部と南部では風が吹いてくる方向は全く違うということもあります。

このようにまずはその地域の風が何処から吹くことが多いのかを知る所が風通しの良い家にするためのスタートになるんですね。

 

また地域の特性の中で、もう1つ注目しておきたいポイントがあります。

それが、季節と時間による風の向きです。

風の向きは季節と時間によっても変わってくるんですね。

夏場は南風が多くても、冬に近づくにつれて北風が多く吹くような地域は多くあります。

 

ほとんどの方は、夏場は風を家の中に入れたいけども、冬の冷たい風は家に入れたくないという方は多いのではないでしょうか。

 

やはり風を上手く活用するなら、春から夏、秋にかけての暑い時期の風は上手く家の中に入れたいですし、反対に秋の終わりから春先にかけての寒い時期の風はできる限り家の中に入りにくいようにしておきたいもの。

家の中の温度を下げたい時は効率的に風を取り入れて、反対に寒くなってしまう冬場は風の影響を少なくすると言うのが重要になります。

 

その他に、日中と夜では風が吹いてくる方角が全く違うという地域というのも多く存在します。

例えば海岸地帯であれば昼は海から陸へ向かって風が吹くことが多いですが、夜には逆に陸から海へ向かって風が吹くことが多くあります。

これは「陸は暖まりやすく冷えやすい」、「海は暖まりにくく冷えにくい」という特徴から起こる現象です。

さらには海だけでなく各地域の地形が加わることで風の向きというのは日中と夜では全く別の物になることが多いんですね。

 

夏の日中は暑いのでクーラーを使っても、夜はできれば自然の風を入れて眠りたいという方も多くいらっしゃいます。

そんな場合、夏の夜にどこから風が吹いてくるのか把握しておくことがとても重要になってくるんですね。

 

このように、それぞれの地域、また季節によって風の向きは変わってきます。

やはりこの風向きの特性を上手く活かした上で、窓を配置していくのがポイントとなってくるんですね。

 

どこから風が吹いてくるかというデータは気象庁のホームページから見ることができ、数年分の風向きの統計を取ってみるとその地域の季節による特徴を掴むことができます。

風向きのデータをとるのはかなり手間にはなりますが、家を建てる場合、その地域の風向きのデータを見せてくれる工務店や住宅会社もあります。

そのような工務店や住宅会社は家の中をいかに快適にするか考えている会社である可能性が高いと言えるので、工務店選びの参考にされてもいいですね。

風通しの良い家にするための方法

家の風通しを良くする

それでは、先ほどの風の特性を踏まえた上で、風通しの良い家にするための方法について見ていきましょう。

風は地域や季節によって風の吹いてくる方角が違うとお伝えしましたが、実は風の吹く方角だけを気にしておけばいいという訳ではありません。

風通しの良い家にするためには、地域の風向きの特性の他に周辺環境についても考慮する必要があるんですね。

住宅地では敷地の周りに家が建っているので、思ったように風が入らないケースもあるからです。

周りに何も無い一軒家であれば風の方角を把握しているだけでも問題ありませんが、周りに家が建っている場合、風は周りの家に当たった後、今度は家と家の間を縫って風が通り抜けるようになります。

この家と家の間の風を取り込むことで、より風通しの良い家にすることができるんですね。

風向きにプラスして、家の周りの環境もしっかり把握しながら窓を配置する。

これが風通しの良い家にするためには必須となるんですね。

そして、この家と家の間を抜ける風を取り込むには、窓の種類も重要です。

 

例えば、家でよく使われるとして引違い窓があります。

こんな窓ですね。

引き違い窓

引違い窓は窓の面積が広いので外に出入りする際によく使われる窓ですが、それ以外にも窓の大きさの割に価格がお手頃なので、特に賃貸住宅やローコスト住宅でよく使われる窓という特徴があります。

 

でも、この引違い窓はすぐ隣に家が建っている場合は風を入れる窓としてはほとんど役に立たなくなってしまうのが難点。

窓が横に開くだけなので、真正面からの風は取り込めても、家と家の間をすり抜けていく風は取り込めないんですね。

特にお隣の家がすぐ近くにあって真正面から風が吹いてくることがほとんどない位置に引き違い窓を設けると、風を取り入れる窓としてはほとんど役に立たってくれません。

そのようなケースでは、引き違い窓ではなく他の窓を使うのが正解となるんですね。

 

窓を配置する場合、風はその地域の特性だけでなく、周りの状況も踏まえた上で最適な窓を選んでいくというのが重要なんですね。

風通しの良い家にするための窓

家の窓

それでは次に、風が入りやすい窓の使い方についても見てみましょう。

 

縦すべり窓を上手く使う

風通しの良い家にするために、一番効果的な窓なのが「縦すべり窓」。

縦すべり窓とはこのようにドアのように開く窓のことを言います。

縦滑り窓

縦すべり窓を開けていると、正面からの風はもちろん、横から吹いてくる風も窓がウィンドキャッチャーの役割を果たしてくれて、家の中に風を取り込めるようになります。

先ほどの引き違い窓と比べると一目瞭然ですね。(左が引違い窓、右が縦すべり窓の風の時の風の入り方になります)

風通しを良くする方法

縦すべり窓を上手く使うことが、風通しの良い家の第一歩となってくるんですね。

 

もちろん、風通しが良いからと言って家の窓全部を縦すべり窓にするのは現実的ではありませんし、それぞれの窓の種類によって役割は違ってきます。

必要な場所に、必要な窓を配置していく。

風通しの良い家にするためには、これが一番重要なんですね。

 

風の入り口と出口を作る

風通しの良い家にする場合、風の入口だけでなく、風の出口を作ることも大切なポイントとなります。

風の出口が無いと新たに風を家の中に入れることができず、結果として風通しの悪いへやになってしまいます。

そのため風通しの良い家にする場合、家全体、また部屋の中で風の入口と出口を想定しておく必要があるんですね。

 

例えば、窓が1つしかない部屋であれば窓を2つにするというのも効果的です。

大きな1つの窓よりも小さな2つの窓の方が風が入ってくるんですね。

(もちろん、窓が小さすぎると光が入らなくなってしまうので、大きさのバランスも考慮する必要があります)

また、部屋の中に窓を2つ付けた場合でも、窓の位置によっても風通しは違ってきます。

部屋の中に空気の淀みができないかどうかチェックすることで、結果的に風通しの良い部屋にすることができるんですね。

 

その他、家全体の風通しを見る場合、例えば高い位置に窓を設けることで家の中の熱い空気を効果的に入れ替えることもできるなど、高低差を活かして風通しの良い家にするのも効果的です。

風通しを良くする窓の配置

風を取り込むための入口について考えるのはもちろん、風の入口だけでなく出口も用意して、それぞれの部屋単位はもちろん、家全体で風の流れをつくり出すようにしておくのが風通しの良い家にするための基本的な考え方となるんですね。

 

私は建築士として注文住宅を作る以外に、間取り診断で多くの方の間取りを見る機会が多くありますが、間取りを見ていて一番残念なのは、取りあえず付けたと思われる窓。

風通し等をいっさい想定せずに、特に理由もなくポンと窓がつけられているケースが結構あるんですね。

やはりそれぞれの窓の意味を説明できる家。

これが風通しだけでなく、家の明るさ、住んでからの快適性に大きく影響してくるので、窓についてしっかり考えられた家を建てたいですね。

まとめ

今回は風通しの良い家にする方法について見てきました。

風が通ることで家の中の温度を下げることができますし、空気が入れ替わることでカビなどの発生も防ぐことができます。

そのため、全館空調で窓を開ける必要のない家というような特殊な家でない限り、やはり風通しの良い家を目指したいですね。

何より、風が通り抜ける家というのはとても居心地がいいものですし、それが快適な生活につながってきます。

 

あなたもぜひ、今回お伝えした地域の特性や窓を意識しながら風通しの良い家をつくってくださいね。

では。

 

窓についてはこちらも参考にしてください。

家の光や風を左右する!家を建てるなら知っておきたい窓の話

家の外観を良くする方法(窓の使い方編)

窓で失敗しないために知っておきたい3つのポイント

ウォークインクローゼットに窓は必要?収納の換気の話

窓を変更したいんですが、着工後の変更はどこまで可能なんでしょうか?

あとで後悔しない!家で暗くなりがちな場所3選

「横すべり出し窓」を物凄く使っている四角い家を見つけました

家づくりに役立つ最新情報をTwitterでも発信しています。

建築士のTwitter

建築士が実際に見てきた全国の優良工務店を掲載。

GOOD BUILDERS

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

まるで教科書!理想の家をつくる方法【絶対保存版】

土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】

家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】

注文住宅を建てる前に必ず知っておきたい!注文住宅のメリットとデメリット

建築士が教える今日の問題解決

風通しの良い家にするにはどうすればいい?

  • 地域の風の特性をつかむ。
  • 縦すべり窓を上手く使い、家と家の間を通り抜ける風を家に取り込む。
  • 風の入口と出口をつくり、部屋だけでなく家全体で風が抜けるようにする。
  • この記事を書いた人
  • 最新記事

O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

-間取りでお悩みの方はコチラ
-, ,

Copyright © BUILD WORKS , All Rights Reserved.